鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

里山を守る旧富士川地区(富士市)住民の熱意

2013年04月29日 | 議会活動

平成25年4月29日(月)

 今日は「昭和の日」の祝日で、「春の県民森づくり大作戦」と銘打って静岡県内の各地で森づくりイベントが開催されています。

 

 私は普段からお世話になっている、旧富士川地区住民の皆さんが中心になって構成する「NPO鎮守の森を育てる会」が主催し、「NPO富士川っ子の会」と「ふるさとを楽しくする会富士川」が共催する「春の摘み草ハイク」と、吉津地区明見神社付近愛宕沢に架かる「しろうま橋」の竣工渡り初め式に参加してきました。

 二つのイベントですが、タイトルに書きましたように里山を守る旧富士川地区住民が活動する同一エリア内で行われた関連イベントとなります。

 明見神社については次を参照 http://iiduna.blog49.fc2.com/blog-entry-242.html

 

 こぶしの里は、東名高速道路富士川サービスエリアの西方の山の斜面に位置します。サービスエリアのすぐ脇には「吉津公園」とその敷地に立つ公会堂があり、交流イベントはここが会場になることが多いです。また、この山がすなわち里山としての活動エリアの入口で、この公園がベースとなっています。

 こぶしの里までは林道を登って徒歩で約30分、途中から砂防ダムの背面をまわり清流の流れる林にたどり着きます。私は遅れて行ったので現地には既に多くの子どもから大人まで、家族づれ含め30人ほどが春を満喫していました。沿道には春の草花をはじめ、ゼンマイやワラビ、タケノコのほか食べられる野草を主催者の野草に詳しい方々から説明を受けながら、翌年もまた採れるようにと採取における注意を聞きながら摘んでいました。

(このような立派な看板が設置されている)

(こぶしの木。既に花のシーズンは終わっている。)

(林内には自生するシャガの群落がある)

(白くて可憐なニリンソウ)

(アヤメ)

(アケビの花)

(こぶしの里を進む参加者)

(林の中にはこのような清流も流れている。サワガニもいるようだ。)

 この行事には2名の市職員(女性)も参加しており、感想を求めたところ、「人のことが気にならないくらい楽しいところ」とまわりを気遣いながらの回答でしたが、主催者から「自分たちが楽しめない行事を人に勧めることはできない。それが会の進め方。」との考え方を披露。私もお世話になって4年目ですが、組織運営については改めて単に熱意だけでなく、永く無理なく続けるための基本はここにあることを実感しました。

 

 山を下りる途中には、「しろうま橋」の竣工渡り初め式の会場があります。

 主催者である「NPO鎮守の森を育てる会」は平成13年に発足し、吉津地区の明見神社周辺の里山を整備し守ってきた団体です。会員年齢は還暦を過ぎた方がほとんどですが、子どもの頃の遊び場として、親しんできたこの里山を後世に残したいとの想いで活動を続けています。

(白馬の杜を育てる宣言。活動の礎が記されている)

 近くの愛宕沢には発足当時に設置した間伐材を利用した橋が架かっていました。しかし、老朽化が進みこのままでは危険なため、2年前から新たな橋の設置に取りかかってきました。全長は10mくらいでしょうか。材料は腐食しにくいものを選び、技術も安全性を確保した工法で、2年の歳月がかかった理由には、材料・工法と何よりも設置資金の捻出にご苦労されたようです。そして、このほど完成にこぎ着け竣工式と渡り初めを迎えることになりました。

(しろうま橋のたもとに建つ東屋)

(式典に集まった皆さん)

(代表者によるテープカット)

(いよいよ渡り初め)

(橋の反対側から)

 特質することは、地域住民の手でやり遂げたことでしょう。通常このような場合、行政に期待する部分がほとんどのケースが多いのではないかと思うのですが、そこに頼ることなく住民の熱意で完成させました。

 完成した橋は、吊り橋で見栄えもよく里山の中にとけ込んでいます。完成後関係者との話の中では、「次の世代に向け、新たな橋渡しが実現できた」ことに大きな満足を感じていたようでした。末永く里山を守って欲しいとの想いが込められています。

 

 式典には、主催者のほか、市行政関係者、市議会議員、町内会長等自治会役員、各種団体の皆様、一般の皆様や子どもたちも参加し、私も一言ご挨拶を申し上げさせていただきました。

 

 この地域には、富士市を代表するまちづくりの手本があります。行政関係者も特に新人のOJTとして参加させていただくような、評価の高い活動を行っています。先の話を引用するならば「自らが楽しめるまちづくり」ということなのでしょう。

 今年は、県や市のリーダーを選ぶ年であり、国政も政権の在りように大きな方向性が見出せるかどうかという正念場の年となります。政治も行政も、国も地方もこの地域における住民の取り組みに学ぶものがあるように思えます。

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平成25年度静岡県戦没者戦死者春季追悼式

2013年04月27日 | 議会活動

平成25年4月28日(土)

 静岡県内の戦没者および戦死者の追悼式が静岡市にある慰霊標前で執り行われました。この式典は年2回、春と秋に行われます。

 主催は公益財団法人静霊奉賛会で、名誉会長は静岡県知事です。参加者は、県内各地の戦没者(戦争に参加した方々)遺族会と戦災(戦争に巻き込まれた市民の方々)遺族会をはじめ、県議会議長、県議会議員、国会議員、市・町長ほか県・市職員、各団体代表の皆様です。

(式典が執り行われた祭壇) 

 昨年春、秋は雨模様の肌寒い追悼式でしたが、今日は快晴で暖かな一日でした。私の地元遺族会の皆様もバスを仕立てて参加されたそうで、多くの皆様と慰霊についてお話を聞かせていただきました。皆さんは自らの高齢化により、戦争の悲惨さや平和の大切さ、ありがたさをいつまで伝えていけるか不安を感じています。風化させてはいけません。

(県内各地から参加した遺族会の皆様)

 遺族代表の挨拶でも、一家の内、父と兄弟5人の内4人が亡くなったこと、その後のご苦労話に涙をこらえて聞かせていただきました。

(遺族代表の挨拶には平和のありがたさがにじみ出ています)

 遺族会としては、今後、子どもや孫に永く平和の大切さを引継ための活動に力を注いでいくそうです。この問題は戦争の犠牲者、遺族だけで考えることでしょうか。私たちが今の平和を享受できるのは多くの犠牲者がいたからで、遺族の皆様と同じ気持ちで後世に語り継いでいかなければいけないと思います。そのためには、今から高齢化した方々の体験談を積極的に聞く機会を設けて、共有できるよう努めていきたいと思います。

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浜松市天竜区春野町地滑り現場視察

2013年04月27日 | 議会活動

平成25年4月26日(金)

 浜松市の山間部、春野町杉地内の門島地滑り現場を視察してきました。視察したのは、静岡県議会治山砂防事業推進議員連盟所属議員10名と県交通基盤部森林保全課及び砂防課の職員です。

 

 既にマスコミで毎日報道されていますので、この内容について承知されている方も多いと思います。現場はJR浜松駅から北東に車で約1時間40分の距離にある山間部で、天竜川の上流、気田川のさらに上流の杉川が流れる、天竜杉を生産し茶畑が広がる地域です。

 

 今までの経緯を説明しますと、3月21日に住民から崩壊上部にある茶畑内に亀裂があるのを発見。25日より県が観測を開始しました。4月19日には警戒レベルの移動量である1日に10ミリを観測したために、地域住民に状況報告。さらに、21日23時50分には非難レベルである1時間に4ミリを観測し、危険地域の6世帯24名に避難勧告を発令し、22日の夜半1時に避難が完了。その翌日23日に斜面崩落が発生しました。崩壊規模は幅約80m、高さ約90mほどで土砂量は約5万立方メートルとされています。この土砂は杉川をせき止めてしまいました。

(崩落場所は浜松市北東部の50km以上入った山間部)

 

(崩落初期)

(2回目の崩落)

(専門家の調査の様子)

(杉川が崩落による土砂でせき止められ仮の排水路を設置した)

(仮排水路を流れる杉川の水)

 その後も崩落は続き、25日夜10時過ぎには川上側斜面が、26日夜にも川下側斜面で大きな崩落が発生しました。私たちが視察中にも崩落を見ることができ、不気味な音を立てて土砂とともに大きな落石も確認できました。

 現地では、せき止めてしまった杉川の流れを確保するために、幅20m、延長230mの臨時水路を確保。最上部の茶畑にはさらに亀裂が広がっているため、伸縮計による移動量の監視強化、ボーリングによる滑り面の確認、移動杭による平面的な移動量の監視強化などが24時間行われています。

(崩壊が杉川まで達してせき止めた)

(右側が仮排水路)

 茶畑の背後には二軒の民家があり、今後の推移が大変気になるところです。また、崩壊現場の下部には四軒の民家があり、大規模崩落の可能性も否定できないことから、立入禁止となっています。

(崩壊地の下にある民家。お茶の葉も刈り時となったが放置されている)

(付近は砂防指定地で地滑りが起きやすい地域) 

 この崩落現場は、国の災害関連地滑り事業に認定されるようですが、これに伴い国の補助が受けられます。しかし、県の負担もあり得るということで議会としての支援も検討していかねばなりません。

(崩壊地を背後に県担当者から説明を受ける)

(説明を受けている最中、新たな崩落が発生した)

(国土交通省から派遣された現場を照らす照明車)

(報道陣も多く24時間体制)

 現在崩落が続いているため、これが止まるまでは人が近づけず対応がとれません。とはいえ、手をこまねいているわけにはいきませんので、25日には無線操縦のへりを飛ばし、空中撮影や測量を行ったそうです。

(空撮用の無線操縦へり。県が依頼したへりではなさそう)

 長期化が予想されるために、土砂で埋まった河川のバイパス工事や避難住民のための仮設住宅建設の検討に入りました。

 非難されている住民の皆様と直接意見交換する機会はありませんでしたが、県関係者によれば、健康状態は良好とのこと。しかし、長期化になれば様々な課題もあり得ることで、県・市行政も注視していかねばなりません。そうなれば議会としての支援も必要となります。

 

 県担当者の説明の中で、崩壊後の水路確保や土木技術が必要な箇所への工事などが短期間で実現することができましたが、地元土建工事事業者の協力がなくてはなし得なかったと話していました。しかし、今回はたまたまうまくいったものの、ここ数年の間にこの技術を持った各地の地元業者が減少していることに、大きな懸念を抱いているとのことでした。

 防災対策や公共インフラの寿命到来による延命化・更新などが迫っている中、土木技術者や企業の確保は、政策課題の一つとして重要であることを再認識しました。

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岡山県奈義町から学ぶ

2013年04月25日 | 議会活動

平成25年4月19日(金)

 都市部から離れた山間地では、人口減少により地域社会が衰退しているため、これを留めるために、外部からの移住や住んでいる人たちが流出しないように対策を講じる中山間地施策の実態を学ぶために、岡山県奈義町を訪問しました。

 

 静岡県も伊豆半島や政令市である静岡市、浜松市の山間部でも深刻な問題として対策を講じています。

 静岡県では「ふじのくに移住・定住促進戦略」があり、その概要は次の通りです。人口減少社会は平成17年を基準として30年後にはマイナス14.5%と予想されています。それによる県内への影響は、地域社会の活力減退(集落機能低下)が危惧されており、交流人口、移住・定住の拡大により地域社会の活性化を図ることが急務となっています。

 移住・定住とは都市住民等が滞在・居住するために生活拠点を移動させることとされており、そのための課題は次の4点があります。(1)人口減少の考え方の格差、(2)受け入れ体制の整備不足、(3)情報発信が不十分、(4)プロモーション活動が不十分です。

 対策としては(1)に関し、パートナーシップ推進会議の開催や「移住・定住促進セミナー」を実施し全県的に取り組む。(2)については、一元的な相談体制の確立のための「移住・定住センター」の開設や住まい情報の収集等を行う管理体制としての「県、市町空き家バンク」の設置、地域外部の人材活用などを行う。(3)に関しては、県が一括して情報を総合的に発信し、住宅・就業情報を充実させる。(4)に関しては、移住希望者への積極的誘致を進めるため、首都圏へのプロモーション・フェア、相談会の実施。市町が行う誘致策への支援や滞在体験ツアーの実施などをあげています。

 

 岡山県も基本的には同様な施策で進めていると考え、県の施策が現場の市町でどのように評価され、どのような課題を抱えているか検証するために奈義町を訪問しました。

(奈義町庁舎)

(奈義町 岸本副町長と)

(説明いただいた奈義町総務課の担当者の皆様)

 

 奈義町は岡山県北部の中山間地で、人口が7,000人弱の自治体です。第一次産業のほか町営の工業団地もあり、14企業が進出しています。また自衛隊の駐屯地もあり、財政的な支援もあって地域の活性化に寄与しています。しかし、町担当者の説明からは、人口も減少傾向であり企業も景気の回復が見えておらず、行政運営も将来を見据えたときに課題が少なくないようです。

 このような背景の中、今回の視察先に選んだ理由として、25年以上も前から他地域から移り住み、山間部で木材を利用した工房(夢咲村工房)を運営する藤原夫妻とその家族により、新しい工芸文化を全国に発信し、来訪者も全国規模であることから、中山間地活性化の受け皿としての興味がありました。

 また、国内外に大きなアニメ文化を発信している漫画家、岸本斉史氏(代表作は「NARUTO」)の故郷であり、このようなソフトな受け皿が地域活性化にどのように影響しているかを確認するために訪問先としたものです。

 

 どの県も財政的には厳しく財源確保には苦慮しています。その結果、県内市町村の支援も自ずと制限があるのは仕方のないことです。

 この分野における岡山県の支援により奈義町が実施した施策は、ハード・ソフト各一つずつ。ハードは農村歌舞伎の一つ「横仙歌舞伎」の舞台設置です。この歌舞伎は昔からこの地域に伝わる、子ども達も小さい頃から習うという地域の伝統文化の代表的なものです。さらに周辺地域にも存在することから、広域的な交流のきっかけにもなり、中山間地施策の一つとして認定されました。

(横仙歌舞伎のポスター)

 ソフトは地域防災(自主防災)組織の整備です。防災先進地の静岡県と比べるべきではないでしょうが、昨年度、ようやく整備が整ったそうです。

 今まで行政主導でまちづくりを進めてきたこともあり、地域活性化の施策について住民参加を促しても、町民からの提案が少ないことが悩みであることも聞きました。このまちだけが特別なことでなく、よくある話です。

 工業団地は雇用の受け皿ではありますが、経営環境が厳しいことや誘致合戦の影響もあり、残った区画の対応に苦慮しているようです。

 自衛隊の存在は隊員およびその家族の約6割が町内に居住し、また交付金等で町の活性化に貢献していますが、静岡県内の自衛隊施設の存在する市町の様子を想定していたので、それと比較すると自衛隊のある町だから必ずしも潤っているわけではありませんでした。

 

 夢咲村の藤原夫妻は、木工、陶芸、染色などの工芸品で全国にもそのファンが多く、工房には県内外から作品づくりに参加する人もいるようで、地域の活性化に貢献されています。このような芸術家達が移り住み、それをきっかけとして内外から人の往来が増えることも、地域の活性化に役立っています。

(夢咲村工房の案内)

 

(夢咲村を主宰する藤原ご夫妻)

(地場の木材を使ったフクロウ)

(奈義町のマスコット「奈義っ子」も藤原さんの作品)

(娘さんが手がける陶芸の作品)

 山の駅は那岐山の麓に位置し、広大なパノラマが展開し津山市から奈義町あたりを眺望できます。地元の食材を使った食品などの即売の他、コテージをいくつか所有し、滞在型の来訪者にも対応している町営施設です。幹線道路から少し奥に入ったところにあるせいか人の入りは多くありませんでしたが、地域住民のイベント会場でもあり有効活用されています。

(那岐山麓山野駅)

(景色の素晴らしいロケーションと宿泊施設)

(奈義の里「NARUTO」祭りのポスター) 

 アニメ「NARUTO」の経済効果に対する期待は大きいと感じました。まず岡山駅から津山駅までの沿線においては、JR津山線のラッピング電車によるPR、アニメをテーマにしたイベントの開催など5月の連休あたりにかけて活発化します。国のクールジャパン戦略のローカル版がどのような効果を上げるのか、関心を寄せています。

(JR津山線を走る「NARUTO」ラッピング電車。岡山駅で撮影) 

 関係者の皆様には大変お世話になりましたが、その甲斐あってか得たものが大きい訪問でした。やはり、街を元気にするのは人です。素晴らしい魅力のある人が住んでいる地域は衰退しません。

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子宮頸がん予防対策講演会

2013年04月17日 | 議会活動

平成25年4月16日(火)

 静岡市内で開催された、子宮頸がん制圧をめざす専門家会議主催の「子宮頸がん予防対策、成功事例に学ぶ」の講演会を聴講してきました。

 多少の予備知識は持っていたものの、改めて正しい情報に基づく講演内容は大変勉強になり、今後の議員活動に活かしていきたいと思います。

(講演の次第)

(会場の様子)

 

 講演に先立ち、主催者から「子宮頸がん自治体調査結果2012報告」と題し、様々なデータを示しながら各自治体の取り組みについて現状報告がありました。取り組み状況は同じ県内でもかなりの差があることが判り、少なくとも県内自治体の格差解消に向けた支援策など、県の果たす役割は大きいと感じました。

(自治体調査報告を行う主催者)

(調査概要)

(国別の子宮頸がん検診の受診率)

(日本における20~30歳女性の癌発生率)

(子宮頸がん予防の鍵)

(中1~高二のワクチン接種率)

 次に、「子宮頸がん検診の現状と今後の方向性について」と題し、自治医科大学附属さいたま医療センター産婦人科教授の今野良先生の講演を聴きました。先生は主催者である専門家会議の実行委員長でもあります。講演内容からいくつかを報告します。

(講師の今野良先生)

 子宮頸がんは日本では毎年約15,000人が発症しその内3,500人程度が亡くなっています。上皮内癌と呼ばれる初期の癌発症年齢は平均年齢が35歳とまさに働き盛り。初期癌では自覚症状がないこともあります。癌検診を受ければ、前癌病変という癌になる前の段階で発見できることが特徴で、その多くは自然治癒します。仮に初期癌であったとしても治療でほぼ100%完治します。この場合、子宮を温存しその後妊娠・出産も可能だそうです。

 子宮頸がんは子宮の入口(頸部)にできる癌で女性特有の病気ということになります。発症の原因は、ヒトパピローマウィルス(HPV)というウィルスが感染することによって起きる病気です。HPVが原因で起きる癌は、子宮頸がんのほかに、肛門癌、陰茎・膣・外陰癌、中咽頭癌等があります。これから判るように、HPVは男性が癌になる原因の一つでもあるわけです。このことは全く意識の外でした。

 HPVへの感染は、性交経験のある女性の80%は生涯に一度は感染するありふれたウィルスです。子宮頸がんは性交経験のある全ての女性に起こりうる病気です。また、HPVに感染しても約90%は免疫力で自然に治る一過性感染です。

 子宮頸がんの検診は科学的な根拠により年齢で検査方法が確立されています。またワクチンの投与により効果的な予防も可能です。その組み合わせは合理的にかつ科学的な根拠により、財政出動を伴う行政にとっても、少ない予算で最大の効果を生み出す内容となっています。ワクチン効果の持続性や投与間隔についても、様々な根拠が示され不安は払拭されています。

 ワクチンは40歳までが投与期間、細胞診といわれる検診は20歳から30歳まで、30歳以上は細胞診とHPV検査の併用で検診が成立します。様々な実験結果や症例などをもとに統計的な手法を用いてこのような予防・検査体制が確立されています。

 子宮頸がんワクチンの副反応について様々な報道がありましたが、その原因はワクチンそのものでなく、治療の過程で行われる注射などによるしびれなどが原因であることも説明されました。

 このような状況が正しく国民に伝わっているか、検診を受けない人への呼びかけは自治体の役割でもあり、自治体自身の理解も深めていかねばなりません。

 

<参考>

 子宮頸がん征圧をめざす専門家会議については下記へ

http://www.cczeropro.jp/index.html

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