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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

シンガポールで学んだ日本の新しい文化と古い文化

2012年08月25日 | 議会活動

平成24年8月22日(水)

 

 今日で三日目のシンガポール滞在、最終日です。同僚県議と2名、県職員2名と「コンテンツ産業振興施策調査研究事業」で訪問中です。

 

 初日は、シンガポールで行われている日本のポップカルチャーの大型イベント(アニメ・フェスティバル・アジア:AFA)を展開する日本人女性と会い、新しい日本の文化が国境を越えて広がっていくお話を伺いました。

 また、シンガポールの新進気鋭のアーティストからは、新しいシンガポールの芸術文化づくりに取り組む夢を聞くことができました。そこには、日本の文化が影響していることを知りました。

 

 二日目は、芸術分野の教育にかける、シンガポールの国家プロジェクトに触れました。13歳からの英才教育が受けられる芸術学校と、卒業後にさらに専門性を深め学ぶことができる芸術大学です。先の芸術学校生徒は、今年初めて静岡県を訪問する予定です。また、芸術大学は静岡市クリエーター支援センター(CCC)との関連があります。

 シンガポールデザイン協議会(Design Singapore Council)では、デザインの優位性を、ものづくり国家戦略の要とするための方策について聞くことができました。そのなかで、シンガポール版日本のGマーク(Good Design)制度を目標に掲げ、日本の伝統芸能を学ぶことを希望し、改めて日本の先進性を知ることができました。

 

 最終日は、日本の地域における国際化を推進するため、地方自治体の共同組織である(財)自治体国際化協会(CLAIR)のシンガポール事務所と、在シンガポール日本大使館、日本文化発信拠点であるジャパンクリエイティブセンター(JCC)を訪問し、双方が日本の立場でお話を伺いました。

  駐シンガポール日本大使館

    http://www.sg.emb-japan.go.jp/index-j.html

  ジャパンクリエイティブセンター(JCC)

     http://www.sg.emb-japan.go.jp/JCC/ 

 いずれの場面でも、この二日間シンガポール国内各地で得た地元情報を元に質問し、日本としての考え方を聞くことができたのは、大きな成果だったと感じます。

 日本大使館では、山本公使により1時間近く講義していただき、特に今回の訪問テーマである「コンテンツ産業振興施策」(クールジャパン戦略推進事業)について、他国での外交経験も交えお話をいただき、貴重な経験をさせていただきました。

 

(駐シンガポール日本大使館の山本公使から1時間講義)

 

 訪問先で得た情報や意見を少し報告させていただきます。

 

 (財)自治体国際化協会では、シンガポール政府が進める国家戦略について伺いました。日本が同様な制度を導入することは困難であり、日本がシンガポールの制度を上手く活用し、海外展開を行うことが望ましい。シンガポールでは日本人であっても企業を立ち上げることは比較的簡単で、この立ち上げた企業については、シンガポール政府としては国内企業と同様の取り扱いになり、様々な支援を受けることが可能である。

 

((財)自治体国際化協会の入口で、則松所長補佐と中村次長)

  (財)自治体国際化協会

      http://www.clair.org.sg/j/index.html

 シンガポールは、自国内にない技術やものづくり、頭脳など、「世界の一流を輸入し、そのまわりを発展させる」ことを希望しているとされる。したがって、シンガポールには、人と資源が集まってくる国である。日本のコンテンツ等はまさに、シンガポールが新たな産業の種として欲しい分野でもある。

 日本の地方がシンガポールで展開している事業は、観光誘致と物産展(農産品などの物品販売)などである。物販は、今あるものを単に売るだけでなく、現地ニーズをしっかり把握し、特色のあるものを作り売ることが大切である。日本の伝統技術を生かした製品(例えば陶器等)は、外国人から大きな関心を集めることができる。その応用製品も然り。

 

 日本大使館とジャパンクリエイティブセンターでは、シンガポール政府の今までの取り組みは、かつて栄えた第二次産業(ものづくり:工業団地運営)のノウハウを、ベトナム等東南アジア諸国に輸出している。同様に、空港運営や水処理システムなどもその流れに沿い、輸出の対象で成果を上げつつある。クリエイティブ産業はシンガポールにとって一番新しい分野である。

 

(JCCの活動状況を伝えていただいた、大使館勝又参事官:女性、JCC堀川氏)

 

(JCC内部の会議室)

 

(JCCの内部の壁には日本のアニメの影響を受けた作品が掲げられる)

 

(JCC内部に展示されるアニメ本)

 

(JCCの受付。アニメが主役)

 

 シンガポールは新しく、文化も成熟していない。かつて、若者達が海外に流出し戻らない問題の解決方法として、政府は自国の文化をつくることを国策として取り組み始めた。しかし、シンガポールには文化をクリエイティブできる人材はほとんどいないので、優秀な人材を海外から連れてくること、そのための仕事がしやすい環境づくりが急務となった。

 さらに、シンガポールでは、クリエーターよりも他の職業の方が、所得が高いという思い込みもあって、数が増えない。仮に、先進的に取り組もうとする静岡県は、クリエーターの育成を積極的に展開し、シンガポールに派遣することで市場を開拓することも可能ではないか。

 日本では、業界の熟成は成熟しているので、不用と感じる。むしろ、あるものを海外に売るという支援の方が得策と考えられる。

 

 日本のアニメの普及は、現地や衛星のテレビ放送ではなく、一般に普及しているスマートフォンなどを通じて、いつでもどこでも視聴できる、「You Tube」の影響が大きい。日本で放送されると、短時間に現地語などの字幕等が加えられ、インターネット上に流れる。これにより、日本の文化や日本語も普及することになった。

 シンガポールはこの現象を捕らえ、経済市場として成立すると判断し、ゲームづくりやフィギュア製作のできる企業の誘致を図った。

 

 しかし、日本文化が全て上手く優位に働いているとは限らない。例えば、J-POP(日本のポップス)はK-POP(韓国のポップス)に相当の後れをとった。その理由は、韓国政府としての海外戦略があり、ものづくりの段階で海外を意識して作成されること、相手国で普及させるために無償で一般国民が閲覧できるようにするなど、知名度を一気に上げてしまった。日本はこの点について大きな反省点を残している。

 

 その他、シンガポールが関心を持つ分野は、クリエイト、コンテンツ、日本食などの他に、環境技術、航空宇宙(惑星探査機はやぶさを象徴とする)など科学技術に大きな関心を寄せている。

 

 例えば100兆円の市場がある場合、技術分は10兆円で残りの90兆円はそれらを運営するシステムなどである。日本は市場の90%のビジネスチャンスを逃がしていると言われている。日本でも既に取り組みが始まったが、「パッケージで売る」戦略を進めていかなければならない。

 

 シンガポールは、「ショーケース」(品ぞろいが一覧できる)であり、周辺国に与える影響は大きい。

 

 日本のファンをつくることこそが外交の基礎である。

 

 コンテンツ産業振興施策で切り込んだシンガポールへの視察でしたが、日本の海外戦略を広く考えさせられる機会となりました。訪問先の関係者の皆様に心より感謝すると共に、県政の中で様々な機会を捉え、今回の経験を活かしていきたいと思います。

 

(帰国直前、シンガポールの夜景を撮影しました)

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芸術を極める13歳からの英才教育と大学教育、デザイン国家戦力(シンガポール)

2012年08月24日 | 議会活動

平成24年8月21日(火)

 

 今、シンガポールは芸術分野での教育に国家プロジェクトとして取り組んでいます。そして、専門的な教育を経て、シンガポールを世界的なデザインの拠点とするための体制づくりが進んでいます。

 この度、13歳から始める英才教育の芸術学校と芸術大学、そしてシンガポールデザイン協議会を訪問し関係者のお話を聞いてきました。

 

 教育分野では、13歳から18歳までの6年間に英才教育を施すための芸術学校、School Of The Arts Singapore(通称:SOTA)があり、1,200名(1学年200名)の学生が学んでいます。

 

(SOTAの校舎。校舎のデザインも大きな評価を受けている)

 

(説明いただいた副院長 Dr Yap Meen Sheng氏)

 

(芸術学校教授陣、男性:Tan Wee Lit氏、女性:Grace Tan氏))

 

 シンガポールは、世界の同年代の学生達がもつ「数学」と「科学」においては、その理解能力がトップクラスに到達していますが、「文化」については取り組みが遅れています。そのための国をあげた取り組みが積極的で、アメリカやヨーロッパでは芸術文化への投資が減じている状況ですが、シンガポールは増えています。

 シンガポールが力を入れている学科分野(スポーツ、医学、技術、芸術)のなかで、一人あたりの教育予算額が一番多い分野は芸術だそうです。

 専門分野は、ビジュアルアート、音楽、舞台芸術、フィルム(映像)があり、優秀な教師陣が学生達を導いています。しかしこの学校の特色の一つに、単に芸術の専門性だけを高めるのでなく、「芸術」「学術」「人間性」のそれぞれがバランスよく取得できるよう、カリキュラムが設定されています。通常、この年代は中学生と高校生であり、専門性よりも一般教養が重視される年代です。この学校でも、英才教育を受けたからと言って、それぞれの専門を履修し、それを生かした分野に進出・進学するとは限りません。ちなみに、卒業後、芸術関係に進むのは50%強ということです。

 

(学生が描いたポルシェへのデザイン。コンテストで優勝)

 

(体育館での体育の授業風景)

 

 また、それぞれの専門分野を国民に理解していただくためにも、芸術の専門的な知識を得るだけでなく、芸術を評価し伝え、またビジネスとして成立することも重要で、そのための知識も必要となります。つまり、専門以外の知識も必要となるわけです。

 卒業するためには卒業論文があり、取得すべき単位は、「英語」「第2外国語」「科学」「社会」「数学」「芸術」を取得する必要があります。

 さらに、「結果」だけを重視するのでなく「過程」についても評価する方式がとられていることも、この学校の特色です。

 25人学級で、教員はマンツーマン授業にも対応し、1人の先生が1人から20人くらいの学生を受け持っています。

 教師には外国人も多く、留学経験もある優秀な人材が確保されています。

 日本では、学校全体が芸術専門校のケースはほとんど聞いたことがありません。専門科がある学校はたまに見かけます。

 

SOTAについては次を参照。 http://www.sota.edu.sg/

 

 次に訪問したのはラサール芸術大学で、デザイン学部長(女性)やギャラリーのキュレーター兼ディレクタにお話を伺いました。

 

(ラサール芸術大学の校舎の遠景)

(校舎のデザインも奇抜)

 

(説明いただいたデザイン学部部長の、Ms Nur Hidayah Abu Bakar氏:右側)

 

 この大学は、1984年に設立され、現代芸術であるデザイン、ファッション、造形美術、メディア、ダンス、音楽、演劇、アジア芸術史、アートセラピー、アートマネージメントを学ぶことができます。

 学生の半分は留学生です。

 日本との関わりは、東京芸術大学と平成19年に国際交流協定校を提携しています。また、2010年3月には、デザイン学部とアニメーション学部が、静岡市クリエーター支援センター(通称:CCC)が支援し、ワークショップを開催しています。

 

(ギャラリーのキュレーター兼ディレクタの、Dr Charles Merewether氏)

 

 企業のとの連携では、シンガポールを代表するマリナベイサンズ(三つの高層ホテルの上に船が乗ったような施設)の、外部コンポーネントデザインにも関与しています。

 大学が目指すものは、「シンガポールは、かつて工業用デザインは海外で、製造は国内」だったものを、「デザインはシンガポールで、製造はベトナムや中国など周辺国へ」だそうです。シンガポールにおけるデザインのハブ化を目指すそうです。

ラサール芸術大学は次を参照。 http://www.lasalle.edu.sg/

 

 最後に、シンガポールデザイン協議会(Design Singapore Council)を訪問しました。

 

(会議場では、こんな名札まで作っていただきました。)

 

 ここは、シンガポール議会の経済検討委員会が次世代成長産業に、教育、ヘルスケア、クリエイティブを掲げたことを受け、シンガポールを世界的なデザインの拠点とすることを目的に、2003年に設立されました。デザインに関する国家的な窓口で「情報芸術省」に属します。

 

(説明いただいた、マネージャー Yeo Piah Choo氏)

 

(説明いただいた、アシスタント ディレクタ Germaine Charis Yeo氏)

 

(その他、DSCの専門スタッフの皆さん)

 

 ここの戦略は、「デザイン能力の開発」「競争力のあるデザインの育成」「デザインの革新」「ナショナルデザインセンターの設置」を掲げています。

 シンガポールでは、「デザインと企業を結びつけ、競争力にうち勝つ力をつけること」が目標だといわれます。その背景には、「価格競争で低価格化が進む」ことや、「品質の良さ」は当たり前となり、残された道が「デザイン」ということです。高品位なデザインをどう選び抜くか、そのステータスシンボルが、日本の「Good Design」(Gマーク)であり、それと同様な仕組みに取り組むことを目指すために、日本へのアプローチが様々な場面で行われています。なかでも日本の伝統工芸には大変興味を抱いているようで、日本国内の職人達との交流を強く望んでいます。

 さらにデザインは、「オリジナル」でなければなりません。そして、オリジナルの「ブランド」を目指す必要があります。

 シンガポールは、中華人、マレー人、インド人を中心とした多民族の都市国家です。国の統制を図るためには、それぞれの文化や習慣を理解し、バランスよく配置することで融和、統一を実現してきました。

 この考え方は、商品づくりに重要なヒントを投げかけています。つまり、統一的なデザインでは、商品として売るためには限界があります。それぞれのライフスタイルにあった商品デザイン(色や形など)を考慮すること、相手の受け入れやすいデザインを施すことで、商品が売れていきます。国に当てはめれば、アジアのライフスタイルにあったデザイン、その国が求めるデザインを考慮することが重要になります。

 

(デザイン戦略の展開を説明するスライド)

 

 シンガポールには国としての大企業がほとんどありません。中小企業が多い国ですので、この分野にデザインの知識を広めることが国としての大きな課題となります。そのための様々な支援策がとられています。

 以上の実現のためには、日本のデザイン力が大変参考になると言っています。静岡県にもそれらに十分応えられる企業があることを伝えました。

 

(デザイン戦略の計画予定を説明するスライド)

 

シンガポールデザイン協議会については下記を参照。

http://www.designsingapore.org/

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コンテンツ産業振興の現状 シンガポール

2012年08月22日 | 議会活動

平成24年8月20日(月)

 

 コンテンツ産業とはどんな分野なのか、自らの知識の限界を超えて、世の中が回り始めていることに興味と危機感を持って、シンガポールに来ています。

 

 きっかけは、同僚県議の深沢議員がこの分野において知識が豊富で、県としての「新たな産業の可能性」について当局と取り組んできたなかで、新しい国、何事にもスピード感のあるシンガポールでの取り組みが、参考になるという情報と誘いを受けたものです。

 現在静岡市では、「静岡市クリエーター支援センター」(CCC)という名のコンテンツ産業支援につながる事業を開設しています。ここで活躍されている、プロデューサーの久米英之氏とキュレーターの大森久美氏は、海外、特にロンドンに活動拠点を置き、この分野では先駆的役割を担っておられ、今回の視察においては、お二人の人的ネットワークの協力を得ながら、シンガポールで活躍するコンテンツ産業に直接関わる方や、アーティストにお会いすることができました。

 さらに、視察後半ではラサール芸術大学、シンガポール情報芸術省の機関を訪問させていただきます。

 

 静岡市クリエーター支援センター

 http://www.c-c-c.or.jp/index.html

 久米英之氏の紹介

http://www.depth-of-field.jp/main/vol005/focus/03_page01.php

 大森久美氏の紹介

http://www.japanupdate.co.uk/?option=com_content&view=article&id=630:a8215up&catid=44:2010-03-21-14-16-09&Itemid=50

 

 初日は、関係者とのミーティングが正午からということで、それまでの間、マリーナベイエリアにできた植物園などを視察しました。2月に訪問した時には工事中だった施設で、6月にオープンしこの日が国民の休日であったことから、多くの来場者で混み合っていました。

 

(マリナベイエリアのホテルと植物園。空中回廊から展望)

 

 正午にお会いしたのは、先に触れた2名と大森氏の娘さん、それとSOZO PTE LTD(アジア諸国へ日本発ポップカルチャ-のコンテンツ、プロダクト、体験を届けるといメッセージをもった企業で、大手広告代理店とともに、アニメ・フェスティバル・アジア:AFAを主催)の、エグゼクティブプロデューサー大林愛子氏の皆さん。

大林愛子氏の紹介

http://www.asiax.biz/biz/relay/178.php

AFAの紹介

http://www.animefestival.asia/

 

 会場はなんと、「AKB CAFE in ORCHARD」で、AKB48のオフィシャルグッズを扱うショップとカフェを併設したお店。 AKB48にはほとんど縁がありませんでしたので、少し戸惑いがありました。

 しかし、今回説明いただいた事業は、経済産業省が進める、世界が共感する「クール・ジャパン」(海外進出促進、クリエイティブ産業の育成や国内外への発信などの施策を業種横断的、政府横断的に推進している事業)に参加しています。

クール・ジャパンについての紹介

http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/index.htm 

 久米、大森両氏はイギリスを通じて感じている世界のこの分野の現状について、また日本の取り組みや課題などについて伺いました。

 大林氏は、シンガポールに拠点を設けた背景とその成果および今後の展望について、また、産業として「コンテンツ産業」分野が従来の「ものづくり産業」など他の分野への牽引役としての期待や効果などについて説明を受けました。

 説明を受けて感じたことは、コンテンツ産業は、日本文化を世界に広め、新たな産業として既に動き始めていること、その発展はその分野のみならず、他の産業に大きな刺激と相乗効果をもたらすことがわかりました。

 スポンサーや共同事業を実施している企業の多くは、大手有名企業が名を連ねています。

 日本は国として支援事業が始まりましたが、現場の意見が十分反映されている状況ではなさそうです。また、地方自治体の関わりもこれからという感じですが、静岡市は既に取り組んでいる現実も見逃せません。ただし、これも現場の意見がうまく伝わっていないようにも感じました。特に今足りないものは、支援事業のプロデューサー役だそうです。

 世界戦略で、他の国に追い越されないよう、事業の見直しや積極的な支援も重要です。

 

(説明する大林氏)

 

(シンガポールafaの説明画面)

 

(シンガポールafaの事業紹介)

 

(雑誌で取り上げられた、アニメはボーダレス)

 

(シンガポールからアイドルを世界に発信)

 

(シンガポールafaショップ)

 

(大林氏および関係者と記念撮影)

 

(こんなに大きなペーパクラフトがショップの前に飾られていた)

 

 次にお会いしたのは、アーティスト・デザイナー・キュレーター・クリエイティブディレクターのJackson Tan氏です。

Jackson Tan氏の紹介 http://weare.sg/phunk-jackson-tan/

 シンガポール芸術の第一世代のパイオニアであり、政府の彼への期待は大きいと感じました。

 

(Jackson Tan氏)

 

(Tan氏のアトリエを訪問。記念撮影)

 

 Tan氏は「静岡市クリエーター支援センター」(CCC)との関わりが深く、久米氏や大森氏(前述)と交流事業も実現してきました。。

 このような年代の方が国を引っ張っていく原動力だからこそ、シンガポールの将来に大きな期待がかかります。

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夏休み 子どもたちが県地震防災センターと県議会を訪問

2012年08月19日 | 議会活動

平成24年8月17日(金)

 子どもたちの夏休みも後半になりました。富士市内の親子が「静岡県地震防災センター」と「県議会議場」を見学に訪れました。私の地元の子どもたちが来るということで、同行させていただきました。

 

(県議会正面の階段には富士山とお茶畑の写真が掲示されている)

 

 まず訪問したのは、県地震防災センター。センターでは富士市だけでなく、各地から訪れた子どもグループが、専従の説明員の話しに耳を傾けていました。また、子どもたちは、体験型の展示物などを通じて防災知識が高まっていたようでした。

 

(県地震防災センターのエントランスに訪問団体名が表示されていた)

 

 県内における津波被害を想定した映像はとてもリアルで、偶然にも昨年発生した東日本大震災直前に映像編集して公開されたものですが、非常に精度の高い映像に仕上がっていたそうです。

 この3月まで県の危機管理部の責任者であった小林氏が、退任後この施設の責任者として着任されており、子どもたちが施設内を見学している間中、保護者の一部のみなさんが小林氏の「ミニ防災講話」を聞くことができ、とても好評でした。

 

(元県の防災責任者によるミニ講話に耳を傾ける保護者達)

 

 次に、県庁へ移動。東館16階の食堂で県庁職員と一緒に昼食を食べた後、議場までの移動中、予定になかった「記者クラブ」を覗かせていただきました。昼休み中でしたが、記者の皆さんの厚意により、記者会見場見学や記者達の話を聞くことができ、私自身も初めての機会で興味深く聞かせていただきました。

 

 議場見学は、通常は傍聴席から見学することが多い中、議会事務局の特別な配慮により、議場内部に入れていただき、議員席のみならず、議長席や演壇、県幹部の席まで間近に見学し、親子共々大変興奮していました。特に、この日のために各自が用意した、議員席に設置された議員標に自分たちの名前を書いた名札を貼り付け、「議員気分」も充分に味わえたことと思います。

 

(議会事務局の方から議会について説明をうける)

 

(議員席で自分の名前を掲示して議員気分)

 

(議長席に座ってどんな気分だったでしょうか)

 

(演台では、こんな目線で演説するするのか)

 

 昭和11年に定礎となった古い議場は、その歴史的価値が随所に見られ、議員の私も刺激的な一日を過ごすことができました。

 

(議場の天井に近い壁周辺には、漆喰で静岡県の代表的産業が描かれている)

(県庁本館、県議会が入る建物の歴史がここに示されている)

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富士川の河口近くには慈悲深い集落がある 木島投げ松明

2012年08月16日 | 議会活動

平成24年8月16日(木)

 富士市の西部、富士川の右岸で東名高速道路の富士川楽座と新東名高速道路のアーチ橋の間にある集落は、木島地区(旧富士川町)と呼びます。近くには富士市立富士川体育館があり、11月に開催される「ふじかわキウイマラソン」では、そのスタート地点にもなっています。

 

 この富士川体育館の東側にある富士川沿いの広場では、毎年、8月16日に夕方6時頃から約2時間半かけて、「木島投げ松明」という祭典が開催されます。

(投げ松明の灯籠三基が会場中心に設置されています)

 

 木島地区は総数が80戸強という小さな世帯にもかかわらず、単独でこの行事を100年近く続けてきました。祭りの形は時代と共に変化してきたようですが、祭りが始まった当初の精神は変わっていません。その精神とは、富士川は日本三大急流の一つで、昔から水難事故が絶えませんでした。木島地区は富士川の河口に近く、水流も穏やかな場所ですが、毎年、上流部で水難事故にあった犠牲者がこの場所に流れ着くことが少なくなかったそうです。木島地区の先祖はこの犠牲者の霊を弔うために、そして自分たちの先祖の霊を弔うために、旧盆の送り火としてこの祭事を続けています。

 

 投げ松明とは、10mから15m位の高さの大中小三基の柱の先につけられた灯籠をめがけ、それぞれの柱のまわりに集まった多くの人々が、紐の先に結びつけた松明を持ち、勢いをつけて投げ上げ点火します。三基の灯籠全てに点火され燃え尽きるまでには、1時間ほど費やしました。

 灯籠は上部が開口していて、まるで運動会の玉入れ競技。しかし形と材料は魚を捕る「もじり」に似ており、多分、骨組みは竹で、周囲は藁で囲い、木ぬかを入れ、また、燃えやすいように油も染み込ませてあるようです。花火も入っていました。点火後、約10分から15分くらいで大きな炎となり、火の滝のように崩れ落ちます。この様子は、魂が昇天していくようにも見えました。

(灯籠に投げ松明が届いて、点火)

 

(灯籠は勢いよく燃え、最後は崩れ落ちた。まるで魂が昇天するかの様)

 

 木島地区には4組の町内があり、それぞれが持ち回りで灯籠を作り上げるそうです。その責任者も毎回変わり、その責任者の指示のもと、灯籠が組み上がっていきます。中身の成分も異なるわけで、その結果、燃え方が毎年違うということでした。

 

 祭りの流れは、最初に中央の灯籠の根元に飾られた祭壇での「川供養祈願祭」から始まり、和太鼓演奏の後、「投げ松明」、地元の「駿州木嶋手筒組」による手筒花火、クライマックスは花火大会となります。

(「駿州木嶋手筒組」による手筒花火)

 

(クライマックスの花火大会。頭上で炸裂し周囲の山でこだまする迫力)

 

 参加者はざっと3,000人くらい。冒頭で申し上げた80戸強のが主催、その全てを町内で企画し、準備から実行までやり遂げるパワーは圧巻です。資金も町内で賄っているとかで、地域の団結力は私の知る限りではここに勝るところはありません。

 

 今回、地域の皆様のご厚意により、祭典の全てに参加させていただきました。貴重な体験をさせていただいたことに心より感謝申し上げます。

 私は、来年には仲間を募って再度、訪れたいと思っています。

 皆さんも、是非、一度は足を運んで下さい。温かい素朴な地域の皆さんと触れ合うことができます。

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