令和元年6月30日(日)
今日で6月も終わり。明日からは県議会6月定例会の後半となる常任委員会が始まります。今年は医療や介護、福祉、保育などを所管する厚生委員会に所属し、県議会議員になって9年目にして初の委員会配属となりました。改めて関連分野について知識を高め、課題等について当局を質していきたいと思います。
平成30年版高齢社会白書によると、高齢化率は27.7%。将来推計人口でみる2065年の日本は、9,000万人を割り込む総人口で約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上、現役世代1.3人で1人の65歳以上の者を支える社会の到来。年少人口・出生数とも現在の半分程に、生産年齢人口は4,529万人に。将来の平均寿命は男性84.95歳、女性91.35歳。社会保障給付費(年金・医療・福祉その他を合わせた額)全体についてみてみると、2015年度は114兆8,596億円となり過去最高の水準となり、国民所得に占める割合は29.5%(前年比0.08ポイント減)となりました。
家族と世帯については、65歳以上の者のいる世帯は全世帯の約半分、「単独世帯」および「夫婦のみ世帯」が全体の過半数で、65歳以上の一人暮らしの者が増加傾向です。
6月初めの新聞に、「高齢者独居率」についての記事が記載されていました。それによると、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、世帯主が65歳以上の高齢者世帯のうち、一人暮らしが占める割合である独居率は、その傾向は全国で増加が避けられず、孤立を防ぐ仕組み作りなど社会全体の備えが急がれるとしています。
調査結果によると、高齢者世帯の独居率は2040年に全国平均で40.0%となり、15都道府県では40%以上に上昇し、最高は東京都の45.8%で、最低は山形県の31.6%、静岡県は35.5%と試算されました。
東京や大阪など都市部で高齢者の独居率の高さが目立ち、背景には未婚率の上昇があるといいます。50歳までに1回も結婚したことのない人の割合である生涯未婚率は、2035年に全国平均で男性30%、女性20%に迫るとされ、都市部は特に高い傾向にあるといいます。
一方で地方に目を向けると、独居率44.8%の高知県は全国3位で、先ほど触れた山形県の例があるように、地方をひとくくりには判断できません。山形県の県担当者によると、農業が盛んで、昔ながらの三世代同居が多く、2015年の三世代同居率は17.8%と全国1位であり、大家族なら配偶者と死別や離別をしても一人暮らしになりにくいと評価しています。高知県の場合は、県担当者によると高齢化率が全国トップクラスで家族が県外で暮らす世帯が多く、配偶者と死別すると一人暮らしになりがちと分析しています。
核家族化が進み、三世代家族は、私の周囲でも少なくなりました。まさに我が家もその一つでもあります。しかし、核家族化が進んでも近くに分散しているのと、県外に出てしまうケースでは、大きく状況が異なります。近くにいれば何かと気にかけられ、顔を見る機会も増えますが、遠方ではそうはいきません。
現役世代が生活するために、仕事の場が確保できるかが重要であり、その違いが山形県と高知県の差のようにも感じられます。静岡県では他県に比べて地元での就業の機会は多く、首都圏にも新幹線で通勤できるなどの地理的な優位性があります。
高齢者独居率について、本県は低い方と見て良いのでしょうが、今後は増加の傾向が予想されることから、その影響の調査と課題の抽出、対策について取り組んでいかねなりません。
独居高齢者は、うつ、孤立、貧困の割合が高いなど、「要援護」状態の人が多いことから、その増加を問題視する見方がある一方で、未婚、結婚しても子どもをつくらない、子どもがいても子どもとの同居を望まないなど、個人の生き方として独居を選択しているのだから、その増加そのものはあまり問題にしなくてもよいという見方もあります。
世帯数の減少が各地で今後本格化し、単独世帯が今後全ての都道府県で最大勢力になることに注目していきたいと思います。