令和4年1月31日(月)
富士商工会議所の商工振興委員の皆さんが、12月に情報提供した地域経済の現状と今後の見通しがまとめられ、報告書として届きました。新型コロナウイルスのオミクロン株がまん延し始める直前であったことから、急変したここ10日ほどの状況とは異なるかもしれませんが参考になる内容です。
多業種が対象のため、それぞれの立場で様々な景況を伝えていますが、その中からいくつかを紹介したいと思います。
小売業のうち飲食業では、一年前の市内でのクラスター発生により大きな影響が出たこともあり、落ち着きを見せていた昨年末から年明けに関しては、人出もあって一息という感じがしました。しかし、感染症の影響がまだ続くことへの懸念と、年末年始の忘年・新年会の予約は、コロナ前の半分以下といい、アルバイト等シフト調整を行いながらなんとかつないでいるとのことでした。
サービス業のうち旅行業では、ある業者は団体客がメインだったが、コロナの影響で未だ団体客の予約はほぼない。少人数での予約は少しあるものの、今後のオミクロン株の感染状況によってはキャンセルになる可能性がある。先が読めず厳しい状況は続いている。
まん延防止等重点措置が発せられた現在、一番影響のあるこれらの業界は、どのようになっているか気になるところです。
小売業が集まる商店街では、2月に前回好評だったプレミアム商品券を再発行するそうで、活性化に期待がかかります。
製造業では、外国人研修生について、入出国制限の関係で帰国や入国できず、今後どのように対応すべきか悩んでいる。対象方法等の助言がほしいという声もありました。
富士市は紙の町で、製紙・紙加工などの企業が多くあります。大手製紙会社が発表した決算では軒並み黒字で、衛生用紙だけでなく印刷用紙、情報用紙等も前年の反動で需要が回復した。地元の中小製紙業もタオルペーパーが好調で、業績が回復したところは多い。地場産業の景気だけにホッとします。
多くの事業者と関わる税理士からはこんな意見もありました。
各種景況調査の景気判断では改善の動きが見られるが、地方においてはコロナ前の状況に戻っていない。売上げが上がらない中で、賃上げや退職金準備ができない小規模事業所が多く、経営者も労働者も厳しい年になりそうという意見です。
コロナ禍にあって、一部の景気回復の話題は大手企業に当てはまるものの、最後の税理士が指摘したように、企業のほとんどが中小零細企業であることから、景気判断は予断が許せない状況であることを感じさせます。
コロナ禍における緊急的な経済支援は優先すべきことですが、コロナ後の地域経済の活性化についても、平行して先手の対策を講じていくことが求められています。