鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

次年度要望ヒアリング終わる

2020年10月31日 | 議会活動

令和2年10月31日(土)

 

 会派主催による県内各団体からの県に対する次年度当初予算要望が一通り終わりました。8月17日から始まったこのヒアリングは、党関係68団体、業界団体40団体のほか、県内各自治体等からの要望をいただきました。私はまとめ役の政調会長として、全ての会合に出席し皆様の声を直接聞かさせていただきました。

 総じて、新型コロナウイルス感染症による影響回避のための要望が多く、次年度だけでは対応しきれない内容もあり、状況を分析し、県当局の動向を踏まえ真摯に対応していきたいと思います。

 

 最終日となった30日には、医療、介護、福祉関係団体とのヒアリングが行われ、それぞれの立場で現状報告と継続、新規要望を訴えていました。

 

 医療機関関係では、新型コロナウイルス感染症について、今後の状況変化に対応できるための支援。医療施設内感染対策。感染症による病院経営悪化に対する支援では、感染者が施設内にいないにもかかわらず、外来患者数は軒並み10%減少している。自治体病院もその自治体の税収減によりどのような影響が出るのか懸念している。働き方改革は医療分野でも喫緊の課題であり、勤務医や看護師などへの対応が迫られている。医療現場に必要なマスクやガウン、手袋などの一部は値上がり、特に手袋については原料がゴムであり世界的なニーズがあることで心配している。

 ワクチンや治療薬ができるまではこの厳しい状況が続くかもしれないと予想しているので、それに備えた対応を求める。

 

 看護分野では、人材確保や定着対策の推進。研修等によるスキルアップ。在宅医療推進のための支援。働き方改革等が上がっています。

 

 介護分野では、介護人材の確保と養成や介護職の社会的評価の向上。福祉施設の老朽化に伴う既存ストックの有効利用などの課題の他、新型コロナウイルス感染症支援も医療機関ほど充実しておらず不安であることを訴えていました。

 2025年に向けて動いている地域包括ケアシステムの構築では、医療・介護の充実が課題であり、介護現場の混乱は医療現場にも波及するのでしっかりと対策を講じて欲しいという声が医療関係者からも上がりました。

 

 保育関係からは、「子ども・子育て支援新制度」の開始、幼児教育・保育の無償化による事務量の増加や、長時間保育の利用者の増加などにより保育士などへの負担増が大きな問題となっているので配置の改善について4、5歳児について特に配慮を求める声が上がりました。その他にも新型コロナウイルス感染症への対応は他の分野よりも薄く、早急な改善を求めています。

 

 その他、県内の多くの福祉団体の窓口となっている県社会福祉協議会からは、関連する各福祉団体からの要望を取りまとめ、切実な声を訴えていました。

 

 これらの要望は12月中旬の知事との折衝に向け、とりまとめを進めていきます。

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20年後の地域医療供給体制を目指して

2020年10月30日 | 議会活動

令和2年10月30日(金)

 

 県医師会による県の次年度当初予算に向けた要望活動のため、関係者と意見交換する機会がありました。今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、国民の命を守るため医療体制の確保と拡充が急務で、医療現場を守る医師や看護師など、医療関係者への急激な負担増となり、今もその渦中にあります。

 医療崩壊を避けるために、県も様々な取り組みを行っており、感染者の症状レベルである重症者、中等症者、軽症者などにあわせ、収容環境を整えることで集中的な負荷を分散するなどに取り組んでいます。

 その収容環境は、国が示す指針に基づき、それぞれの収容施設のベッド数等を決めるなど、医療体制の確保に努めています。

 

 そのような感染症の影響下における医療機関の支援は常に状況を見ながら進めていますが、今回の要望は感染症関係とは少し離れ、長期の医療体制のあり方について方向性を示し、それを実現するために次年度への要望として取りまとめています。

 

 その内容は、地域医療体制の構築では、2025年を目指した地域医療構想の実現に取り組んでおり、それ以降も少子高齢化の進展が見込まれ、人口減による医療人材不足、医療従事者の働き方改革等の新たな課題への対応が必要となってくる。

 地域医療構想の実現、医師の働き方改革の推進、実効性のある医師偏在対策の推進に取り組むことが喫緊の課題として、その実現のため県と連携し重点項目を整理し要望として取りまとめたとしています。

 要望内容の一つ目は「初期研修医定着促進事業の継続実施」、二つ目は「静岡県医療バンク運営システムの機能拡充」を上げています。

 

 次の要望の柱は、「地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組み」で、2025年に団塊の世代が75歳を迎えるこの時期までに、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体に提供される仕組みを目指しています。現在、県医師会が県内各地における地域包括ケア推進の取り組みを包括的に支援するための拠点として設置した「シズケアサポートセンター(静岡県地域包括ケアサポートセンター)」のさらなる機能強化を求めています。

 その具体的なものは、「ICTシステム(シズケア*かけはし)の機能拡充」、「かかりつけ医の機能強化」で、後者は地域住民の生活を医療面から支えるかかりつけ医が、今後増加の見込まれる認知症やフレイルに関して予防の段階から患者と関わることのできる仕組みを構築するとともに、在宅医療の実施に伴う負担の軽減を図り新たな参入を促進するとしています。

 

 コロナ禍ではありますが、粛々と将来の医療の課題に向け対応を進めていかねばなりません。

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農林水産業団体との意見交換から

2020年10月29日 | 議会活動

令和2年10月29日(木)

 

 県の次年度当初予算に向けた農林水産業団体からの要望を聞く意見交換会が開催されました。先日の中小企業団体と同じように、新型コロナウイルス感染症の影響は、例外なく押し寄せています。農林水産業は気象にも大きく作用される分野であり、感染症とは別に今夏の猛暑などの影響もありました。

 

 農林水産業は国内市場だけでなく海外市場にも進出する機会が増えています。私たちが普段食する国産食材は、日本の安全規格において、例えば残留農薬なども厳格に管理されているものを食べていますが、ほとんどの日本人が安全性を疑うことはなく、外国産に比べ国産だから安全と信じている人は少なくありません。

 しかし、国産の農産物を海外へ輸出するためには、海外から認められた食材の安全・安心を保証しなければなりません。具体的には国際規格に則った認証を受けることが前提となります。

 

 例えば食品の衛生管理である「HACCP」や、農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組みである「GAP」という認証を得ることが必要となってきます。

 HACCPは、来年6月から全ての国内食品関連事業者が導入しなければなりません。これが取得されていなければ、事業免許の更新にも影響があるといいます。GAPは、輸出向けに限定した認証と考えがちですが、東京2020オリンピック・パラリンピック開催を契機に、多くの外国人選手に提供する食材はこの認証が必要となり、その流れを受けて国内で事業展開する大手のスーパーマーケットもこれらの認証を受けた農家からのみ農産品を買い入れるということも聞いています。

 しかし、この認証を取得するには相応の費用がかかり、感染症とは関係なく費用の一部を負担する支援などが求められています。これに加え、感染症の影響により減収となった農家には、認証取得自体が更なる負担増につながり、なお一層の支援を求める声が高まっています。認証が取得できなければ作った農産品が売れないということも出てくるので深刻な問題となります。

 

 感染症の影響は消費にも影響が出ています。感染を敬遠するために食品売り場に行くことをためらい、特に高品質な農産物は販売が激減しました。これを支えているのがオンライン販売ですが、それが実現できる環境をもつ農家は決して多くありません。その環境整備支援、使いこなすための人材育成などが求められ、感染症が終息した後も、いわゆるデジタル化が進むことは間違いなく、その意味でも支援が急がれます。

 

 次年度要望は感染症の影響もあって、かつてない新たな課題が山積しています。一つのことを実現するためには時間もかかり、これまでは「継続」と書かれた要望事項が多くありましたが、今回は「新規」の要望もかなり目立っています。財源不足が懸念される中、どの要望を優先的に実現すべきか、要望者の立場を十分理解して取り組んでいかねばなりません。

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県議・市議と業界団体との意見交換

2020年10月28日 | 議会活動

令和2年10月28日(水)

 

 毎年恒例の宅地建物取引業団体と県議会議員の意見交換会が開催されました。例年は県の東・中・西部ごとに開催されているものですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、広い地域の関係者が一堂に会しての会合は避け、近隣市町単位に範囲を狭め、人数をかなり絞り込むことができたために、初めてその地域の市議会議員の代表にも参加していただき、県・市一体となった意見交換を実施することができました。

 

 国と地方という区別で言えば、地方には県と市町がひとくくりとなります。今回の試みで、地方行政間の連携が機能してこそ市民の課題に応えることができることを改めて感じました。

 

 地方分権が進み、国から地方への権限委譲が行われるように、県から基礎自治体と言われる市町に対しても権限委譲が進んでいます。静岡県は権限委譲について次のように説明しています。

 「静岡県は、住民に身近な行政は、より身近な市町が担うことが望ましいとの考え方に基づき、平成10年度から概ね3年ごとに権限移譲推進計画を策定し、県から市町への権限移譲を推進しています。

 令和2年3月には、全市町が参画する権限移譲推進協議会や、行政経営研究会課題検討会での協議などにより、令和2年度以降の権限移譲推進方針についての検討を経て、権限移譲推進の理念や移譲予定事務等を位置付けた『ふじのくに権限移譲推進計画(第4期)』を策定しました。

 今後も引き続き、本計画に基づく市町への権限移譲を計画的に推進し、住民サービスの向上と市町の自主性・自立性の強化に取り組んでまいります。」

 この取り組みにより、これまでに調査開始以来、全国1位の権限委譲数を15年間維持しています。

 

  取り組みの理念も、その効果や実績もしっかりと積み上げてきたものと受け止めています。しかし、その陰で課題となるものもあると感じ、その具体例が今回の意見交換会で表れました。

 

 土地や建物の取引業を行うこの団体は、大切な国民の財産を扱うことや秩序ある都市計画などを実現するため、法令により強く縛りのある業界です。その事業を進めるためには、権限委譲が進む県や特に特定行政庁の指定を受ける市から、様々な許可を受けて公正な事業を展開しています。

 

 そのためにはルールが必要ですが、市によりそれがまちまちであることが業者にとって大きな悩みとなっています。県に権限があった時は県内どこでも同じルールが適用されますが、特定行政庁である市に権限委譲されると、それぞれの判断に委ねられることになり、業者は同じ許可を得ようと申請してもルールが異なることで実現できないこともあり戸惑うことになります。

 

 今回の意見交換会では初めて市議会議員が参加し、各市の実状を聞くことができ比較ができました。ルールを決めた背景にはそれぞれ理由があるとはいえ、申請する側から見ればなぜ異なるか理解はできず、統一ルールになるよう県が指導すべきだとの意見もありましたが、権限を委譲している以上、それを侵害することはできません。

 

 結局、業界の代表がそれぞれの市に出向きよく話し合い、できる限り同じルールになるよう働きかけることになりました。その結果が思惑通りになるかどうかは定かではありませんが、権限委譲がこのような課題を生じていることは現実であり、その対応について考えていかねばなりません。

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中小零細企業団体との意見交換

2020年10月27日 | 議会活動

令和2年10月27日(火)

 

 県の次年度当初予算に向けて、各団体から要望をお聞きする最終段階に入りました。11月上旬の令和元年度決算審査が終わると、次年度予算関係の取りまとめを予定しているため、10月末までを一区切りとして取り組んでいるものです。

 

 昨日は県内の中小零細企業団体や商工会議所・商工会、信用保証協会などから要望書を提出していただき、それぞれの団体の代表から概要等について説明を受けました。

 例年行われている要望活動ですが、やはり今回は新型コロナウイルス感染症の影響に対する支援内容が多く、中小零細企業にとって大変厳しい状況が改めて浮き彫りになりました。

 

 感染症対策に投じるコストは事業者にとって大きな負担であり、その支援を求める声は大きいと言えます。宿泊業関係では、観光客は例え期待の高い「GO TO トラベル」などの支援があっても、感染症防止策を積極的に取り組んでいる状況を確保し安全で安心な施設として認めていただかなければ訪れてくれません。徹底した感染防止策には三密を避けるために収容者数を抑えることも含まれ、感染防止の投資が増えるとともに収入減にもなっています。これは飲食業関係や理容・美容業も同じことが言えます。

 

 感染症に見舞われる前から取り組んできた経営改善策も、それらに必要な負担に加え、感染症による収入減により滞る状況もあると言います。例えば、改正食品衛生法により食品を扱う全事業者は、2021年6月からHACCPによる食品衛生管理が完全義務化されますが、それを実現するためにかかるコストへの支援も求めています。

 

 飲食業界は、感染症のクラスターが発生するなどで注目を集めました。感染症対策に取り組んでいることをアピールするため、店舗入り口に安全シールなどを貼っているものの実態は不十分なケースもあり、第三者による確認が必要となりました。保健所は食中毒監視と平行して確認作業を行うなどで対応しましたが十分と言えません。業界団体に加盟していればその団体が自ら監視・指導ができますが、非加盟の店は対象外であり、そのようなケースでクラスターが発生しやすいとの意見もあります。業界団体への加盟を強く求める要望もありました。

 

 製造業はサプライチェーンへの影響が顕著ですが、感染当初よりも徐々に影響が出始め、今後が気になるところでその対策を考えていかねばなりません。

 

 建設業は税収減などにより事業の見直しが図られることで、公共事業が減少する懸念があり、もともと人材不足による受注ができないなどの課題が続いていることから、経営自体は悪化しており悪循環に陥らないよう配慮が必要です。

 

 信用保証協会関係では、制度融資などで緊急的な資金支援を行ってきましたが、金利や保証料の支援が切れる3年後や返済が始まる5年後に発生する可能性がある課題に、今から対応を考えておく必要があるなどが示されました。

 

 今回は10団体からの要望をいただきましたが、さらに内容を検討し、当局ともすりあわせの上、可能な限り会派の次年度要望に盛り込んでいきたいと思います。

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