令和6年4月30日(火)
28日の日曜日に投開票が行われた衆議院議員の3選挙区補欠選挙は、自民党候補の全敗で幕を閉じました。誰もがこの結果を予想していたことに疑う余地はありません。なぜなら、政治家の裏金問題、またその後の対処についての曖昧さなど、政治不信に対する怒りがあまりにも大きかったことが最大の原因と受け止めているからでしょう。
このような状態下での選挙において、本来あるべき政策論争など十分にできるはずがありません。この結果は、問題を起こした政治家のみならず、全ての政治家が襟を正すべきものと考えます。
不透明なお金の動きは国も地方も起こりうる問題で、そのような事態にならないような仕組みの整備と、政治家本人の責任を明確にし、罰則規定も厳しくするなどが必要で、この見直しを早急に進めていかねばなりません。
私が所属する県議会の自民改革会議では、政務活動費などは厳格に管理され、支出に関しては1円からの全ての領収証等の添付が必要で、用途についても内容が厳しくチェックされ、規定に合わないものについて支出が認められず、自己の負担となる、社会では当たり前の対応が為されています。
チェックは3重に行われ、自らの会計処理担当、所属する会派の政務活動専門のチェック担当、議会事務局がそれぞれ行います。正直なところ、誤記もあり会派のチェックで課題があって指摘されることは幾度もあり、最終段階での議会事務局からも数ヶ月前に遡って再確認のための問い合わせが来るなどもあり、この確認作業を経たものは、最終的に県民誰もが縦覧できます。
このような取組が行われることは当たり前と考えますが、国会議員においては領収証が必要ないようなケースもあると聞いており、金額の大小はあっても、支出に関する意識が緩むことにつながっていないか、不正が報道される度に感じていました。
もう一つの問題は、パーティー券について指摘されています。様々な意見はあろうと思いますが、パーティー券は政治活動を行う上で必要な経費を賄うものとして導入されてきました。例えば、政治団体である党の地方組織の運営にはそのためスタッフが必要であり、拠点となる事務所とその運営費、車両なども必要です。
公金からの政務活動費として認められていないものの、議員活動に必要な常識的な範囲内での交際費や交通費なども必要で、様々な人と会うこと自体が議員活動の仕事でもあることから、それらを支援するための活動費補助なども含まれています。
もう少し補足すると、例えば県内外の経済活動に関する団体との意見交換や要望活動を、政党が主催者となって企画した場合は、政務活動費は認められず党活動扱いになり、その経費の確保のためにパーティー券収入などが充てられます。
これらの収支については、党の地方支部などが管理して適切に対応しており、監査も適宜に行われています。
国会議員では、会派から議員個人へのキックバックが不透明で、渡った後の使途も不透明という問題が指摘されています。これがいわゆる裏金問題で、この実態解明や是正について国民が注目していることであり、国民の怒りにつながりました。
いつの間にか、政治や選挙には高額の資金が必要という概念が定着しています。確かにそのように感じることは多く、否定はできません。
しかし、私自身が市議時代から現在の県議までの7回の選挙を行ってきましたが、その内訳は公開されており、公費負担もあって決して自己負担は高額ということではないと考えています。
政治資金の在り方を、早期に透明性をもって議論し、国民が納得できる仕組みに是正できるよう求めていきたいと思います。