何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

モチベーションカンパニー

2008-05-10 12:37:25 | 薬局経営
「モチベーションカンパニー 組織と個人の再生をめざすモチベーションエンジニアリングのすべて 小笹芳央・著、日本能率協会マネジメントセンター、2002年12月25日

p.20 そもそも組織は人の集合体である。従業員はあくまで組織の目標を達成するための構成員であるのと同時に、各々が個人的な目的あるいは欲求を持って働いている。そこには宿命的に「組織も目的達成」と「個人の欲求充足」との間で葛藤が生じる。いいかえれば「組織としてのやるべきこと」と「各人のやりたいこと」との間で多かれ少なかれ衝突が生じるのだ。この衝突を解消するために、いかに個々人のモチベーションを触発し、事業戦略の実現にリンクさせるか。さらにいえば、事業戦略そのものを、 いかに個々人のモチベーションを触発する中で組み上げていくか。
 人材の流動化が進行する今、企業は「働く場」としての「従業員満足」を問われる時代に突入している。従業員はその企業で働くに値する「価値」を感じなくなった時、あっさりとその企業から立ち去り、場合によっては競合企業への転職を決意する。事業戦略の実行に向けて従業員のモチベーションを刺激できない企業は、市場での競争力を失うだけでなく、やがては大量の人材流出という非常事態に直面することになる。

p.26 事業案が企業風土とかみあわなければ、戦略が失敗に終わる可能性が高い。それまで売上至上主義で、短期的なゴールをめざして社員全員が競争してきた会社で、ある日突然、顧客との長期的信頼関係が重要で、チームワークを必要とする事業に手を染めても、失敗することは自明である。

p.46-7 戦略と人事は、いいかえれば従業員のモチベーションは、相互に補完関係にあるということである。個人を無視して戦略を立て、強制的にそれを実行しようとしても、最大の効果を上げることができない。バラバラな方向をみている個人の指向を無理やり同じ方向に向かせるのではなく、戦略そのものが個人個人に納得感を持って受け入れられるようにコミュニケートしていくのがベストである。もし、皆がバラバラの方向を向いているのであれば、戦略を構築するより前に、従業員全員が共通して持てるビジョンを醸成し、意識のインフラづくりを急がなければならない。

p.51-2 「従業員が組織に提供する貢献活動」と「組織が従業員に提供する報酬」の価値交換バランスがよければ、モチベーションクライシスは起こらない。注意しなければならないのは、ここでいう「報酬」は「金銭的報酬」を意味するものではない。従業員が魅力的と感じるモノやコトすべてを包括する「広義の報酬」だととらえなければならない。

p.70 新卒や中途採用の市場において、応募が殺到する企業がある一方、応募がまったくない企業もある。「食べるため」という単純な目的で仕事を探す人が減少し、多くの人が「仕事のやりがい」、「スキルの向上」など、厳しい視点で企業をみる。採用という入り口の段階だけでなく、企業は従業員に対し、そこで働く魅力を常に提供し続けなければ、「その会社に居続ける」という選択肢を捨て、社外に自らの新しいステージを探すだろう。

p.140-1 日本企業に「戦略至上主義」がはびこり、多くの企業が戦略によって人事施策を決定づけ、個人の目標は戦略を分解したものになっていた。従業員の指向、つまり「やりたいこと」を無視して、「やるべきこと」を明らかにすることに、すべての能力を注いできた。そして、結果を重視する「戦略至上主義」のもとでなされるマネジメントは、売上や利益の極大化を図るため、その会社に長い時間かかって醸成された「風土」を無視した戦略がとられることも少なくなかった。それらがもたらしたものは、従業員のモチベーションの急速な低下である。

p.234-5 株主が短期的な利益を追求することと、企業の利益の源泉である顧客や従業員の満足度を向上させることが、果たして同じ時間軸で両立するのだろうか。
 企業の経営活動の主体は、外部環境や内部環境を熟知した経営者であり、士気高い従業員であり、経営の安定に寄与してきた取引先であろう。毎期毎期の経営成果のみを追求する株主が主体となるには限界があるのである。

p.237 過度な株主中心主義経営は早晩見直しを迫られることになるだろう。組織が人の集まりである以上、優秀な人材こそ組織の未来を支える宝であり、成長の根源であるならば、企業を取り巻く環境の中で最も重視されるべきは、「現在の従業員」および「未来の従業員」である。

p.248 もともそ組織は、多様な価値観や能力を持つ個人の集合体である。そこで例外なく、「組織としてのやるべきこと」と「各人のやりたいこと」の衝突が起こる。その衝突の緩衝材の役割を果たしてきたのが、金銭や地位といった旧来型の報酬であった。
 今ではそれらの報酬の威力は低下し、多くの企業がモチベーションクライシスに陥っている。昨今の厳しい経済環境の中、各企業で行われている改革も成否を握るのは、つまるところ顧客接点を担う従業員のモチベーションである。企業としての「やるべきこと」だけを強調し、制裁力を背景に組織にとって望ましい行動を強要するだけでは、変革は途中で頓挫し、失敗しているケースも少なくない。変革にかかわる一人ひとりの「変わりたい」や「成長したい」、あるいは「貢献したい」という気持ちを上手に引き出さない限り、経営者が描いたプランも机上の空論で終わるのだ。
 「組織としてのやるべきこと=組織の目標達成」と「各人のやりたいこと=個人の欲求充足」の同時実現がされている企業こそ、究極のモチベーションカンパニーである。

 組織の事業の発展と、個人の自己実現とは両立、あるいは融合させていく必要がある。企業だから、企業の論理に従うのが当然だ、はもはや受け入れられないし、独裁に映るだろう。“苦渋の決断”でどちらかを取るということでもなかろう。
 その方法は、一見二律背反するようなものが同じ方向のベクトルとして力を相加させるような考え方を取ることによって、浮かび上がってくるだろう。


p.249-50 我々は「労働は苦役である」というパラダイムに長い間慣れ親しんできた。「労働は人間が神から与えられた罰である」と。
 我々は、労働、つまり働く時間は自分の時間を切り売りして金を稼ぐことであり、その対極に遊ぶ時間を置くことで両者を完全に区別するという考え方に支配されてきたように見える。
 「遊」、「学」、「働」の時間と空間を完全に分離することで、ある意味での効率を追求してきたのである。

p.250 質の高い仕事は「やらされ感」や「時間の切り売り」という精神性からは生まれるものではなく、「遊」、「学」、「働」の融合状態から生まれることの方が圧倒的に高い。
 これからの企業経営は「働いている=利益に貢献している」し、「遊びのようでもある=夢中になっている」し、「そこから自らを成長させる=自己の価値向上を実感する」ような時間と空間を従業員に提供することが求められる。

 ひらたく言えば、これらが満たされることで、仕事が楽しくなるに違いない。とかく「遊」の部分が、仕事とはかけ離れてしまうとか、個人の感性が上層部には理解できず、無関係のことをやっているように見えたり、ムダをしているようにしか思えないことが多い。それは上司の感性が鈍かったり、何をチャレンジしているのか、試行しているのか、コミュニケーションが不足しているのだろう。上司の判断や想いが、すべて正しいかったり、組織の常識とみなされるのではないのだ。
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薬剤師の自覚と品格

2008-05-10 01:02:49 | 薬局経営
 日経DI5月号のp.17に、『経験や知識よりも大事な薬剤師の「自覚」と「品格」』というコラムが掲載された。

 株式会社による病院経営など、日本の医療制度に市場主義を導入すべきかどうかという議論が提起されて久しい。では、そもそも株式会社による経営が認められている薬局のあり方は、どう考えたらよいのだろうか。患者一人ひとりに奉仕する気構えを優先させるのか、それとも可能な限り多くの患者を短時間でさばくというように、経営効率を第一に考えるのか。(中略)

 後期高齢者(長寿)医療制度がスタートし、これからますます必要とされる「患者中心の医療」に参画していくには、経営効率が悪いとされる在宅医療分野など、“精神主義”でなければ乗り越えられない領域にも踏み込まざるを得なくなる。そしてそれは、経営効率至上主義の考え方とは相いれないものなのである。

 もし薬局が、患者のニーズに正対せず、処方せんをさばくだけの業務に終始するようであれば、近い将来、薬局や薬剤師の存在意義が問われるようになることは間違いない。「医療提供施設」である薬局は、経営効率一辺倒の姿勢を貫くことはできないし、そうすべきでもない。それを担保するのが薬剤師としての「自覚」と「品格」ではなかろうか。これらは経験や知識よりも、よほど重要な薬剤師としての資質にほかならないと筆者は考えている。

 
 薬局における生産性の向上の意を曲解して、経営効率を上げることだと考えていることがしばしばチェーン薬局を中心に見られている。紛れもなく売上至上主義なのだが、ストレートに言うのをはばかるのか、言い換えていることにすぎない。

 一方でいくら「医療提供施設」として「患者の立場に立って」業務を展開すると言っていても、「医療提供施設」を基盤において薬局を運営することの真意を汲み取れないないと、お題目に掲げているだけのことだ。

 経費削減や効率化は内部に向けたスリム化策だ。患者は一人ひとり違う。たとえ同じ処方で同じ薬を飲んでいたとしてもだ。患者背景が異なれば、服薬管理の要点は変わってくるし、時間の経過とともに観点も動いていく。
 ファストフード店のように、一律に定型的な文句で短時間でこなすようなことはできない。
 
 生産性の向上とは、薬局が評価を受けるための活動だ。待合室の設備面で改善を図るのもいいが、何よりも薬学的管理のレベルや質を向上させることに尽きる。

 処方せんをどの薬局に持ち込んでも調剤される薬は同じだ。フィーも同額だ。同じ金額を払って、お得だと感じるのは、価値があったと感じるのは、納得して支払ができるのは、患者を大切にする気持ちが、薬剤師としての専門的な係わりを通じて提供できるかどうかにかかっている。

 そこに投資をしてきた薬局は将来が開けているだろう。経営効率を追求してきた薬局には、教育投資も小手先で、最小限度に留まり、投資の意味や意義など理解できないのではないか。

 口先だけでは何とでもいえる。問題は実際の行動だ。それが経営者の本心を反映している。そこを見れば、これからの展望を理解しているのか、薬局を儲けの道具にしているのにすぎないのか、容易に見分けることができるだろう。
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成功者の告白

2008-05-09 22:31:15 | Book Reviews
「成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語 神田昌典・著、講談社、2004年1月26日

p.212-4 子育てするのに、いきなり厳しくするかといえば、そうではない。まずは母親の無条件の愛を5~6歳ぐらいまでに与える。その後に、父親から社会的生活をするうえでの厳しさを教えるんだ。子供は母親からのたくさんの愛を感じて、自分は安全である、信頼されているという環境をつくらないと、しつけをどんなに厳しくしてもダメなんだよ。第一に母親的な愛情。その次に父親的なしつけを行うことが大事。
 この順番は普遍的で、サルは当たり前のようにやっている。ところが子育ての経験のない人間の男が会社でチームをつくろうとすると、逆をやってしまう。会社が混乱すると、まずルールや決まり事で社員を統制しようとするわけだ。

 人の成長、ひいては組織の成長に当てはまる考え方だ。人はいきなり一人前になるのではない。未熟に始まり、育てられ、少しずつ伸びていく。段階もあれば、過程もある。失敗があってこそ、学びがあり、成長がある。

 その時に、反省もし、次こそはと思うのも、自分には次のチャンスがある、そういう場が確保されている、自分は守られているという安心感がそうさせるのだろう。そこを厳しくしつけようとしたところで、それに耐えられない人はついてこれない。なぜか、人を一律にみて、ある一定の条件にあてはまれば、みな厳しく接してもよいとしている組織運営方法は間違いだろう。

 「やらせなきゃいけない」と考えて、指示や命令で足並みを揃えさせて、統制して、一致団結だ、などと言っているのは、育てられない証し、育てる環境にないと白状しているようなものともいえよう。

 まず愛情を持って育てようとしていることを、成長を期待していることを明らかにしてこそ、指導も教えも活きてくるのだろう。
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意思決定12の心得

2008-05-08 22:21:30 | くすり雑感
「意思決定12の心得 仕事を成長の糧とするために 田坂広志・著、PHP文庫、2003年1月20日

 「心理学版 北風と太陽と旅人」

 イソップ物語の「北風と太陽と旅人」で、北風の試みが失敗に終わるところまでは同じ。
 次は太陽が「私が、旅人のマントを脱がせてみましょう」といって、旅人をポカポカと暖めます。すると、旅人は、太陽に向かってこう言うのです。

「太陽さん。そうしてポカポカ温めて、私のマントを脱がそうとしているのでしょう。見え透いていますよ。残念ながら、私は、あなたの思う通りにはなりませんよ!」

 太陽が旅人のマントを脱がせることができなかった理由は、その「操作主義」にあります。
 心理学で言う「相手を自分の思う通りに動かしてやろう」という「操作主義が見抜かれたからです。(以上、p.135-7)

 ジェネリックの使用促進において、処方せん様式も変更になったとはいえ、今春からヤケに薬局は熱心になったなぁ、と思われていないだろうか。これまでもジェネリックの使用を促進するための機会は十分あったのに、理由をつけて薬局の動きは鈍かった。

 調剤率30%を超えることで、加算の4点を上乗せして算定しようということが背景にあるからだ。
 「同じ効果が期待できるのなら安いお薬でいかが」というのは、患者のためではなく、薬局のためなのだ。加算を知っていようがいまいが、急に態度が変わるところに何か“下心”のようなものを感じ取られてしまっているのではないだろうか。

 ジェネリックの使用促進において、患者における一番のメリットは価格であるから、そこを重要な訴求点とするのは当然としても、薬局側が、本当にジェネリックは安心できるものであって、変更するに値するという思いをもって勧めることが、操作主義と言われないうえでも重要なのではないだろうか。

 いかなる処方においてもすべてジェネリックを肯定しろ、と言っているのではない。変更するにしても、慎重に進めるべきケースでは、その考えを伝えて進める。盲目的にジェネリックを推進するのではなく、無条件になんでもよし、とするのではない。

 薬剤師は、ジェネリックについてよく調査したうえで信用し、かといってむやみに進めない、けっして悪いものではないから、大事に使おうとする、そういった思いで使用促進を図るべきではないだろうか。

 嫌がる人や気の乗らない人にまで、無理に進めるのではない。そこを何とか・・・とばかり、説得しようとするのではない。理解が得られなければ、その時はいったん推進を休止あるいは中止することも必要だ。インフォームドコンセントと一緒で、納得を得ることで前進するのだろう。

 強引に進めようとする背景の中で、情報格差を盾に患者を「弱い立場」に置き、薬局の思うように動かしてやろうという、たとえ無意識であっても傲慢さはないだろうか。同じ目線に立って進めようとすれば、北風的であろうと太陽的であろうと、どちらも適切ではないということを、ジェネリックの使用促進を本格的に進めようとする中で感じる。
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朝令暮改の発想

2008-05-07 22:40:50 | Book Reviews
「朝令暮改の発想 仕事の壁を突破する95の直言 鈴木敏文・著、新潮社、2008年1月25日

p.126-8 「基本の徹底」と「変化の対応」。仮設と検証を繰り返すのは、絶え間なく変化する顧客のニーズに応え続けるため。
 基本的な事柄の多くは、初めはきちんとできても、次第にいい加減になってくる。
 基本を徹底して実践できない人に「変化の対応」ができるわけがない。
 基本的な仕事において、意味を見いだして取り組むことができる人は、常に仮説を立て、結果を検証するという習慣が体に染みつき、どのような状況に置かれても変化対応が自然にできるようになる。

p.160 情報を得ようと、本を読みながら線を引いている人がいる。たいていは自分も同感できる箇所に線を引くことが多いが、そこから何かヒントが得られるのか。むしろ自分の考え方とは異なる意見や反対の考え方の箇所にすべき。

p.208 なぜ、人は「変えること」に抵抗するのでしょうか。
 仕事の取り組み方にはその人の生き方が投影されます。とりわけトップやリーダーの場合、その生き方は経営の仕方やマネジメントのやり方そのものに反映されます。いまの仕事のやり方を変えるということは、その人の生き方そのものを根本的に変えることと同じ意味を持っています。それぐらいに難しいのです。

p.210-1 いかに革新的な考え方を持った人間でも、自分の問題になると保守的になる。人には挑戦を求めながら、自分自身のことは守ろうとしてしまう。結局、その人に生き方は、自ら守ろうとする心理にどこまで妥協するかで決まっていくのでしょう。
 とすれば、生き方を変える基本は一つです。自分に妥協しない生き方へとどこまで踏み込めるか。自分の問題であっても、挑戦していく生き方へ変えていくことができるかどうかです。
 人間は妥協するより、本当はこうありたい、ああありたいと思っているときの方が精神的に安定するものです。守ろうとする自分があることを認めながらも、新しいことに挑戦しようと意欲を持ち続ける。

p.217 過去の延長線上でものごとを考えると、「これまでこうだったのだからこれからもこうなるだろう」と、積極性の乏しいどこか傍観者的な意識になりがちです。一方、ブレイクスルー思考は「こうありたい」「こうあるべきだ」という思いが根底にあるため主体的な生き方になります。人間にとってどちらが本来的な生き方でしょうか。

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企画力

2008-05-06 10:34:54 | Book Reviews
「企画力」 田坂広志・著、ダイヤモンド社、2004年3月11日
 
p.9 「企画力」とは、人間と組織を動かす力。

p.16 「企画力」とは、「企画を立案する力」のことではなく、「企画を実現する力」のこと。

p.20 言葉が軽くなる理由は2つ。。
 「実務経験の乏しさ」。「体験」や「智恵」に裏打ちされていないため、言葉が軽くなってしまう。
 「無意識の無責任さ」。提案はしても、実行する責任は先方にあり、企画の実行と実現まで責任を取りきるという覚悟に欠けている。

p.50 世の中を、より良きものに変える、という「企み」がないと、「企画書」ではない。

p.60-1 企画書において魅力的な「企み」を語るためには、「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」を魅力的に語れ。

p.69 企画書のタイトルの言葉に重みや響きを込めたいと考えるならば、「信念」と「情熱」が大切。

P.71 「ビジョン」では、「動的なイメージ」を込めて「これから、何が起こるのか」を語るべき。

p.84-5 企画書を最後まで読み続けてもらうためには、「自問自答」のスタイルが効果的。企画書の各ページの「見出し」で「問い」を投げかけ、「本文」で「答え」を語るというスタイル。

p.92 「自問自答」のスタイルの企画書は、読み手に対して、まず「問題提起」を行い、それに対する「解答」を一緒に考えていくスタイル。

p.100 「三の原則」。すべての項目を「三つ」に整理して書く。

p.112-3 企画書とは、顧客企業の「組織」を説得するもの。企画書とは、「一人歩き」しても、説得力を発揮するもの。

p.130 「社内戦略」とは、社内部門との協調と共同を実現するための戦略。当部門が提案するプロジェクト企画を実行することによって、社内他部門にとっても、どのようなメリットがあるのか。そのことを説明し、納得してもらうための戦略。

p.150-1 「汗をかいた企画書」とは、「頭と心の汗」を書いた良い企画書。
 「汗をかいてないな」と感じさせる企画書とは、「企画書風」に仕立ててあり、その企画書に賭ける思いが伝わってこない。

p.153-4 企画提案活動というものの本質は、「人間」を売り込むこと。


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モチベーション・マネジメント

2008-05-05 11:00:05 | Book Reviews
「モチベーション・マネジメント 最強の組織を作り出す、戦略的「やる気」の高め方 小笹芳央・著、PHP研究所、2002年12月16日

p.12 企業にとって最大の資源は紛れもなくそこで働く人材である。長引く不況で最近の論調は「企業経営にとって最大のコストは人材である」という側面が強かったが、この考え方の延長線上には「縮小均衡」による経営破綻が待つのみである。人材という資源は他の財と違ってその価値の可変性が大きい。人材を財産と見るか、コストと見るか、どちらの視点に立つかは全ての経営能力との兼ね合いで決まることになる。

 人材は大事と言う経営者は少なくない。「人財」などと持ち上げる反面、スタッフの待遇や処遇を見ると、本当に人的資源の重要性を認識しているとは思えない実態がが歴然とある。
 それは配属以前の採用の段階から見られるが、採用段階にそこまで見抜くことは難しい。既に働いている職員の感想が参考になろうが、向上心のない職員の感想を聞いてしまうと、実態を見誤ることになってしまう。

p.14 企業組織はもともと、多様な価値観を持つ人々の集合体である。従業員は各々の個人目的(=各人の欲求不足)を達成するために行動するが、その一方で企業組織は昨日目的(=企業の業績向上)を達成する必要がある。「個々人の欲求充足」と「組織としての目標達成」、この両者の間には多かれ少なかれ利害の衝突が生じる。この葛藤を調整し両者を有機的に結びつけるには、必然的に従業員のやる気を高める「モチベーション施策」が経営上重要なテーマとなる。

 一見、二律背反的に見えるものに対し、「51対49」で苦渋の選択をした、などと自身を“正当化”しようとする経営者も要注意である。民主主義で進むべき道を選択するのではなく、当座は十分と言えないまでも、両者とも満たす方法を創りだせないという意味で能力に欠けるように思われる。
 どちらをとるか、ではない。とれなかった道も、それなりに重要であり、捨てていいものではないから、問題を残したまま、いつかツケを払うことになるだけだ。

p.21 成果主義人事制度の導入によって、今のところ「人件費の変動費化」は進んだが、そのほとんどは制裁力を背景に望ましい行動を従業員に強要するだけの仕組みにとどまっており、従業員の会社に対する不信感を募らせ、モチベーションダウンを招いているというのが成果主義の実情である。

p.28 企業はモチベーションファクターを「自家内生産」=企業内部で創り出していくしかない。
 従業員のモチベーションアップにつながる報酬を、外に頼らず企業内で提供できれば、やがては業績も向上し、再び金銭的・地位的報酬の調達が可能になる。


p.30 人間誰しも、楽しく仕事をしたい、意味を感じられる仕事をしたい、誰かに期待されたい、誰かに感謝されたい、尊敬できる人と一緒に頑張りたいという根源的欲求を持っている、それらは、金銭的・地位的報酬とは別次元で存在する。

 『仕事の思想』で、「仕事の報酬は、成長である」と述べられていたことと通じるように思われた。
 誰しもが、成長したいと考えている。とくに若いうちは、なおさらだ。成長する内容や方向や質は変化しても、その思いは変わらないだろう。単に何年勤めたという経験を超えて、それぞれに誇れるものを身につけられることは、何よりも励みになる。
 これを積極的に得る場を提供しようとしない、別段与えようとしない、そういった経営は、職員を道具にしているだけだ。財産と思っていたら、この側面をうっかりしていたなどということは許されないだろう。

p.53 同じ仕事を部下に与えるにしても、「石を積み上げてほしい」というより、「要塞を作るために、石を積み上げてほしい」というほうが、部下のモチベーションが高まることは言うまでもない。

 仕事の意味を伝えるには、「抽象化」という技術が必要になる。ラダー効果、つまり「抽象のハシゴ」で自分の業務をとらえ直させるのだ。


 “ラダー”という語をここで聞いて驚いたが、そういう角度で仕事をとらえ直すと、確かに視点が変わり、改善の芽が生まれるような気がする。

p.130 「誰がやっても同じ」と自分の仕事をとらえてしまった瞬間、モチベーションが下がるだけではなく、もっと価値を認めてくれる、ひいては自分の価値が高められる会社に転職しようと考える人も多いはずである。

 「この仕事だけはキミに任せなければだめだ」「この仕事のこの部分をキミが担当するかしないかで、成否が分かれる」という、本人の競争優位性を意識させることである。そうすることで、「この部分は誰にも負けないようになろう」とより力を注ぐようになり、また、「会社から必要とされている」という思いから事業全体の動きに興味を持つようになる。


 おべんちゃらで言うのではなく、そういった職人を多く抱える組織が、最強の組織に向かって前進していく組織なのだろう。
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チーズはどこへ消えた?

2008-05-04 16:16:15 | 薬害は人災だ
「チーズはどこへ消えた?」スペンサー・ジョンソン・著、扶桑社、2000年11月30日
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80対20の法則

2008-05-03 22:14:30 | Book Reviews
「楽して、儲けて、楽しむ80対20の法則」 リチャード・コッチ・著、阪急コミュニケーションズ、2005年10月5日

p.21 大きな成果をあげるには、やることを減らすに限る。「決定的に重要な少数のこと」に絞ったときに、少ない労力で大きな成果をあげられる。

p.35 80対20の法則とは、結果の大部分はごく一部の原因から生じる、ということだ。だとすれば、求める結果さえはっきりしていれば、その結果を手に入れるためのきわめて効率的な方法を見つけられるはずだ。80対20の法則は、その方法が必ずあることを示している。人材であれ、方法であれ、資源であれ、創造力にあふれ生産性が高い黄金の20パーセントを特定できれば、つねに「より少ない労力で、より多くの成果をあげる」ことができる。

p.114 好きなことを仕事にしているグループと、カネや成功という観点で仕事を選んだグループに分けると、前者の方が平均年収が高い。面白さややりがいを重視する人の方が、カネを重視している人より収入が多いのだ。


 それぞれに大事だと思えていることが、なにか系統だてられておらず、独立しているようで、ある軸で「集中」できていないような感じがしていることに、ずっとひっかかっている。
 「集中」しようとすると、特定の、狭い部分に偏ってしまうようで、それだけでは現状を切り開いていけないような気がする。

 一見、手当たり次第というか、雑多に手を出しているようだけど、実はどこかで統制されて、あることを選択して取り組み、その結果期待する成果に結びつける必要がある。
 その中で、すべきこととそうでないことを見極めて、やることを絞り込んで、そこにエネルギーを振り向けることが必要なのだと、いい意味で「割り切って」集中することの重要性を説いているように思われた。
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使う力

2008-05-02 23:07:57 | 薬害は人災だ
「使う力」御立尚資・著、PHPビジネス新書、2006年5月8日
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勝間和代のインディペンデントな生き方

2008-05-01 22:40:00 | Book Reviews
「勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド」 勝間和代・著、ディスカヴァー、2008年3月1日

p.3 「三毒追放(=怒らない、妬まない、愚痴らない)」

p.77 自分ばかりが損をしていると思っていると、本当に自分ばかりが損をしてしまいます。
 損することを避けようとするのではなく、もっとゆったり構えて、自分にできることはなんでもやってみよう、という考え方に変える。結局はそれが、自分にいいことが起こるいちばんの近道です。

 女性に向けられた内容が基本になっているが、男性にとって役に立たないということはない。やらなきゃ始まらない。とにかく、明るくやろうという感じ。

 ブログを複数開設するのは以前から考えていたことではあったが、忙しさにかまけてずっとペンディングにしていたこと。さっそく立ち上げようと思う。
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