鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

角界を揺るがす不祥事の影響

2017年11月30日 | 議会活動

平成29年11月30日(木)

 

 11月も今日で終わり。明日からは県議会12月定例会が開会し、年の暮れまで師走を体感する日々が続きます。

 

 さて、ブログの題名に上げたとおり、角界の不祥事が連日取り上げられ、横綱としての責任を果たせず、日馬富士が引退を決めました。日本の国技である相撲は、多くの外国人力士にも門戸を開き、現在はモンゴル出身の力士が素晴らしい活躍を続けています。

 

 私はこの夏、静岡県とモンゴル国で結ばれた様々な分野での支援の一環として、モンゴル北部のセレンゲ県に知事や5名の県議ほか、県・市町行政関係者や県民の皆様と訪れました。

 モンゴルは相撲が盛んな国で、年に数回開催されるナーダム(民族の祭典)では必ず開催されるなど、日本と共通の国技がある事を改めて実感しました。首都のウランバートルでも、セレンゲ県でも相撲の話題は欠かさず、日本で活躍するモンゴル出身の力士を誇りとして語る場面も多々あり、突然訪れた遊牧民の移動式住居ゲルの中でも、その話題から互いの友好関係が広がることがありました。

 私達の視察では、本県の「ふじのくにづくり支援センター」理事長の矢野弘典氏が同行され、横綱審議委員会委員を務めていることから、現地でも格段の注目を集めていました。私は国際経験が豊富で経済界でも活躍された矢野氏の魅力を現地で目の当たりにするとともに、休憩のために車を止めた平原で、近くのゲルに誘われ放牧民と親しくできたのは彼のおかげだと思っています。

 

 話は相撲に戻りますが、今回の不祥事はまだ全貌がわかる正確な情報が入ってきません。今後は事実関係に基づき、日本相撲協会や横綱審議委員会などの関連組織が何らかの処分や対策を講じることは確実でしょうが、日本の国技として国民はもちろんのこと海外からも注目されており、納得のいく答を出していただきたいと思います。

 

 今日は、私の地元の広報紙が郵送で届きました。トピックスには、わんぱく相撲で好成績を上げている三兄弟の記事が載っています。その記事を紹介すると、「三兄弟が揃って全国に挑むことは、本当に稀有な偉業であると思います。将来この中からテレビで活躍する力士が育ってほしいと地元の人達の大きな希望です。」と結んでいます。私もこの兄弟達が参加する、わんぱく相撲富士場所には毎年応援に行くので、彼らの活躍ぶりを承知していますが、彼らの夢と地元の大きな期待があることを肝に銘じて、プロの力士、そして関係者の皆さんには頑張っていただきたいと思います。

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県内各種団体の平成30年度県予算要望ヒアリング

2017年11月29日 | 議会活動

平成29年11月29日(水)

 

 平成30年度の予算編成期を迎え、県内各種団体からの要望を聴取し、次年度予算への反映のための作業が始まりました。明日も他の業界団体を招きヒアリングが行われます。

 

 今日の要望内容の聴取では、民生・衛生関係所属9団体と社会福祉協議会所属8団体で、それぞれの団体が要望書に取りまとめ、窓口となる私の所属する会派の委員11名と党県連役員に説明をいただきました。また、県の関連部署職員も、今後の予算折衝において課題を共有していただくために立ち会いをお願いしました。

(副運営委員長として司会を担当)

 

 各団体の共通課題は、2025年に団塊の世代が75歳を迎えるにあたり、それまでの間に機能させる地域包括ケアシステムの構築においてどのように関わっていくかが最大のテーマといえます。それぞれの専門性を活かして、地域の中で果たすことができる使命を明確にし、そのための存在感をアピールすることで行政に支援を求める内容が随所に見られました。

 地域包括ケアシステムについては、現状認識や今後の展望などについて地域格差が大きく、行政の積極的な支援を求める意見もありました。

 

 医療看護の分野では、人材の確保や偏在対策、在宅医療の推進に関わる課題などが指摘されています。

 

 大規模災害時における関与では、避難所生活などにおける健康管理などは、平時に比べ一層の支援強化が必要とされています。厳しい住環境やストレスによる心身へ与える影響は計り知れません。その緩和や解消には、リハビリなどの専門職の関与も大きな効果が得られるとしています。

 

 介護・保育の分野では、人材の安定的な確保が急務となっています。また、私達の生活の中で身近な立場であるはずの民生委員児童委員は、その存在や活動も十分に伝わっておらず、積極的な広報・啓発が必要としています。

 ボランティア活動は全県的に広まっていますが、県内全ての市町におけるボランティア活動の実態調査は平成22年度に実施されて以降、これまで行われておらず、どのように取り組まれているのか、現場の課題なども把握して活動の活性化に役立てる必要性の指摘などもありました。

 

 今日の要望内容は今後会派内で精査し、必要に応じて再度のヒアリングや当局との意見交換を踏まえ、次年度予算要望に反映されていきます。

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紙の未来を垣間見る

2017年11月28日 | 議会活動

平成29年11月28日(火)

 

 静岡県知事の「移動知事室」が富士市内で実施され、製紙業の新たな分野に挑戦する市内企業視察に同行させていただきました。

(企業の技術者達が知事をはじめとする県幹部に製品を説明する)


(生活の中で使われている「特殊な紙」を手に取る知事)

 

 視察先となった市内西部にある創業60年を超える製紙メーカーは、これまでに幾度となく訪れた大不況を克服し、また現在も、ややもすると斜陽化などと表現される業界にあって、外からは見えにくい独自の経営と技術発展を遂げてきた企業です。

 企業にとって、門外不出の技術情報は最高機密であり、私達のような部外者にもその開発や製造現場を見せていただくことは希なことと承知しています。しかし、先ほども触れたように、混沌としている景気の中で新たな産業分野に挑戦することは、一企業の努力だけでは短時間で成し得ないことも少なくありません。例えば、新たな事業を実現するためには、設備投資が必要となり、また工場などの拡張が伴います。これらには莫大な資金と様々な規制による制限も課され、思うように事業が展開できず内外の競争に勝てないということもあり得ます。

 そこで県では、「内陸のフロンティアを拓く取り組み」という施策展開により、特区申請や資金提供、規制緩和、技術支援などに積極的に取り組んでいます。しかし、行政のできる支援は限られていて、あくまでも民間企業の頑張りに期待しなければならないことは基本です。その上に立っての行政支援ですが、せっかく支援制度を立ち上げたとしても、利用者である企業にとって使いやすいものでなければ意味をなしません。

 行政と現場である企業がすり合わせをし、より実効性のある仕組みに改善していくことが求められます。知事は現場主義を常に強調し貫くとしてきました。今回もその一環として、県が積極的に進める新素材であるCNFの応用化に向け、地元企業としては数少ない材料供給から製品化まで一貫して取り組む、先進的な企業として視察先に選ばれたようでした。

 

 企業側の説明では、「ニッチ(隙間)製品を通じてトップシェアを目指す」とし、私達の日常生活の中でも「こんなところに材料として使われているのか」と思うくらいの品揃えに、大変驚かされました。市場は国内外に及び、ものによっては北米でもかなり高いシェアを獲得し、これからはEUに対しても挑戦していくと力強い説明がありました。

 さらに、「これからはCNFを武器として、ニッチの世界市場を目指す」ということでした。

 

 視察させていただいたのは材料の生成と応用製品の実証設備でしたが、既に生産設備の準備が始まり、近い時期にその産声を聞くことができそうです。同行させていただいた私も、企業関係者や知事などとも意見交換させていただき、行政がとるべき支援策について現場の状況や課題を共有した一人として、しっかり取り組んでいきたいと思います。

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県内製紙業界の現状と取り組み

2017年11月27日 | 議会活動

平成29年11月27日(月)

 

 静岡県内の製紙業界5団体で組織する、静岡県紙業協会の振興大会が開催され、来賓として出席しました。

(大会開催直前の会場の様子)

 

 大会に先立ち開会式では、経済産業省製造産業局素材産業課、静岡県経済産業部商工業局の各担当者および富士市長から、製紙業界の動向や新素材として注目を集めるCNF(セルロースナノファイバー)への取り組み状況や行政支援などについて触れ、挨拶をいただきました。

 

 続いて、製紙業界への貢献のあった方々への、静岡県知事表彰(1名)、富士市長表彰(3名)、振興協議会会長表彰として各企業の優良社員表彰(43名)の授与式が行われました。

 

 業界報告では、紙・板紙の国内需要はリーマンショック後の2009年に大幅に縮小し、その後も回復しておらず、減少・停滞の傾向となっている。2016年の静岡県内の紙・板紙の生産量は、256万8千トンで前年比、―1.8%であった。この背景には、少子高齢化や紙媒体から電子媒体へのシフトといった構造的要因が定着し、需要は減少傾向が継続しているとしています。

 製紙メーカーは、需要減に対応した生産体制の見直しなど、更なる効率向上やコスト削減に取り組んでいるが、原燃料価格の上昇や設備稼働率低下による固定費負担の増加などにより収益性が悪化している。

 これらを踏まえて、製紙産業が持続的な成長を維持していくために、既存事業の体力強化と併せて、海外市場を含む成長分野への事業展開や、紙パルプ以外の収益源多様化を探る動きが見られるとしています。

 

 上記報告の後半の部分は重要な捉え方で、海外市場や成長分野、紙パルプ以外など、これに見合う変革ができなければ製紙業として継続できないということで、体力のある大企業はともかくとして、本県の製紙業は中小企業が多いことから、企業努力だけでなく行政のてこ入れにより目標が達成できるように支援していかねばなりません。

 

 大会決議では、「魅力ある紙未来に向けて、業界が一体となり紙の可能性を追求しよう」というスローガンが採択されました。具体的には、「紙の特性と魅力を活かし、新たな紙利用の分野を広げる」と共に、「次世代を担う人材の確保と育成に努める」としています。

 

 国や県および市は、CNFの実用化に向けて動き出していますが、これを新たな分野として捉えるのであれば、それを実現する人材育成は急務と言えます。CNFが「未来の素材」という表現にあるように、これを「ものにする」ことが、新たな製紙業の未来につながることは間違いありません。と同時に、CNF以外でも「新たな紙利用の分野を広げる」挑戦が進められているのであれば、早くその情報も得ながら、行政支援についても議論すべきではないでしょうか。

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各地文化祭を訪れて感じたこと

2017年11月26日 | 議会活動

平成29年11月26日(日)

 

 10月から市内各地で開催されてきた文化祭も、今日が最終日となりました。今日は快晴のもと、空気が澄んでいるせいかどの景色もはっきりと見え、冬の景色となった富士山や紅葉の進んだ愛鷹山など、長年ここに住んでいる私でさえこの見事な景色には言葉を失います。そんなすばらしい環境で生活している住民は、知らず知らずのうちに地の利を地域文化の中に取り組んでいることは間違いないでしょう。

(文化祭会場の小学校校庭から見た富士山)

 

 文化祭では、絵画や写真などの風景を題材にした作品をよく見かけますが、景色は間違いなく富士山が一番多く描かれているように思います。これから迎えるクリスマスのリーフなどのように、そこに使われる材料も地元の山々で捕れた木の実や草木など、自然の恵みを活用しているものもあります。

(竹細工の展示。この他にも地元産の材料を使った作品が多く展示されていた)


(これまでも富士山を題材にした作品を多く製作してきたという女性)

 

 文化祭での楽しみの一つに出店で提供される食や食材などがあります。注意して見ると、郷土料理や地産の食材など地域の食文化が感じられます。ほとんどの場合、出店者は地域の市民団体などが中心でありますから、プロの職人が提供するようなものはありません。従って、素人の地域色の強い味で提供され、それが地元民にとってなじみやすい「故郷の味」に感じることもあるのでしょう。この時期は、秋の味覚が豊富ですので、柑橘類や柿などの果実、白菜、ネギ、ゴボウなどのように農業祭のような扱い品目の他、手作りこんにゃくなどは、それ自体を目当てに来場する人も多く、あっという間にはけてしまうようでした。手作りこんにゃくを使った味噌田楽などは、これに青のりと削り節の粉を掛けた食べ方は、生涯忘れることのない子供の頃のおやつでした。

 

 各地の文化祭を回って見ると、開会式での挨拶では展示物の紹介や舞台発表などの説明があるものの、食についてはほとんど触れることがありません。

 「食文化」は誰にとっても一番分かりやすい、しかも興味深い文化なので、単に食するだけでなく、文化的な視点で取り組むことがもっとあっても良いのではと感じました。文化祭の中で「郷土食文化」などと銘打って呼びかければ、地元外からも人が訪れることが期待できると思います。

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