令和5年6月30日(金)
ヤングケアラーについて触れる機会が増えています。県では、ヤングケアラーの早期発見や支援を推進するため、個別の強化やピアサポート等の支援体制に取り組んでいます。
ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものことをいいます。これが常態化するとその子どもにとって責任や負担の重さにより、学業や友人関係に影響が出てしまうことがあり、社会問題として取り上げられています。
県の資料によれば、次のようなケースを紹介しています。
●障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている。
●家族に代わり、幼い兄弟の世話をしている。
●障がいや病気のある兄弟の世話や見守りをしている。
●目の離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている。
●日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている。
●家計を支えるために労働をして障がいや病気のある家族を助けている。
●アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している。
●がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている。
●障がいや病気のある家族の身の回りの世話をしている。
●障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている。
などを事例としてあげています。
この事例を見て、家族の手伝い・手助けをすることは「ふつうのこと」とも思うかもしれませんが、学校生活に影響が出たり、こころやからだに不調を感じるほどの重い負荷がかかっている場合は、少し注意が必要としています。
周囲がふつうのことと捉えがちで、本人もそれがふつうと感じてしまうことは十分にあり得ます。そのことの積み重ねが子どもにとって負担と感じても、周囲にいえないことが悪循環に陥ります。特に子どものことですから、周囲の大人が気付いてケアをすることが重要と考えます。そのためには、ヤングケアラーの存在を啓発していくところから始めなくてはならないと思います。ふつうとふつうではないの線引きをどうするか、まずはそのところから始めていく必要があります。