はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

遠江33観音6-1

2010-06-08 15:54:58 | 寺社遍路
遠江33ヶ所観音霊場巡り6-1回目        2010/06/02


    10.9k   7.4k   1.0k   6.2k   5.7k   4.4k  2.3k
菊川駅 -29番 -30番 -31番 -32番 -33番 -1番 -掛川駅
    2:25    1:20   11   1:16   1:06    56   25 

 歩行距離     37.9km
 総時間     10時間05分
 歩行時間     7時間39分
 平均歩行時速    5.0km

  --------------------------------------------------

   29番 磯部山へ(県道)

 遠江33観音も6回目の今回で結願になる。今日は残りの5寺とお礼廻りで1番結縁寺を打って掛川駅のゴールを予定している。
実際は1回目の遍路で32番と33番は打ち終わっているが、あれは私の判断ミスで、くだらないルートを設定してしまったので、無かった事にして今日再度打つことにしている。

 既に乗り慣れた藤枝6時13分発岐阜行きの電車に乗り、菊川駅を6時40分に出発。
菊川駅は静岡県では珍しく南側に駅の出入口があるので、南の方角にある最初の目的地29番は菊川駅を出たら真直ぐ進めばよい。
札所は駅より南に10k以上行った旧小笠町高橋にある。

           

 静岡県の駅の改札は、と言っても最近は階上駅が増えて南も北もないが一応説明すると。
まず南側がメインの出入り口の駅は三島、沼津、焼津位のもので富士、清水、静岡、藤枝、島田、掛川、袋井、磐田、浜松と殆どの駅が北口がメインだ。静岡県では東西に東海道線が走っているので駅の入口を北口、南口と表することが多く、北口は山側、南口は海側という風になっている。

 では何故三島、沼津、焼津それと小さい駅だが今回の菊川は南側なのか----- 
ここから先は例により私の独断と偏見による解釈になるが、いささか自信を持っている。
例に挙げた駅は入口を作るのに北・南共に地理的条件が付く所は無い。
では北口がメインの駅を見てみると、旧東海道が全て線路より北側を走っている。更に南口がメインの三島・沼津は東海道は南側にある。要するに東海道線が開通したとき駅の入口は旧東海道に向けて作ったのだろう。
では焼津駅は東海道が北にあるのに、何故駅は南口か。それは旧東海道と駅とが離れているため街道に左右される事なく駅が出来たのだと思う。
当り前といえば当り前の事だが、遍路をしながらあれこれ空想するには丁度良い題材だ。

 29番までは県道を37・245・69・244号と歩いて行き、さらに29番の札所は大きな寺のようなので道に迷う心配はない。と思っている。

          
県道245の小笠高校や市立病院を過ぎ、横地城址の看板があった頃から、道は登り坂になって、カーブが多くなってきた。交通量はさほどでもないがスピードが出ている。歩道は狭い白線が引かれているだけだ。更に道の脇は雑草が生茂っているので、どうしても白線からはみ出してしまう。
カーブで前が見にくいのに更に雑草が覆被さって前が見難い。こちら側から見にくと言う事は、それ以上に車から私が見えにくいだろうと不安を覚える。その証拠にカーブでインコースを走ってきた車は私を見つけると慌ててハンドルを切っている。中でも恐いのはバイクで、雑草に触れるぐらいインコースで走ってくるので、勢い私は雑草の中に除ける事になる。
通勤時間帯だったせいもあり、普通ならなんでもない道だが恐怖の道になってしまった。

この様な道は右側を歩くより左側を歩く方のが目立つような気がする。車が路肩に寄るのは左カーブの時だから、そのとき歩行者が同じ方向に進んでいれば見つけやすい。それが歩行者がこちらに向かってくるとカーブから突然現れる格好になりビックリしてしまう。と思うのだが左を歩いていて事故になったらこっちが悪い事になってしまう。結局右側通行をするしかない。

 やっと峠のトンネルに着いた。先も見える短いトンネルだが懐中電灯を支度して渡り始める。
前回暗いトンネルで恐い思いをしたので、今は遍路の前夜に必ず点灯するか確認している。その効果が有るか無いかわからないが兎も角狭いくせにスピ-ドが速いので恐い。
次回この道を歩く時は県道でない道を探さなくてはならないな。

          

 県道ばかりで飽きてきた。左側にさっきから細い道が続いている。思い切ってその道に入ったら、何の事はない、また県道に戻ってしまった。判断が遅すぎる。
今度は右側の鞘堂の所から山裾を縫うように道が始まっている。きっと旧道だろうとその道に入った。更に少し離れた川沿いにも道が見える。地図で確認すると県道は川の向こう側にあるのでかえって好都合だとその道を進む。しかし----
何とその道は突然無くなってしまった。ウーン今日は道勘が冴えていない。

          

 元の旧道に戻り前進する。しかしその道は右へ右えと向かって行く。県道は左の川の向こうにあるのに何か変だ。道を聞く人はいないかと辺りを見回すとハウスの中に作業をしている人が。
「すみません。正林寺に行きたいのですが、どう行けばいいのでしょうか」と尋ねると、懇切丁寧に教えてくれた。余りに細かく憶えきれないので寺でなく県道までの道を教えてもらう。要は左にある川を渡れば県道はあるようだ。礼を言って細い道を川に向かう。

 県道に出た所に川中公民館があった。都市地図を見るが載っていない。この先は右に行くべきか、左に行くべきか当も付かない。右の方の信号の所に人が見える聞いてみよう。
今度は作戦を変えて「すみません。ここはこの地図のどのあたりでしょうか?」と聞いてみた。
地図をあちこち回して「見にくいね」と言いながらも解ったらしく。
「ここは、ほらこの郵便局がここで、あの学校が東小だから地図ではここだよ」と指差してくれる。
地図上の場所は分かったが何故自分がこんな所にいるのか理解できなかった。どうやら方向感覚が狂ってしまったようだ。
更に正林寺までの道を聞いて歩き出したが方向感覚は狂ったままで教わった通りに歩くしかなかった。その内正林寺の看板が出てきて道の不安は無くなったが以前地図と実際の場所がしっくりこなかった。

 橋の袂に「一級河川 小笠高橋川起点」と書かれた看板が立っている。川は小さく巾も狭くて、とても一級河川には見えない。しかもまだここは山の中腹で川も上に続いている。なのに起点と表示してある。ではこの標識から上は高橋川でなく、ただの「川」になるのか?そんな馬鹿な。

          

河川法なる物を調べてみたがよく解らない。代わりに一級河川の事が解った。
一級河川とは「国土交通省が国土保全上または国民経済上特に重要として指定した水系」ここまでは分る。では何故この細い名前も聞いたことが無いような川が一級なのかと言うと、一級河川の支流は全て一級河川に指定されているので、その支流がどんなに細く短くても一級河川になるらしい。
因みにこんな事も分った。
静岡県の一級河川は狩野川、富士川、安倍川、大井川、菊川、天竜川の6河川で、中でも菊川は河川延長距離がが28kmと一番短く、その距離は日本の一級河川の中でも最短だった。
しかもこの遍路でも何回か出合った大田川水系の河川延長距離は43.9kと菊川より、よっぽど長く大きい。何故だろう、どうしても気になる。更に調べていくと
「菊川流域は牧之原台地と小笠山に挟まれた低平地で、蛇行が激しく過去にたびたび水害をもたらしてきた。しかし流域は幕府直轄領や大名・旗本の領地が交錯する権利関係の複雑な場所であったため、本格的な河川改修が行われるようになったのは明治維新以降のことである。現在では一級河川の指定を受けているが、一級水系としては小規模な河川の部類に入るため、二級河川への指定替えが議論されたが、国土交通省は「引き続き国の管理のもと河川改修を行う必要がある」としている」

 初めて見た川の基点標識だったが、お陰で勉強になった。

 道に迷い、方向感覚が狂ったせいか長くなってしまった。まだ札所には着かないが今回はこれで終ろう。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿