令和6年2月28日(水)
令和5年度の最終定例会となる、静岡県議会2月定例会の本会議が再開され、昨日から各会派の代表質問が始まりました。
6月定例会、9月定例会、12月定例会では、知事の不適切発言等を巡り政治姿勢に対する質問が続き、特に6月定例会では知事の不信任決議案が提出されましたが、可決に必要な過半数に1票届かず議案は通りませんでした。以降、どの定例会においても知事に対する厳しい追及は続いています。
(代表質問の様子)
最初に登壇した自民改革会議の代表質問では、知事の政治姿勢について4つの質問がありました。①1月4日開催の中部9県1市との災害時等応援協定に係る連絡会議(リモート会議)への対応。②財政状況に対する認識と令和6年度当初予算編成。③リニア中央新幹線の静岡工区をめぐる諸課題への対応。④国及び他の都道府県との関係についてです。
①は、1月4日に開催された能登半島地震に関する中部地区9県知事等のリモート会議に本県知事が欠席し、知事は県内マスコミ主催の新年賀詞交歓会に出席し、代理として危機管理担当者を出席させたことで、危機管理上の問題として質しています。
知事の答弁では、事前に石川県知事と直接電話し、こちらの意向は伝えてある。連絡会議の趣旨は地震による被害状況の確認や各県の対応に関する情報共有で、代理出席も認められていた。新年のつどいへの出席は、県のトップが集まる会合であり、その場で本県の対応状況を報告し、被災地支援等を呼びかけることも重要な役割と考えていると答弁しています。
これに対し質問者は、災害現場は混乱しており、直接連絡を取るなどの行動は、相手方への負担になると指摘しています。
③は、リニア中央新幹線静岡工区について国の有識者会議が終結しその結果を踏まえての本県の認識や今後の対応について。事業者であるJR東海と本県の議論の進捗と課題などについて知事の認識を質しました。
答弁では、国土交通省の鉄道局長が来庁された際、JR東海が行う南アルプストンネル工事に係る水資源や環境の保全対策を継続的にモニタリングする体制を新たに検討していることに触れ、国が積極的に関与する姿勢を明確にしたことを高く評価している。この体制には、本県副知事がオブザーバーとして参加する方向で、今後具体的な説明を十分に聞いた上で、県専門部会の議論等を踏まえ、リニア工事を巡る課題解決につながるよう、県として適切に関与していく。国に対しては、客観的・中立的立場から、工事着工前を含めた状況把握やモニタリング手法等について検討していただきたい。県と国の認識の違いについて、議論すべき課題が残されていることは一致している。ただ、生物多様性については、県が提出した意見書が反映されていない等、項目によっては両者の認識が異なっていると答弁しました。
④は、県は国や他の都道府県とも連携し、県政を進めていくことも重要でありますが、①や③のような課題を抱える本県にとって、その連携がうまくいっているのか、課題はないか質したものでした。
答弁では、地方創生やポスト東京時代などに鑑み、本県の将来像は地域がイニシャチブを取って変革の主体となるべき時代を迎えている。知事は多極分散型の国土形成を目指し、都道府県を解消し、内政を所管する全省庁の財源、権限、人材を一括して地方に移すことが理想で、新たな地域分けを構想していると説明しました。
①や③などの課題がある中、国や他の都道府県との連携などについては質問者とはかみ合わない答弁だったように感じました。
このほか、「南海トラフ巨大地震への対応」、「強靱な県土づくり」、「熱海土石流災害に係る行政対応に関する再検証」、「県民生活や本県の産業を支える人材の確保(医療、障害福祉、産業人材等)」、「カーボンニュートラル社会の実現に向けた中小企業等の脱炭素経営への転換」、「観光分野における人手不足対策」、「富士山静岡空港の完全復活への取組」、「大井川鐵道本線の今後の在り方」、「公民連携による不登校対策の推進」、「令和6年の本県警察の取組」などに関し、担当部局長等を質していました。
代表質問は質問と答弁を合わせ90分の時間制限を設けています。特に質問者は質問時間45分(再々質問まで含め)を超えることができず、この中で当局を質していきます。ここでのやりとりが不十分であることもあり、この後に続く他の一般質問者に引き継がれることもあります。