令和7年4月22日(火)
先週は、伊豆半島や中東遠地域各地で市・町長の選挙が行われました。その中で、中東遠地域の抱える課題について、選挙に関する報道の中には、中部電力浜岡原発の再稼働に関する論戦が鳴りを潜めているという記事がありました。
それによると、原発から31キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)に該当する中東圏地域であることから、次期リーダーの判断は、審査が進展する浜岡原発の再稼働に影響を与える可能性があるとしています。
有権者の間には、再稼働の鍵になる地元同意や、昨年の能登半島地震を踏まえた原子力防災対応について、立候補者の考えを求める声が上がっていたとしています。
県も再稼働に欠かせない地元同意の対象ですが、明確な枠組みは決まっていません。国の審査も進んでいることから、県議会としてもその動向を注視しています。その中で、先月、私の所属する会派では、知事に対して「原子力災害に関する広域避難計画の実効性の向上を図るための提言書」を提出しています。
本県は、中部電力株式会社浜岡原子力発電所の原子力災害に備え、「浜岡地域原子力災害広域避難計画」を定めています。対象区域は発電所から5㎞及び31㎞を目安にしたPAZ及びUPZ圏内であり11市町、81万人に及びます。
対象区域の市町は災害対策基本法及び当該市町の防災計画に基づき、原子力災害発生時に市民が放射線防護対策を実施し、必要な時には一時移転または避難が実施できるよう、あらかじめ避難等の方法や避難先等について定めた広域避難計画を策定していますが、中には、避難者が避難する際の第一目的地となり、且つ、避難者に避難所を案内する場所である避難経由所が選定されていない市町があります。
県広域避難計画には重点区域の病院及び有床診療所並びに入所型の社会福祉施設では、入院患者や入所者の避難手段に配慮した避難計画を定めるものと規定されており、学校等においては生徒等が在校しているときの避難等について定めるものとなっています。しかし、令和6年9月末現在、病院については、対象となる57病院のうち策定が済んでいるのはわずか1病院であり、入所型社会福祉施設については、349施設中51施設に止まっています。
また、県広域避難計画自体に、計画の実効性を上げるために「今後避難計画に反映していく課題」が8項目、「関連する計画、マニュアル等に関する課題」が6項目、合計14項目の課題が明記されていますが、その進捗状況が報告されていません。
こうした現状を踏まえ、県民の生命と財産を守るべく取り組みについて、県当局に提言しました。
今後も、これらに関する議論は避けて通ることはできず、その動向を注視しながら取り組んでいきたいと思います。
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