









令和2年11月27日(金)
いよいよ、来週月曜日から静岡県議会12月定例会が開会となります。新型コロナウイルス感染症による議会開催中の感染症対策は、前回の9月定例会では一旦緩和され、従来の開催方式にマスクや着用や消毒などを徹底することで、議員全員が一堂に会して議論することができましたが、12月定例会においては、ここ数週間の県内感染者数の増加により、警戒レベルも上がったことで、これまで以上に厳しい環境下での開会となります。
1週間前に発表された本県の新型コロナウイルス感染状況について、「警戒レベル4(県内警戒、県外警戒)」(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会による感染段階・ステージⅡ相当)でしたがその状況は現在も悪化しています。
本県では、浜松市や静岡市等でクラスターが散発し、感染拡大が進行しており、感染流行期が「感染まん延期・前期」となっています。感染経路不明者数が増加し、市中に見えない感染者がいる可能性があることから、感染防止に細心の注意が必要です。また、東京都、愛知県、大阪府などの大都市地域を中心に、1 日当たりの新規感染者数が過去最高を更新し、感染が深刻化しています。全国で、多人数の会食やマスク非着用での歌唱、大声での会話など、感染リスクの高い行為により、クラスターが発生しています。
今回の感染期は第3波に相当し、これまでにない感染状況であり、死亡者や重症・中等症者も増加し、収容する病床も確保数の半分近くまで増えている厳しい状況です。
12月定例会では、先日開催された議会運営委員会にて感染症対策として次のように決まりました。
本会議場では、入室者は無地のマスクを着用し、口と鼻を完全に覆うこととする。質問日は、議員と説明者の入場を必要最小限の人数とする。説明者の答弁は全て自席とする。代表質問及び一般質問においては、質問者の質問終了ごとに議長前演壇及び、対面演壇等を消毒する。傍聴席は座席数の半数とするとしています。
注意事項としては、「感染防止のための対応」には、マスクの着用、消毒や手洗いの徹底、3密(密閉、密集、密接)の回避、検温の実施。「発熱等の症状が出た場合等の議員の対応」では、発熱、呼吸器症状その他感染を疑わせる等の症状がある場合は、自宅待機、症状が悪化した場合は「発熱等受診相談センター」に連絡し必要な支持を受けること。「感染した場合または濃厚接触者に認定された場合」は、議会事務局に連絡し指示を待つことになっています。これらの対応は、「県議会BCP」を改定してその中に明記されているものです。
まずは、感染症対策をしっかり実施し、12月定例会を乗り切っていこうと思います。
令和2年11月26日(木)
昨日の静岡新聞夕刊に、「新型コロナウイルス感染症の新治療法について臨床研究へ」との記事が載っていました。アミノ酸が新型コロナウイルス増殖の抑制効果があるというのです。
実はこの記事に注目した理由は、以前に県内の介護施設で発生したクラスターでは、その関係者が「アミノ酸を飲んでいれば感染しない」という思い込みがあって、感染症拡大防止策であるマスク着用などを励行していなかったと聞いていたことを思い出したからです。聞いた時はアミノ酸効果を全く信じておらず驚きましたが、この記事で二度驚きました。
最初にお断りしておきますが、単にアミノ酸を摂取していれば感染しないということはありません。医学的な根拠を確認するために臨床研究が始まったばかりで、効果が確認され実用化、普及までにはまだまだ時間がかかるということです。
記事によると、県内にある製薬会社で製造しているアミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)に、感染症研究では先駆的な取り組みをしている長崎大学の基礎研究で抑制効果が確認されたというのです。今後は、新型コロナウイルス感染症の新たな治療法につながることを期待し、臨床研究に乗り出したというものです。
5-ALAは、動植物の体内で生成され、生命活動を維持するのに重要な役割を担っています。この製薬会社では世界で唯一5-ALAの大量生産が可能な製造施設を有し、医薬品やサプリメント、化粧品の原料として利用されているそうです。研究者によれば、この施設で大量生産され医薬品分野でも利用されていることから、既に安全性が確保され、安定供給できることに注目しているようです。
創薬研究に取り組む長崎大学では、5-ALAを使い、マラリアの治療薬開発やミトコンドリア糖尿病の臨床研究を進めている事例があり、その研究過程で様々な感染症への治療効果が期待できることが判明しています。その延長線上に新型コロナウイルス感染症治療薬への期待が高まっています。
これまでの細胞試験では、一定濃度以上の5-ALAを加えると感染症を完全に抑えることが判明しているそうで、今後、臨床研究では軽症、中等症の患者に投与して症状の改善やPCR検査で検出されるウイルス量などを検証するとしています。
身近なところでこのような挑戦が行われていることに驚きと期待を感じますが、「アミノ酸が効く」という素人判断が一人歩きし、マスクも着用しないといった行動は絶対に止めていただきたいと思います。