平成25年1月16日(水)
静岡県議会産業委員会は、県内商工農林水産業の全てを担当する常任委員会です。今期は2回の県内視察を実施しました。いずれも食と農が関連する県内先進事例を見てきましたが、1回目は県東部・中部地区へ。今回は西部地区の3カ所を訪問させていただきました。
最初に、磐田市にある静岡県立農林大学校、次に同じく磐田市内にある地場の食材にこだわったフレンチレストラン、最後は浜松市にあるJAとぴあ浜松花き営農センターとガーベラパッキングセンターを視察させていただきました。
<静岡県立農林大学校>
県立農林大学では、農業の担い手を育成するために、養成部・研究部・研修部がおかれています。養成部では優れた農林業後継者の育成を、研究部では次代の農林業を担う指導者や技術者の育成を目的とし、実践的な教育が行われています。研修部では農林業者等に対する研修を行い、多様な農業の担い手を育成するため、定年帰農者や転職者等を対象とした、アグリ実践大学や農業科職業訓練、加工や流通販売のスキル修得を目指す農業者を対象とした6次産業化支援講習の実践に取り組んでいます。
実践教育が中心であるが故に、実習でつくられた多くの農産物を調理室でそのまま、あるいは加工して試食させていただきました。ここでつくられたあのクラウンメロンの味も一級品でした。
意見交換会において、学校運営は多くの課題が浮き彫りとなり、議会としての積極的な支援策の提言などが求められています。
(校長先生をはじめ学校幹部と意見交換)
(オランダから輸入したというユニット式温室)
(カーネーションを栽培する温室の前で液肥を準備する学生と先生)
(熟すと高い糖度が出るトマト)
(クラウンメロンはひとつひとつ丁寧に扱われている)
(お茶は霜に弱く防霜ファンを見ることが多い。ここは水を散布して防霜)
(お茶づくりは機械化されている。しかし、手揉み茶を体験し茶づくりの感を養う)
(実習で荒茶をつくる装置)
(農場の実習でつくられたイチゴやメロンを調理室で試食)
(米パンづくりの実験結果の説明を聞く。ついでに試食)
<レストラン ハーモニー>
静岡県は「食の都」としての誇りを維持するために、その実践づくりに取り組んでいます。食材が日本一多いこととそれを活用した料理人の表彰など、食材をつくる農業と料理人の育成支援がその取り組みの一つになります。
この度訪問したフレンチレストラン ハーモニーは、20年以上前から全ての食材を地元産にこだわり、フレンチの分野で見事な味に仕立てた仕事人、足立久幸シェフからお話を聞くとともに、昼食をお願いしその素晴らしい味を堪能してきました。(当然ですが食事代は実費です)
足立さんは食育にも力を入れ、レストランの外での活躍の実績も多く、食の魅力を盛りだくさん聞くことができました。
こんなにすばらしい静岡県産の食材が大都市ではまだ十分普及していないこと、その原因は流通でありPRにももっと力を入れていかなければならないことなど、行政も一体となった課題を投げかけられました。
(地産地消のこだわりメニューが看板)
(足立シェフから地元の食材について説明を受ける)
(合鴨、海老芋、白ネギ等々。初めて聞く野菜づくしのフレンチ料理)
(入口に飾られた海老芋。部位で名前が異なる)
<JAとぴあ浜松花き営農センターとガーベラパッキングセンター>
この施設は、平成22年度日本フラワービジネス大賞において、育種・生産部門で本県関係者として初の大賞を受賞しています。ここでは、出荷調整部分の共業化を中心に、全量共選共販出荷体制を整備するとともに、会員相互の研鑽による生産技術の向上や、ガーベラの需要拡大に向けた様々な販売力強化を図っています。
平成17年9月にはエコファーマーを取得し、平成22年4月に花き産業総合認証制度の環境認証(MPS-ABC)に加入し、環境保全型農業にも取り組んでいる先進的な農業集団です。
ガーベラは輸入が難しく、国内生産で国内市場をまかなっています。輸送中に傷みやすいという理由からだそうです。先ほど環境にこだわった取り組みに触れましたが、年間を通して温度を18度以上に保ち生産する温室栽培でもあることから、それに必要な燃料消費など二酸化炭素の排出には配慮が必要となってきます。
「攻めの農業」の極めつけを、関係者から聞くことができました。
(最初に訪れた営農センター。概要の説明を聞いた)
(ガーベラづくりのプロ集団。話しも上手い)
(積極的な攻めの農業を御教授いただいた)
(ガーペラを80%以上使うとこの農業団体から花を無償提供)
(栽培する温室の中にある、パッキングセンター)
(女性が一本一本機械に投入するときれいにパッキングされたガーベラが出てくる)
(セロハンで包まれたガーベラ。この後100本単位で箱詰めされる)
(こちらは明日開催される大きな展示会に特別用意されたガーベラ)
(温室は一年中、18度以上の温度に保つ。円安で燃料費高騰は厳しい)