令和7年4月9日(水)
4月3日、米国は輸入する自動車への25%の追加関税を発動しました。日本もその対象となります。米国の現政権は世界経済だけでなく、ウクライナ問題や領土問題、移民問題などあらゆるものを混乱させていることに戸惑いを感じています。これらの課題について、EUやカナダなどのG7関係国の中で、日本は冷静な行動を取っているようですが、他国の行動を見ていると納得できないものがあります。
3日の朝刊のタイトルは、関税に関し日本政府が今後、速やかに取り組む対応として、「中小企業融資要件を緩和」となっていました。今回の米国の処置で対米輸出への影響は少なくないと見ています。その影響が、日本全体に及ぶことが懸念され、特に自動車産業は日本経済の屋台骨的存在で、自動車産業が成り立っているのは、巨大なピラミッド構造があり、多くの下請け企業、とりわけ中小・小規模企業の数が相当数存在して成り立っています。
体力のある親企業は何とか乗り越えていくことは可能でしょうが、中小・小規模企業には大きな不安材料となります。私の地元富士市でも自動車関連企業が多く、その階層がどうなっているのか、お世話になっている企業主の顔ぶれからも想像がつきます。
日本政府の支援策は、中小企業の支援拡大に向け政府系金融機関の融資要件を緩和するとしています。また、実際に売上が減っていない段階でも、関税によって打撃を受ける可能性があれば融資を受けられるようにするとしています。
これが、安心材料になればありがたいことですが、看板倒れにならないことを願い、融資意外でも支援策がないか検討すべきと考えます。
4月1日に発表された日銀の3月企業短期経済観測調査では、大企業製造業の景況感が1年ぶりに悪化したと報じていました。今回の関税による自動車産業界だけでなく、日本全体の景気が悪くなるのではないかという懸念の記事がありました。
その記事のサブタイトルには、中小企業を襲う「三重苦」として、関税、人手不足、物価高をあげています。人手不足や物価高は、このところ継続して企業経営に大きな課題となっており、企業倒産理由の主な原因にもなっていました。
県議会でもこの問題を取り上げることが多くなり、自動車産業以外の多くの業界から、支援を求める声が続いており、皆さんから届けられた意見を基に、県当局に支援策を要望する機会が増えています。
中小・小規模企業にとって、今回の関税問題がさらに大きな負担となることは、想像に難しくなく、政府の示した支援策で足りるのか、関税外の要因対策を含め、総合的な支援策を打ち出すことを求めたいと思います。