鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

静岡県議会産業委員会 県内視察 「食」「若者就職支援」

2012年07月18日 | 議会活動

平成24年7月18日(水)

 静岡県議会産業委員会の県内視察に行って来ました。本来の予定は二日間の予定で、7月18日(水)は富士宮市にある「あさぎりフードパーク」様と「青木養鶏場」様、静岡市の「東海道シグマ」様、19日(木)は御前崎市にある「県温水利用研究センター」と、菊川市にある「県茶業研究センター」を視察する予定です。

 しかし、私は19日に駐日ベトナム大使館に特命全権大使を訪問するため、18日のみの視察報告となります。

 

<あさぎりフードパーク>

 「富士山の西麓、朝霧高原の広葉樹(約1,000本)に囲まれた豊かな自然景観の中で、環境にマッチした“食と自然が融合した・林の中の食品工房”をコンセプトとするテーマパーク」(運営者の説明資料による)を視察しました。

 

(あさぎりフードパークの配置) 

(展示施設の一部)

 

(説明いただいた、あさぎりフードパーク協同組合の役員さん達)

 

(既に品切れとなった大人気商品「人参干し芋」を説明する担当者)

 

(米麹から作る焼酎を納めるタンク群)

 この事業は「活気ある地域産業の振興における先進事例」として、静岡県や国の積極的な支援により実現しています。

 場所は、朝霧高原の「道の駅 朝霧高原」の南側に隣接し、富士山を東側に仰ぐ、景観の素晴らしいところです。自然に配慮し、施設内は地域に自生する樹木を植林し、また、宣伝のための幟旗や看板などは極力掲げていません。

 地元農産物の加工、最新技術の製造工程を公開し、見せる工房として直販も行っています。

 現在は(1)牛乳や乳製品の製造、(2)清酒や焼酎の製造、(3)菓子の製造、(4)芋製品の製造、(5)茶(緑茶、紅茶等)の仕上げ加工が見られます。

 今年4月1日に開園し、ゴールデンウィークには延べ、23,000人が訪れており、開園以来、レジを通過した客は78,200件、売り上げは各店舗月当たり400万円を超えています。バスは370台が利用しています。東京のキー局を始めテレビ局各社も取材に訪れ、知名度は少しずつ上がっているようです。しかし、「まだ広報活動は積極的に働きかける余地はあり」とのことでした。

 昼食は、施設内にある地場野菜や肉を使ったバイキング形式で、とてもおいしく、リピーターになりそうです。 

<青木養鶏場>

 青木養鶏場は、「確かな6次産業を目指す養鶏場」です。その内訳は、30万羽の食用肉鳥生産(1次)、食肉処理加工(2次)、食肉販売(3次)となります。毎月10万羽を市場に出荷し、40グラムの雛は、50日弱で3kgの出荷可能な大きさまで成長するそうです。

 

(説明いただいた青木養鶏場の経営者)

 この成長を支えているのは飼料で、籾付きの米を主に、トウモロコシやその他の栄養物を混ぜたもの。特に米は生産者から直接買い入れ、安く仕入れているものの、米の収穫時に一括して購入するため、保存のための倉庫が必要となるなどの施設整備が負担となります。また、米は国の農業政策に関わり、生産調整や減反政策などがあるので、飼料用で購入するには複雑な手続きが必要であり、改善を求めていました。

 生産におけるポイントは、(1)徹底した経営管理、(2)広く近代的な鶏舎、(3)徹底した衛生管理でのびのび育つ雛、(4)確立された飼育管理マニュアル、(5)周年定量生産出荷を可能とする規模、(6)富士山の大自然の恵、(7)人材の確保・育成をあげています。

 加工においては、丁寧な手作業における解体、新鮮さを保持して消費者へ早く届けることなど、品質を維持することが重要である。

 その他、販売や販売先の積極的な開発についてもお話を伺うことができました。

 6次産業であるからこそ、その工程の流れで実感すること、「最高の原材料が最高の商品を生む」とのまとめの言葉には、納得できるものがあります。

 農協においては、「専業農家支援にもっと積極的に関与して欲しい」との要望も揚がりました。

 

<東海道シグマ>

 本業は、「人材紹介・人材派遣業」ですが、静岡県の施策、「緊急未就職卒業者就職応援事業」を担う企業を訪問しました。

 

(説明に使ったレジメ。昨年と今年の成果がデータとして示された)

 

(説明いただいた会社幹部の皆様)

 この県事業は、昨年から実施しているもので、県内の高校・短大・大学等を3月に卒業して、就職が決まっていない若者など180人をこの企業に雇用していただき、県内6カ所で就職に必要な様々な座学・演習訓練・職場実習(インターンシップ)を実施し、人材育成するものです。

 今年の採用応募者は303名で、採用試験(筆記試験・面接)により180名に絞り込みます。この180名は県予算から決められた枠で、応募者の60%が採用されました。昨年実績をみると、採用者の90%以上が就職できました。この就職率の高さを見ると、本年度は採用枠を180名以上にあげてもよかったと思いますし、来年はこの実績を踏まえ、より一層の配慮が必要と感じました。

 この制度は、将来の静岡県を経済的だけでなく、少子化を改善し、社会保障、医療など全てを支えてくれる若者達への先行投資であり、一議員としても積極的に支援していきたいと思います。

 卒業後の就職支援については、本来、学校側のしっかりした支援策が求められるべきで、その不備により改めてこのような「就職予備校」が必要となること自体が、問題ではないかと思います。

 今後、学校等には改善策を求めていくにせよ、就職率の改善につながる方策は、学校だけでなく、企業や行政も一緒になって検討すべき案件だと思います。

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