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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

簡易水道組合の定期総会に出席して

2025年04月25日 | 議会活動
令和7年4月25日(金)

 能登半島地震などによる大災害発生時における水の確保は想像以上に困難が伴い、関連施設が被害を受けると短期間での復旧が困難なことは周知の通りです。
 また、施設の老朽化が進み、更新などにも莫大な費用が伴い、人口減少や節水などにより、受給量が減少して水道事業の運営を圧迫しています。

 水道事業は行政などが関わる経営が安定した水道事業と、住民などが運営する簡易水道組合などがあり、後者は事業運営の役員の高齢化や災害発生後の復旧・復興などに大きな不安を抱えています。これらの課題解消の手段として、簡易水道組合の市営水道などへの合併・統合などが進められてきました。

 私の地元富士市内には、多くの簡易水道組合が存在します。かつては市内全域にありましたが、現在は市東部地域に集中しています。市中心部を供給区域とする市営水道に周辺の簡易水道が少しずつ合併・統合していきました。

 本市の水道事業の特徴は、市民生活に必要な水源の99%が地下水です。富士山の恵みである伏流水が抱負で、河川からの受水はほぼ無く、美味しい、きれいな水を飲用水や生活水として利用してきました。さらに、その豊富な水量から、基幹産業となる製紙業などが発展してきた経緯もあり、水源に関しては恵まれた地域です。

 私の家も、簡易水道組合から水の供給を受けています。市内の簡易水道組合が多い背景には、先ほども触れた水を大量に必要とする基幹産業等の高度成長期における過剰な揚水がありました。地下水位が急激に低下し、浅井戸が枯れてしまった時期がありました。異常な地下水低下は駿河湾からの海水の流入を伴い、塩水化が進行しその状況は、揚水制限を設けた以降も改善が進んでいない状況があります。
 その時期に、住民が主体となって簡易水道組合を立ち上げ、住民生活を守ってきた背景があります。

 私が市議会議員時代、平成11年から平成15年頃は、この問題を公の場で取り上げ、簡易水道組合の市営水道への合併・統合を進めるために奔走していました。
 その頃から、阪神大震災を契機とする災害に強い水道事業や安定した経営、役員の高齢化などを理由としていました。

 しかし、市議会の中ではこの取り組みがあまり理解されない時期もあり、孤軍奮闘という環境下でした。それを支えてくれたのは、当時の簡易水道組合の役員の皆さんで、最終的には、単独の簡易水道組合と当局との対応から、市内の簡易水道組合が参加する協議会を立ち上げ、共通課題として現在に至っています。

 合併・統合に伴い、市の水道施設基準に合わせた水供給施設の改修は、多くの予算が伴い、かつ住民経営であるが故に、水道料金も多くのコスト削減で低料金であったことから、市営水道との合併条件に、大きな格差がある市営水道料金まで引き上げることなどが盛り込まれ、受給者からも合併・統合に関する異論が出ていました。
 このような、行政と住民との板挟みになり、将来のことを考えた水の安定供給を一番の目標に活動してきた簡易水道組合役員の皆さんの並々ならぬ努力には頭が下がる思いで、ようやくその目途がつき、今回の総会でも具体的な合併・統合時期とそれに伴う改修工事等の目途について示されたことに、ようやく苦労が報われたことを実感しています。
 大きな前進の背景には、能登半島地震等の教訓を踏まえ、水道事業の抱える様々な課題解決に対して、国も改善策を打ち出し、財源確保もしやすくなったことがあります。

 今回出席した簡易水道組合は、令和9年に統合となります。他の簡易水道組合もその前後で統合が実現できることになりました。私にとっても、市議時代から25年にもわたる統合事業がようやく終結を迎えることに感無量です。
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