令和6年11月30日(土)
今日で11月も終わり。暮れを迎える来月は中小企業にとっても1年の締めくくりで大変忙しい時期を迎えると思われます。先頃、地元富士商工会議所が取りまとめた第2四半期(令和6年7月から9月まで)の富士市中小企業景況調査結果が報告されました。
地域経済を支える中小企業の動向は市民生活に直結します。12月9日には、県商工会団体関係者と副知事及び経済産業部長との意見交換会が開催され、私も同席する予定です。この席では県全体の動きについての話になる見込みで、その前に地元の状況を把握しておくことは重要と考えています。
中小企業景況調査は3か月毎に行われ、製造・建設・卸売・小売・サービスの5産業、201事業所を対象に、生産・売上・及び経営状況の調査を行い、産業毎に結果をまとめています。それを、前期(4~6月)、前年同期、来期(10月~12月)予測として比較しています。
今期の調査では、全産業合計の業況景気動向指数(DI)が-2.5ポイント、売上DIが-8.6ポイント、採算DIが-1.4ポイントとなっています。前年同期と比べると、いずれもDIが悪化しています。
来期の予想は、業況および採算DIは横ばい、売上は改善の予想となっています。業種別の来期業況DIは、小売業は上昇、製造業・建設業・卸売業・サービス業は横ばいを予想しています。採算DIは、製造業・小売業で上昇、サービス業で横ばい、建設業・小売業で下降を予想しています。
調査では、共通のコメントとして、「人手不足」や「最低賃金の改定に伴う人件費増」が多かったと報告しています。また、「物価高騰が続き販売価格を上げても対処しきれない」という意見もあったようです。
経営上の問題では、「商品、原料仕入価格の上昇」、「人件費高騰」、「人材不足」が上位を占めています。この課題は、特定の地域だけでなく、全体に共通した課題であり、私たちも認識しています。コストの上昇に対しては、構造的に下請けとなりやすい中小企業が価格への転嫁がしにくい状況があり、私たちも転嫁できるよう発注元に理解を促しています。
商品価格にコストが転嫁できたとして、最終的にはその商品を消費者が購入することにもなり、消費者の理解も必要になりますが、この全体像を製造者も消費者も共有していくことが必要です。
人件費の高騰は、中小企業の経営側にとっては負担で、大企業との格差が表れています。春闘などで発表される賃金アップなどは、中小企業がしたくてもできない厳しい状況を改善するために何ができるのか考えていかねばなりません。
人材不足は全てに共通した課題で、人口減少が加速する中、外国人労働者に期待するなど、社会構造が大きく変化しています。
県の来年度予算編成に向け、中小・零細企業の抱える課題に、行政として議会としてどのように取り組むのか、現場の声を聴きながら進めていきたいと思います。