令和7年4月17日(木)
先頃発足した「富士市の地域医療を考える市民の会」が勉強会を開催し、一市民として参加してきました。
人口10万人当たりの医師数は、都道府県別で静岡県は39位、静岡県内では8地域ある医療圏の中で富士医療圏(富士市・富士宮市)は、6位で医師少数区域と認定されています。
救急医療の判断基準として630(30分以内に受け入れ先の医療機関が6箇所以内で見つかるかどうか)を満たしていないことも大きな課題となっています。
富士市では令和13年度を目標に、今ある市立中央病院を建て直す計画ですが、先ほど触れたような医療環境の改善につながるか、市民も関心を持って見つめています。




その中で、2年ほど前には富士市議会では有志による医療研究会が発足し、県庁にも訪れ、県担当者から圏域の医療事情や県の医療施策および医師確保のための支援策等について学んでいます。
今回は、市民が主催する「富士市の地域医療を考える市民の会」が発足し、市民の命を守る医療について関心を高め、医療環境の改善を目指して取り組んでいくことになりました。
私は、令和5年の市議会議員選挙の際、各候補者が市立中央病院の建て替えを公約に盛り込でいることが気になり、選挙後に、当選された市議の皆さんに現状の課題と今後の進め方についてその認識を尋ねました。
その時には、立地を優先し、現在の医療事情や課題について十分な認識がなく、それを踏まえた新病院建設へのコンセプトが見えないことに危機感を覚え、市の担当者や県の関連部署、市医師会などにも情報を求め動き回った経緯があります。
以来、機会ある毎にこの問題に対する議論を深め、特に県がどのように関わっていくか。県そのものが抱える医師確保と偏在対策について公の場で議論しています。
今回の市民の会の発足は、医療サービスを受ける受益者としての市民が、この大きな課題の現状を理解し、市民の立場でどのような行動を起こすべきか議論を始めたもので、市民の声が地域医療のあるべき姿を示していくことは、とても重要なことと認識しました。
役員には、現役の理学療法士や元市立中央病院で看護師や医療人材確保に関わった方など、医療の現場をよく知る方が名を連ねています。事務方は、医療に精通した立場ではないものの、地域医療に関心のある方々も参加しています。
勉強会では、地域医療や救急体制の現状について説明があり、その後、参加者との質疑応答が行われました。
主催者側はこの会の進め方として、富士市の医療を市民目線で考える(主役は市民)を前提に、「市民ができることと、できないこと」を明確にしています。「できること」は、救急車の適正利用、医療・保健・福祉及び介護などに関する情報共有、予防を含めた健康の保持増進をあげています。
「できないこと」は、市民が直接行うことは困難だが協働できることとして、医師数(医療従事者数)に関することと医療体制と医療連携に関することをあげています。
さらに、市民代表である市議会の動きにも期待し注視していることも付け加えました。
質問では、富士圏域の必要病床数に関し、高度急性期・急性期病床は過剰、回復区、慢性期病床は不足で病床数全体は不足していることに関し、市民感覚と大きなズレがありその理由を質すものがありました。
その他、医師数が不足している背景についてや医科大学が本県内に1校しかない現状と影響について。3次救急が富士圏域にない理由。救急車の適正利用についてなどに関心が高まっていました。
質問の多くは、「市民ができないこと」に集中していたように感じました。また、富士医療圏としての捉え方よりも、富士市内で解決しようとする思いも感じられ、冨士医療圏全体や隣接医療圏などとの連携について考える機会も必要のように感じられました。
今回の勉強会を通じて、市民が何を課題として、何を求めているか、大変参考になりました。
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