令和3年4月30日(金)
ゴールデンウィークが始まりました。新型コロナウイルス感染症は第4波を迎えた地域も増えており、この連休中に様々な防止策を講じて感染拡大にブレーキをかけることができるか、まさに正念場を迎えました。
静岡県では、少し前までは比較的感染症が落ち着いていたこともあり、県民を対象とした県内旅行による観光産業の支援が計画されています。
しかし、その後の感染状況は悪化しており、先週末開催された県の感染症対策を議論する専門家会議では、県内も感染状況が厳しくなることを指摘し、支援策を延期すべきという意見が出ています。県では実施の可否について、本日中に判断するとしています。
連休中の交通機関の混雑状況や予約状況は、昨年に比べ増加しているようですが、例年と比べればかなり少ないといいます。誰もが感染拡大を押さえ込みたいという願いが、連休中の行動に表れているともいえます。
さて、感染症の影響は海外でも同じですが、感染拡大防止策をとりながら、経済活動を推進するという動きも出ています。その一つに、トラベルバブルがあります。
トラベルバブルとは、地理的・経済等の分野で結びつきが強い国・地域同士において、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で海外旅行をする(近隣の域内旅行を対象)取り組みをいいます。同じバブル(泡)の中に包まれていると見なすことから、「トラベルバブル」と呼びます。
例えば、香港とシンガポール、オーストラリアとニュージーランド、台湾とパラオで今月から来月にかけて実施が始まることが発表されています。
本県の駐在事務所がある台湾からの報告によると、台湾とパラオ間のトラベルバブルは、4月1日に初めてツアーが催行されたということでした。
パラオツアーに参加するための防疫措置については、①過去6か月間に海外渡航歴がないこと。②過去2ヶ月間に、隔離措置または自主健康管理を受けていないこと。③過去3ヶ月間に、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出ていないこと。④出発日に桃園国際空港(台北にある主要空港)で受けるPCR検査で陽性反応がないことを上げています。
台湾における空港での対応では、出国に際し、旅客のPCR検査の実施(搭乗2時間前に検査結果判明)。旅客は検査結果が出るまで専用スペースで待機。入国の際は、オンラインで健康申告書を記入し、一般の入国者とは別の動線で検疫・入国審査。一般の入国者と異なる専用の免税品エリア・トイレを利用。預け荷物は消毒後、手荷物受領所に置かれる。旅行会社が手配した大型バスもしくはタクシーで帰宅が可能となっています。
なお、入国後は、通常は台湾入国後14日間、集中検疫所または防疫ホテルで隔離されますが、トラベルバブルでは不要です。その他、自主健康管理として約2週間が義務づけされます。
昨年、世界で感染が流行し始めたときにいち早く封じ込めに成功したという台湾ですが、その背景にはメリハリのきいた感染対策とそれに応じた経済活動が両輪で機能していることが分かります。