はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

富士箱根トレイル③-2

2012-01-13 10:53:25 | 低山歩き
富士箱根トレイル3回目―2                    歩行月日2011/11/26

 三国山山頂を出ると木の様相が変わってきた。ブナの木が目だっていたのが、幹立ちというのか細い木が何本も集って
束になって生えている。まるで弱い動物が集団になって自分達を守るように、この木も重なって生える事により、中の木を
鹿などの食害から守っているようにも見える。名前が分れば調べる事もできるのだが-----
 芦ノ湖が清々と見えるようになってきた。山頂にアンテナが見える山が二子山で、その下の湖畔の集落は箱根園辺りなのだろう。

 
 
 山伏峠の手前辺りからハイカーに出会うようになった。と言ってもほんのたまに擦れ違う程度で金時山と比べれば雲泥の差だ。
前方に駿河湾が見えてきた。その手前に凸凹した山並が沼津アルプスなのだろう。
この山は低山なのに起伏が激しく中々侮れない山らしいが、私はまだ登った事が無い。
だが富士山の眺めが中々良いらしいので、この富士箱根トレイルが終ったら行ってみようかと思っている。

 山伏峠には黒部渓谷の人食い岩を小さくしたような岩場があった。左に見えるツルツルした木は姫シャラで数は少なかったが時折見ることができる。
山伏峠は峠と言っても箱根側にも富士山側にも道は延びていない。昔は山伏が通った道があったのだろうか?。

 

道は尾根より少し下がった箱根側に付いているので、芦ノ湖は樹間から見ることができるが、富士山は全然見ることができない。
と思っていたら突然前方が開け頭上を覆っていた木もなくなった。そしてドライブインらしき建物も見える。
そこからは芦ノ湖は良く見るが富士山が見えない。後を振り返ると草原の高台に「絶景」と書かれていたので早速今来た道を少し戻り高台に登る。
だが残念ながら富士山は雲の中で見ることは出来なかった。

 

 ベンチに腰を下ろし握飯の昼食をとりながら山と高原地図を取り出しコースを確認すると、すでに今日のコースの2/3は歩いているようだ。
今11時30分。このまま行くと箱根峠の道の駅には13時頃着いてしまいそうだ。そこから芦ノ湖までの距離は知れているし、困ったものだ。
と何気なく今朝購入したJRの休日フーリ-切符の確認をすると。
アレー無い!確かチョッキの胸のポケットにしまったはずなのに入っていない。慌てて他のポケットやザックの中を調べてみたがどこにも入っていなかった。
ウーン今朝、岩波駅の便所に入ったときは持っていて、切符は棚の上に置いた。「忘れないようにしなければ」と思ったことも憶えている。
だが何所にも無いところをみると、どうやら棚の上に忘れてきたようだ。折角2600円で購入したのに、これでは帰りの三島~藤枝間の
1270円は丸損になってしまう。ウーン頭にきたな!
帰りの予定は箱根峠から芦ノ湖に下って、バスで三島駅に帰る予定だったが、これでは出費が重なってしまう。
仕方ない芦ノ湖に下りるのは止めて三島側に下ろう。そうすれば箱根・三島間のバス代1000円が少しは安くなって損害を減らす事ができる。
こうして箱根峠からの帰り道は自然と決まってしまった。もっとも三島駅まで無理なら途中でバスに乗ればよい。

 ドライブインからの道は今までとは打って変って明るい高原の道になった。
竹林を切り開いた道を歩いたと思ったら今度はススキが両側に生えた道になる。
 
 

すると今度は湿地帯のような様相をした苔むした木が現れた。何とも変化のあって面白い道だ。
前方のスカイラインに車が停まっているのが見える。きっと料金所なのだろう。とするとこの稜線歩きも終りに近づいた事になる。
小さく大砲の音が聞こえてきた。時間は丁度12時。

 

 「海平」の標識のある場所に着いた。地図では「海のノ平」となっているが、どちらが正しいのか?マーどちらでも大勢には影響ないか。
それより平でもないのに、何が海ノ平だろうと思いながら歩いていると、前方に開けた景色が見えてきた。
手前の道は芦ノ湖スカイラインでその横にゴルフ場が見えている。更に奥に見える道路は国道1号線か、その上にも別のゴルフ場が見える。
これなら」海ノ平も納得できる。芦ノ湖(海)付近の平らな場所なのだから。

          

 海ノ平から道の駅までの道は、稜線と別れ林の中のアップダウンの道になった。ドライブインまでは時折擦れ違っていたハイカーは見当たらなくなったが
今度は山歩きならぬ山走りの人たちが何組か私を追い抜いていく。熊除けの鈴を鳴らしながら、ドシドシと音を立ててくるのですぐ分かる。
道の脇に除けてやり過ごすのだが、彼らは何が面白くてこんな事をやっているのだろう。タイム重視で草や木や景色は眺めないのだろうか。
いずれにしても私には真似ができない行為だ。いや真似をしたくても出来ない年齢になってしまっている。

 車のエンジン音が聞こえて来ると箱根峠の道の駅がすぐ下に見えてきた。歩道管理NOも1番の標識が立っていた。
これで私の考えている富士箱根トレイルは一応終りだが、本当はこの先の十国峠に続く山道さえあればなあと思う。
鉾根峠から更に十国峠に足を延ばし、そこから石仏参道を海を見ながら熱海駅に下る。
そうなれば富士箱根トレイルでなく富士箱根伊豆トレイルになる。終点は海や温泉のある熱海なら区切りもいいのだが
なにせ道がないのではどうしょうもない。観光道路の脇を車を気にしながら歩くのも気が進まないのあきらめるしかないな。
 
 

 道の駅から1号線の左側を50mも行くと旧東海道と合流する。この急坂を10分も下れば芦ノ湖の箱根駅伝の発着場所に着く。
三島側の旧東海道は高台にあるゴルフ場経由だが、今日はその道はやめ、このまま1号線を進む事にした。
車の間隙を縫って反対車線側に移動する。こうしておけばこの先旧東海道に入りやすくなる。

 右手に芦ノ湖が見える場所があったが、ここが今日一番の芦ノ湖の眺めだった。
そういえば今日のコースの眺望はどうだったろう。
三国山山頂手前では富士山を木の間から覗くようにして見ることができた。
次のドライブインからは、雲で見えなかったが雲がなければきっと素晴らしい富士山を眺めることができるだろう。
芦ノ湖は矢張りドライブインからと、ここ箱根峠が良かった。あとは海ノ平からの鞍掛山などの眺めが良かった程度だ。

この富士箱根トレイル3日コースでは、何と言っても足柄峠から湖尻峠まで歩いた2回目が最高だった。
県道や足柄峠からの富士山。金時山からは富士山と箱根の眺望等々。
しかし一番感激したのは長尾峠と湖尻峠の間にあった富士見ヶ丘公園からの眺めだった。
富士山は勿論、籠坂峠から三国山稜、それに金時山から、更に箱根外輪山の尾根が一目で眺められ、自分で歩いたコースを一望できるのには感激した。
では2番目と言うと今日の3回目かな。初回は明神山へ足を延ばしたので山中湖と富士山の絶景を見ることが出来たが、三国山稜だけでははっきり言って大したことはない。
あのコースは景色と言うよりサンショウバラやアザミ、トリカブトなどの植物が魅力なコースだろう。次回は是非サンショウバラの咲く春に行って見たいと思っている。



 右手のスカイラインの入口が、湖尻峠からズート右を走っていた芦ノ湖スカイラインの入口だろう。
その先には神奈川県と静岡県の県境の標識が建っていた。
箱根峠の休憩所に13時15分到着

 

 フリー切符を失くしてしまったので、三島側を歩けるところまで歩こうと、春に歩いた東海道の小田原・三島の行程表を見る。
2月10日に小田原駅を7時15分に出発して、ここ箱根峠に12時55分に到着している。
そして三島駅には16時45分着なので、この間を3時間40分で歩いている。
なら今日も今13時25分なので17時頃には三島駅に着くだろう。なら思い切って三島まで頑張って歩いてしまえ。と決心した。

 ここから先は春に紹介したのでかい摘んで紹介します。

 春に歩いたとき箱根西坂の石畳で「〒」マークの刻印のある石を見つけたが写真を撮らなかった。
このマークはNTTの前が電電公社で、その前は逓信省(郵政省の前身)の時代に、ここに電話線を埋設した印だろう。
その証拠に電電公社のマークの石杭も所々にあった。
この事を他の人のブログに「何故〒マークがあったのか分らない、郵便のマークではないのかもしれない」と載っていたので
再度このマークを確認してみたかった。
今年は東海道を歩いた後、函南原生林から芦ノ湖まで2度歩いていて、その時注意深く下を見てマークを探しながら歩いたのに2度とも発見できなかった。
それが今回は見つけることが出来た。だが今回見つけた〒マークは石畳の石に直接刻印した物でなく、コンクリート柱にマークを埋め込んだ物だった。
場所は富士見食堂から国道を横断して、再度石畳に入った所だった。春に見つけたマークは、もっと箱根寄りで兜岩辺りだったと思うが。

 明治天皇が寺の境内の石に腰掛て、富士山を眺めた場所では、大根の栽培が盛んで、手前の岡の綺麗な緑が大根の葉っぱです。
途中で収穫したり、大根を洗って二又にして干したりしていたが写真を撮るのを忘れてしまった。
時々真っ赤な人参もあって、こちらは機械で洗っていて筵の上で干していた。
疲れてくると写真を撮るのも面倒になったり、撮ること自体に気が回らなくなってしまう。困ったものだ。

 
 
 錦田の一里塚では塚を写したその場所で振り返ると富士山が見えていた。
東海道長しと言えど一里塚の正面に富士山が見える場所はそう多くないだろう。
ここが昔も今もこれからも東海道を歩く旅人の憩いの場所であって欲しい。

 

 16時45分三島駅に到着。
恥を忍んで駅員に「今朝岩波駅の便所に、フリー切符を忘れてきてしまったのですが確認できますか」と聞いてみた。
駅員はその場で岩波駅に電話をしてくれて「あるそうですので証明書を書きますから下車駅に提出してください」だって。
ラッキー!キオスクで購入した氷結はいつもより美味かった。


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 PCが使えなくなっている間に、なんと!なんと!GPS測定器を管理する会社が倒産してしまっていた。
毎月1500円余の使用料を支払い、ネット上で自分の歩いた地図情報などを眺めることができていたのだが。
おかげで東海道は勿論。富士山一周、駿河一国や遠江や遠州の遍路の地図など全ての情報が駄目になってしまった。
そんな馬鹿なと思っても会社からは「12月中にデートをダウンロードするように」と通報があったようだ。
それにしても悲しい。この会社は朝日新聞や日本ウオーキング協会も関連していたので信頼していたのに-------

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