令和元年9月30日(月)
小さな時から自分が住む地域の食文化を知り、理解することは重要です。平成29年度に告示された、小学校学習指導要領解説では、「小学校社会科5年生の目標に、わが国の国土の地理的環境の特色や産業の現状、社会の情報化と産業の関わりについて、国民生活との関連を踏まえて理解する。」と記述されています。そこで、5年生の社会科では、地場産物や郷土料理の「教科等の導入場面での活用指導事例」の一環として、学校給食を授業として取り組むことになりました。
静岡県教育委員会の広報誌「Eジャーナルしずおか」に、ふるさとの自慢の給食“うちらの給食いーら!!”という記事が載っていたので紹介します。
学校給食では、地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めるために、地場産物を取り入れた献立や、地域の郷土食を提供しています。紹介された給食は、8地区からそれぞれの地域の特色が現れた自慢の給食です。
その内容を紹介すると、県東部から、熱海・伊東地区では伊東で水揚げされた新鮮なカマスを使った、「カマスのアーモンドフリッター」で、アーモンドの風味が香ばしく、魚が苦手な子供も食べやすいそうです。
賀茂・田方地区からは、函南町で昔からお祭りなどの人寄せでつくられてきた料理を、学校給食に仕立てました。野菜をザクザク切ることから「おざく」というそうです。
富士・駿東地区からは、小山町特産品のコシヒカリに地場産のタケノコや里芋を煮込んだ炊き込みご飯や、水掛菜をピラフにするなど、食材の豊富な地域性が感じられます。
沼津・三島地区からは、沼津で栽培された新茶を使った炊き込みご飯です。また、駿河湾で獲れたしらすを、煮出したぬまづ茶で炊き、炊きあがりに粉末茶をふりかけて完成だそうです。海と山の幸の合体で、学校給食のために沼津市栄養士会で考案されたそうですが、給食外でもいけそうです。
県中部から、静岡地区の「しずまえ鮮魚」が紹介されています。静岡市の海のある地域を「しずまえ」とよび、この地域で獲れた鮮魚を食材として給食に登場します。
小笠・榛原・志太地区からは、「黒はんぺん」のお茶フライが紹介されています。煎茶を衣にした「黒はんぺん」のフライだそうで、これも私好みです。
県西部から、磐周・湖西地区から、磐田市は海老芋の生産が日本一であることから、煮物や揚げ物、シチューの食材として広く使われているそうです。
浜松地区では、誰もが知っているウナギの産地で、規格外に大きくなったウナギを使った「朴めし」という郷土料理があるそうで、これが学校給食に出ることもあるそうです。
ここに紹介したのは一例ですが、県では県民からもっと情報を求めており、栄養教諭や学校栄養職員に伝えてほしいと呼びかけています。
私たちが子供の頃の学校給食の趣旨から、現在ではそのあり方も大きく変わってきました。その 変化に対応すべき現場で対応している、学校給食関係者の皆さんには、頭が下がる思いです。