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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

富士市最北部での県政報告会から

2025年04月19日 | 議会活動
令和7年4月19日(土)

 県議会2月定例会閉会から約1か月経過し、各地で開催される年度末の総会や各種会合の席で県政報告を兼ねたご挨拶を申し上げてきました。
 先日、25年前に私が政治の世界に入った初めての市議会議員選挙で、最初にマイクを握った富士市の最北部、勢子辻(せこつじ)地区を久しぶりに訪れ、30分ほどの時間をいただいて県政報告を行いました。


(富士市の資料から)

 この地域は、現在12世帯が生活しており、富士山の南東側、富士山こどもの国のすぐ南側に位置し、富士市の中心部までは約15kmほど離れた、周りの全てが山林という中山間地です。
 富士山南東山麓に広がる広大な山林地帯は、この地域の人たちが代々守ってきました。今でこそ、「冨士ひのき」のブランド材が有名になっていますが、例えば木材として使われるまでには、植林から始まり、下草刈り、枝打ち、間伐、伐採まで多くの時間と手間がかかります。1サイクル60年以上かかるといわれており、この部落は森林林業中心で生活してきました。

 市の資料によると、勢子辻地区に人が住みついたのは、安政6年(1859年)で、山北村の川村銀平が小屋掛けの茶店を開いたのが初めでした。ここは、奈良から平安時代の東海道で、多くの旅人でにぎわいました。源頼朝が富士の巻き狩りのとき、上井出へ行く道で、巻き狩り勢子をこの付近に集めたので、勢子辻というようになりました。

 報告会の会場は、地域の集会所を兼ねた「勢子辻ひのきの家」(勢子辻林業施設展示場)で、勢子辻分校跡地に建設された施設です。館内には、林業に関する資料が展示されています。大黒柱は地元の山で伐採されたヒノキを使い、展示・交流スペースの天井は富士ヒノキの小屋組み表し、野地板にも富士ヒノキを使用しています。
 訪れる度に感じることですが、これほど立派な木造建築はあまり見ることがありません。建設から15年経過していますが、当日お会いした町内会役員は、「今も木の乾燥が進んでおり、時折、ピシィという音が聞こえる。」と説明してくれました。

 県政報告では、昨年、知事が交代して新たな知事のもとで動き始めた県政概要を報告し、地元課題などについて意見交換させていただきました。
 地域課題は、この集落が富士山の麓にあり、富士山火山噴火対策は大きな課題です。防災訓練などの状況や、近年、増加傾向にある大雨による水害、がけ崩れ等に対しての防災対策。診療所など集落内に医療機関がなく、特に救急患者の搬送等における課題。高齢化する住人の足の確保などが話題になりました。
 医療関係では、市が進めている市立中央病院の建て替えについて、医師や看護師の確保、救急医療体制の充実などに不安を感じている声がありました。救急患者が発生した際には、119番をコールすると、30分ほど離れたところにある市の救急隊が駆けつけ、患者の様子を確認して搬送する手順で、状況がひっ迫している場合は、大きな課題です。これまでも、ドクターヘリ出動の要請もあったようですが、救急車が到着する30分間は、手を施すことができず患者にとっては大きなリスクとなります。

 富士山南東山麓の森林を代々守ってきた部落ですが、今はそれに携わる人はほとんどいなくなりました。一方で、森林機能を維持し、その評価にも注目が集まっています。この地域の住民の生活をどう守り、安全で安心な暮らしが維持できるよう。また、公益性の高い森林保全をどう維持していくか、久しぶりにお会いした住民の皆さんとの意見交換で有意義な時間を過ごすことができました。
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