鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

プラスチックの再利用促進に向け義務化へ

2024年06月30日 | 議会活動
令和6年6月30日(日)

 6月は環境月間でした。月末となった今日は、環境に関連する記事としたいと思います。

 2050年のカーボンニュートラルに向け、社会総掛かりで様々な対策が進められています。
 この中から、環境問題を扱う中で必ず出てくるのがプラスチックで、温室効果ガスとの関連や、マイクロプラスチックといった環境汚染問題など、社会を支えている重要な素材ではありますが、課題は少なくありません。

 先日、政府が製造業に対し再生プラスチックの使用を義務づける方針を決めたという報道がありました。記事を引用すると、経済産業省が資源の有効活用策を議論する有識者会議において、目標設定や使用実績の定期的な方向を求めていくとしています。早ければ来年の通常国会で、資源有効利用促進法の改定を目指すようです。
 現在、国内では使用後のプラスチックはその多くが焼却処分されているため、再利用を促進し、脱炭素を後押しする狙いがあります。

 資源の再利用を意識し、企業だけでなく家庭から出るプラスチックごみは、その種類別に分類し、市などの収集により再利用に回っていると考えている方は少なくないと思います。その流れは基本的に変わりませんが、プラスチックを大量に扱う企業において、法の抜け穴のようなものがあり、再生されたプラスチック使用の徹底が図られていないのが現状です。回収された廃プラスチックが原料となり、新たな製品に使われることで循環が成立しますが、使われないことがあれば、リサイクルが成り立ちません。

 現在は、再生プラスチックの使用は「努力義務」となっています。これを「義務化」し、取り組みが不十分な場合は勧告や罰金の適用を検討し、対象は製造業で一定の規模以上の企業のようです。

 法の義務化が図られたとしても、消費側が再生プラスチック製品を使わなければ企業活動は成り立ちません。今でも再生プラスチック製品は、私たちの身の回りにありますが、どの程度購入しているのか、あまり意識することはないようにも思えます。まだまだ、再生プラスチック製品が少ないこともあるのではないでしょうか。
 また、再利用製品は、品質における技術面や再処理の際に係るコストなどで課題があるようです。

 しかし、思い出してください。トイレットペーパーやコピー用紙が再生紙に移行し始めた頃です。それまでは、パルプ100%の真っ白な紙でしたが、再生紙に代わり、濁度が増した紙になりました。使用する上で何の問題はなく、その普及はスムーズにいったと考えています。何よりも、環境に配慮した製品として消費者の理解が進んだこともあったと思います。このような経験が、再生プラスチックにも反映されることを期待したいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地域外交の行方

2024年06月29日 | 議会活動
令和6年6月29日(土)

 静岡県は前知事県政において、地域外交を積極的に進めてきました。県議会内では、様々な意見があってその取組に賛否があったのは事実です。
 外交は国が行うものと決めつけるよりは、地方分権を進める上では、国の役割とは異なり地方が他国の地方と交流を深め、文化や教育、産業分野などについて、地方の活性化につながる交流を進めることは必要と考えています。

 私は、地域外交に賛成の立場をとってきます。その理由の一つは、自分たちが置かれている状況を、外からどう見られどう評価されているか、そのことを知ることによりグローバルな知見が広まり、その観点を取り入れた地域づくりができると考えているからです。

 私は、35歳と時に父が亡くなり、家業を継ぐことになりました。それ以前は、企業に勤め海外勤務も経験しており、外国人と接する機会が多くありました。
 海外で勤務しているときに、同僚として働く外国人から、私の日本での生活や習慣などを聞かれることがありました。日本の良さを伝えようと外国人受けのしそうな話題を伝えると、彼らが求めるのは私が普段、どのような生活をしているかを改めて訪ねられました。私にとっては当たり前のことですが、彼らにとっては、この普段の生活環境に興味があるようでした。
 日本全体の大雑把な情報は知っていても、地方に行けば様々な文化や歴史があり、そのことは、日本を理解する上で必要なことと考えていたようでした。その話題について伝えると、彼らからは興味津々で矢継ぎ早に質問があり、会話が大いに盛り上がった経験があります。同時に、その話題を通じた彼らの感想からは、「外から見た地元」を改めて評価され、新鮮な思いがあった記憶は忘れていません。

 地域外交に求められるのは、日本の地方をどのように知り、理解を深め、関心を持っていただくかであり、そのことは日本の地方が相手方を見るときも同じだという視点です。その理解が深まれば自然と様々な交流が生まれてきます。

 このところ、地方議会の海外視察に疑問を呈する報道が気になります。多額の税金を使った物見遊山のようと評価されています。視察に向かう議員が、どのような目的意識を持っていくのか、その視察の意義や目的、何よりもそこに行かなければ得られない情報や体験、視察後の県政への反映などを、自らが計画立てて行うことができるのか、この当たり前のことができないケースがあるのは事実です。

 全国各地で、地域外交が広がっています。私たちが訪問した先では、既に日本のどこかの地方が訪れていたというケースも少なくありません。その後の交流がどうなったかも気になるところです。地方創生を進める上で、まさにグローバルな視点で各地が取り組んでいることも現実です。
 地域外交は私たち議員も担っていかねばなりませんが、その意義や責任をしっかりと意識して、今後も取り組んでいきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新知事が目指す人口減少対策

2024年06月28日 | 議会活動
令和6年6月28日(金)

 県議会6月定例会の各会派代表質問や一般質問が終わりました。新知事を迎え、今後の県政運営について基本的なものとしては一応見えてきたと思われます。
 昨日までのブログで、要点となるものはお伝えしてきましたが、県政にとって最重要課題の一つである、「人口減少対策」については、残念ながら質問項目には1回しか登場しませんでした。その貴重なやりとりについて記しておきたいと思います。

 本県の人口は、2007年12月のピーク時に379万7千人だったものが、今年6月1日現在で353万2千人となり、27万人近く減少しています。これは17年間で富士市の全人口に匹敵する人口減少が起きています。
 国立社会保障・人口問題研究所の予測では、2050年の本県人口は282万9千人まで減少するとの予想が出ています。この厳しい状況を捉え、一刻も早く人口減少対策を進めていかねばなりません。

 知事は、人口減少問題は、県政の最重要課題と認識している。その対策の基本は、本県経済や地域社会の活力が衰退することがないよう、自然減と社会減の両面から、「抑制対策」を進めていく必要がある。
 長期的な人口減少は避けられないという認識を持っており、そうした社会を前提に、豊かな生活を維持・向上させていく「適応対策」が重要と考えている。
 「適応対策」としては、3つの視点から取り組むことが重要と考えている。まずは、「社会全体の生産性の向上」であり、生成AIなどのデジタル技術の活用や、リスキングの促進などにより、一人あたりの労働生産性の向上を図っていく。
 二つ目は、「多様な人材の活躍の促進」であり、人口減少社会においても持続的な成長を実現する担い手を確保するため、女性が働きやすい環境の整備や、高齢者の更なる活躍の促進、本県が外国人人材に選ばれるための施策に取り組んでいく。
 三つ目は、「社会全体の最適化を図ること」であり、減少する人口に応じて、県民生活への影響を考慮しながら、税収の減少や高齢化に伴う行政需要の変化などを踏まえ、民間・他の自治体と連携した公共サービスの提供、将来を見据えた資産管理などを一層強化していくことなどを答弁しています。

 大雑把な方向性を示したものですが、この考え方に基づき、今後どう、具体的な施策展開を進めていくのか、次期総合計画にどのように反映していくのか、注視していきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新知事の重要課題に対する取り組みは

2024年06月27日 | 議会活動
令和6年6月27日(木)

 昨日に引き続き、各会派の代表質問の中から、県政の重要課題として取り上げたもののいくつかを紹介します。

 リニア中央新幹線関連では、可能な限り関係者(JR東海、大井川沿線水利関係者等)との意見交換が必要であり、既に一部は知事就任後に実現している。
 特に大井川流域の皆さんの不安解消が最優先と考え、関係市町長との意見交換を早期に目指してきたい。JR東海との信頼関係の醸成が重要と考えており、定期的に社長等と会い意見を交わしていきたい。その内容については、大井川沿線関係者にも逐一伝えていく。
 リニア中央新幹線工事を進める上で重要な課題は、大井川流域の水の確保、自然の保全、工事に伴い排出される土砂の盛土の三点で、県としてこれらに関連する28項目の課題を提示し、その解消に努めていきたい。
 一方で、岐阜県内で発生したリニア中央新幹線工事に伴う地下水位低下等の問題について、岐阜県等に対しての説明が遅れた件は、信頼関係を揺るがすものであり、その懸念は相手側に伝えてある。
 また、リニア中央新幹線が開通した後の、東海道新幹線の県内駅停車数の増加や空港新駅設置など、本県にとってどのようなメリットがあるのか、それも確認していきたい。
 しかし、利害関係が一致しないことはあり得ることでありその時には「政治判断」が必要と考えている。

 遠州灘海浜公園野球場建設に関しては、これまで県が県議会に提示し議論してきた取組は尊重したい。この問題解決は、野球場単体だけの課題というよりは、公園全体、まちづくりの観点からもどうあるべきかを検討したいと考えている。その場合には、県だけでなく浜松市や民間などの意見を聞き、それぞれの役割や費用負担などを明確にするため、新たな協議会の設置を考えている。またこのことに関しては、所管する県議会建設委員会に対してしっかり説明する場を設けたい。

 医師確保に関しては、知事選挙中に東部地区に新たな医科大学の誘致を公言したが、その後、実現が困難と判断し撤回した。県がこれまで取り組んできた、医学就学研修資金の活用と更なる拡充を進め、各医科大学の地域枠をさらに広げるなど、従来の取組を強化することで現実的に効果的な成果が得られるよう進めていく。
 令和8年以降は、これまでの県の取組により、本県への研修医が増える方向であり、その医師の卵がさらに成長し、本県に定着していただくための研修医制度を拡充していく予定だが、そのためには指導医の配置が重要であり、県内に唯一ある浜松医科大学にも協力を求めていく。

 その他にも、防災、産業振興、少子高齢化・人口減少対策等、様々な質疑がありました。今後、機会に触れ報告していきたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

県議会代表質問から知事の政治姿勢について

2024年06月26日 | 議会活動
令和6年6月26日(水)

 静岡県議会6月定例会の代表質問があり、各会派の代表が新知事に対して政治姿勢などを質しました。初日は私の所属する自民改革会議と知事与党といわれているふじのくに県民クラブがそれぞれ登壇しました。その質疑の中から、鈴木新知事が答弁した内容について触れます。なお、会派毎の答弁でなく、同様の質問に対して答弁したものは、まとめて表記します。

 知事の政治姿勢のうち知事が目指す県政のビジョンについては、「幸福度日本一」を実現するために、本県の各地維持にある魅力を活かして取り組んでいく。定例会冒頭で述べた知事の議案説明内で触れたとおり、5つの「経営」方針に基づき進めていく。
 行政経営は、企業経営に通じるものがあり。「経営」に対する5つの考え方を明らかにしたので、それに沿って取り組んでいく。

 知事選挙結果の受け止めについては、地域性の違いが明確になった。県内市町、県民の意見をよく聞いて県政を進めていく。各地域のポテンシャルを活かすと同時に、国との連携を積極的に強化していきたい。風通しのいい雰囲気が重要であり、県議会とのコミュニケーションに努め、「オール静岡」の取組に徹したい。

 人口減少対策は、県政の最重要課題と考えている。今後、社会減や自然減は避けられないので、これに適応した対応を進めていく。その対応内容は、①生産性の向上。②多様な人財の活用。③人口減少による社会全体の適正化である。

 次期総合計画の策定については、新知事が示した「幸福度日本一」の実現のため、既に県が取り組んでいる諸施策について、「経営」感覚とスピード感を持って柔軟に対応し「オール静岡」で取り組めるよう検討中である。今年度中に「経営方針」と「骨子案」を取りまとめ、来年度以降に具現化していく。

 行財政改革の推進では、財源不足が2年連続して500億円超となっている。これに対し、歳出の徹底したスリム化。現在取り組んでいる事業のスクラップアンドビルドに心掛け、将来への負担軽減を進めていく。ふるさと納税も積極的に活用する。また、市町についても行政経営研究会などを通じて県全体で取り組む。

 県庁組織の改編については、前知事が進めてきた知事直轄組織の政策推進局を中心に、当面は現行体制で進めていく。部局間の連携を強化し、時代の流れに柔軟に対応できる新たな組織を目指していきたい。

 副知事人事と東部・伊豆担当戦略監などの地域戦略人事は、副知事2人体制は当面維持する。今後、人事や役割について検討していく。東部・伊豆担当戦略監については、該当する地域の首長から様々な意見があり、早い時期に知事本人が各地に出向き、説明をした上で意見交換し、その結果を踏まえて最終判断をしたい。

 今回は政治姿勢を中心に触れましたが、知事はその他の質問にも答弁しているため、次回以降に報告していきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする