何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

容器表示への提案

2006-11-27 19:47:51 | よくわからないこと
 昨今、散剤・ドライシロップ・小児用細粒と呼ばれる製剤は、分包品のほか、100g程度の容器に入っていることが多い。100g程度の容器は、薬局の調剤棚サイズにちょうど合っており、充填して使うこともないので充填によるミスも防止できて、便利である。

 またシロップ剤等の液剤は、500mL瓶に入れられており、これも調剤棚サイズに合っている(調剤棚のほうがこのサイズに合わせている)。

 しかしその容器ラベルは旧態依然としているように思われる。
 というのも、品名やメーカー名など、法的に決められたものはともかく、調剤する薬剤師にとって重要な、含量や配合変化等に関する情報がまったく記載されていないのである。

 そう書いておきながら含量において、「まったく記載されていない」というのは誤りである。「小さい字で書いてある」というのが正しい。どうして、もっと大きく、誰が見ても含有量だとわかるように書かないのだろうか。
 1%とか、20%とかいう部分を見ても含量はわかる。計算(換算)の早く、正確な人はいいが、10mg/gとか、200mg/gなどと、別途、白抜き文字でも使って表示してはどうだろうか

 シロップ剤の配合変化は、どの製品も触れていない。
 単独使用すべきなら、その旨を。明らかに禁忌ならそれほど品目数も多くないのだから、明記してはどうだろうか
 その際、他社製品名が掲載されるのが、プロモーションコードにでも触れるのだろうか。それより安全な調剤のほうが優先されてもいいと思うのだが。

 薬局では、わざわざカード型の注意表示を作って、瓶の首にぶらさげているところも少なくない。輪ゴムはしばしば切れ、汚れ、手にまとわりついて、使用しにくかったりもする。表示さえあれば、そんな不便さが解消される。

 何年か前に、ある研究会で本件を提案したところ、ある病院の薬剤部長が、いろいろな数字が並ぶことで、かえってエラーが増えることもあるのではないか、ということを述べ、メーカーも変えないで済むのならそのほうが楽と、結局、事態は相変わらずのままである。
 記載の仕方、文字サイズや色使いで、エラーの起きないような工夫など、いくらでもできそうであるが、とかく変更や面倒なことは避けて通りたいだけ、ということはないか。

 慣れた人にはどうってこともないことかもしれない。しかし毎年、新人薬剤師が小児用製剤の用量について悩むのも事実である。調製に悩むことで、配合変化や、さらには相互作用などについての注意も希薄になってしまうこともある。少しでも悩むことは少なくし、同じエネルギーがもっと効率良く使われたっていいじゃないか、とも思う 

 より良くしようということを誰もが思っても、実際は違う思惑が動き、事態が進展するのは事故が起こった時、というようでは残念である。

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