令和元年9月13日(金)
県議会の防衛施設関係視察も海上自衛隊大湊地方総監部と航空自衛隊北部航空方面隊を実施し、主な日程をこなしました。残るは陸上自衛隊第9師団のみとなります。
海上自衛隊大湊地方総監部は、全国に5つある地方隊の大湊、横須賀、舞鶴、呉、佐世保の一つで、日本沿岸の、防衛・警備、自衛艦隊の支援及び海上自衛隊の人的・物的基礎を担う組織で、この組織の長は地方総監と呼ばれています。
大湊地方総監部は、青森県以北の会場を警備区として宗谷及び津軽海峡という戦略的に重要な海域の防衛警備に任じているほか、自衛艦隊の支援及び管内の災害派遣等を担当している部隊で、その司令部が大湊基地にあります。
航空自衛隊には、北部、中部、西部、南西の4個航空方面隊があり、この4つの組織で日本の防空を担任しています。
北部航空方面隊は、北海道、北東北区域の防空を主任務とし、その中枢となるのが三沢基地にある司令部で、この基地は在日米空軍の三沢基地内に同居しており、自衛隊には最新鋭のF-35A戦闘機が配備されました。
在日米空軍施設としては、沖縄県嘉手納基地に次ぐ大きさで、航空自衛隊関係者が3,000人に対し、在日米軍関係者は3,400人で、その家族を含めると8,000人を超え、人口が40,000人強の三沢市からすると、20%が在日米軍関係者ということになり、地域と在日米軍の関わりなどについて大変関心のある場所でもあります。
大湊地方総監部では、基地司令に次ぐ幕僚長として女性の海将補(少将)が、陸海空の自衛隊を通じても女性のトップとして任務についています。これまでに多くの自衛隊関係者と接してきましたが、女性の将官が対応するのは初めてで、その話がどうなのか、大変失礼ではありましたが興味がありました。
(説明される幕僚長)
(任務の内容をスライドで説明)
(新たな救援態勢の説明資料)
(人員確保が困難)
(体験搭乗させていただいた護衛艦)
(環境から見た山頂には、弾道ミサイルも感知できるという高性能レーダーが設置されていた)
(歴史資料館も視察)
幕僚長は、防衛省で災害の物流などの責任者を務め、静岡県出身の防衛政務次官と一緒に仕事をしていたことや、私たちと同行した地方本部長であり空自一佐が部下として仕事をした経験などを話され、国防に関わる分野でも性差のない職業になっていることを実感しました。特に海上自衛隊では護衛艦の艦長や司令官、航空自衛隊では戦闘機パイロットが誕生するなど、厳しい現場での女性の活躍が増えているといいます。
現在、自衛隊員の人口は減少し、新規の募集でも目標の8割程度しか集まらず、防衛計画にも支障が出ているということで、これからは女性の活躍が大きく期待されているとのことでした。
災害派遣に関しては、通常は各自治体からの要請により出動する従来に方法から、自衛隊が取り組める救援手段などをあらかじめ検討しており、被災した自治体に提案することで、自治体が了承と依頼が発せられたと同時に、効率よく迅速に出動できる手法も確立させるとしています。防災上、自衛隊の存在はますます大きくなります。
北部航空方面隊では、昨年まで静岡県の地方本部長を務められた方が、幕僚長として就き、基地の役割や自衛隊と米軍、米軍と周辺自治体との基地問題などについて、説明を受けました。
三沢基地の中の航空自衛隊が利用できる面積は10%にも満たず、米軍基地を間借りしているという感じがします。米国から見れば、本国を守るための日本にある一番の砦という位置づけのようで、40機のF16戦闘機部隊が常駐し、あるいは訓練をして、アジアをはじめとする各地へ派遣されているとのことです。日本にとっても、そのような部隊と連携することは大きな意味を持ち、最高機密として保持されなければならない、最新鋭の戦闘機がここに配備されていることもうなずけます。
米軍と地元との関係も治安の面からも大きな問題は生じておらず、自衛隊も含めて地元と共存しているとのことでした。
(前静岡地方本部長で現幕僚長が説明を担当)
(スクランブル発進の現状)
(日本周辺への外国籍軍用航空機の飛行状況)
(自衛隊の専用区域があまりにも少なかった)
(日本を守るパイロットから最前線について聞く)
アジア地域の国際情勢が不安定さを増す中、自衛隊の存在意義は大きくなり、それを直視して、平和な国をどう存続させるか、意義のある視察となりました。
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