経歴偽って資格取得、派遣の5人働く JR東の工事で(朝日新聞) - goo ニュース
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JR東日本が発注する線路付近の工事現場で、人材派遣会社員5人が、経歴を偽って資格を取り安全責任者として働いていたことが分かった。JR東日本は、人材派遣会社が社員の経歴を偽造し出向させたとして、工事を請け負う「鉄建」(東京都千代田区)に指示して契約を打ち切った。
JR東日本によると、偽って取得されたのは同社が内規で定める「工事管理者」の資格。現場で作業の安全を監督する。JR各社が委託する社団法人「日本鉄道施設協会」の講習と試験を受ければ取得できるが、受講には大卒で3年以上など実務経験が必要になる。
今年3月にJR立川駅付近の工事現場で、管理者の男性が特急通過前に工事用踏切を渡るトラブルがあり、その後の調査で、男性に実務経験がないことが発覚した。
男性は警備会社「三和警備保障」(東京都中野区)の契約社員で、同社が実質的に経営する人材派遣会社が、男性を社員として経歴書を偽造し資格を取らせた上、鉄建に出向させていたという。
JR東日本は、工事の元請け会社に出向できている工事管理者約300人の経歴を調査。同じ人材派遣会社の別の4人にも経歴偽造が見つかり、7月末で契約の打ち切りを指示した。ほかにも36人について経歴が確認できず、管理者の仕事から外させたという。
JR東日本は、元請け各社に面談の強化や卒業証明書の点検などを指示、再発防止をはかりたいとしている。
(朝日新聞 2006.10.9)
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本件が発覚した経緯が、工事現場でのトラブルを経てというから、作業員が電車にはねられるなどの大事故が起きてからでなくて良かったとはいえ、任務にあたらせる前に、その確認ができていなかったのは、手順として検討の余地があるだろう。
工事を元請けした「鉄建」(東京都千代田区)などによると、この5人は警備会社「三和警備保障」(中野区)が設立した派遣会社「コンストラクション・サービス」(同)の社員だという。(時事通信 2006.10.8)
アウトソース先がさらに孫請けに作業をやらせて、そこの杜撰さが問題や事件になるのは、ふじみ野市の市営プールで女児が吸い込まれて水死したプール管理(ふじみ野市>太陽管財>京明プランニング)や、川での作業船のクレーンが送電線に触れて首都圏での停電を起こした事件(大林組>三国屋建設)など、類似する構造だ。
公共団体・地方自治体で落札したような公共性の高い工事等に、落札先の運営状況が問題となることも多い印象だ(シンドラー・エレベータも同様)。
さてJR東日本の資格偽証は、現場の作業安全を監督する「工事管理者」であり、安全管理という側面を軽視していたことによる。
翻って、薬局・薬剤師に囁かれている“無資格調剤”と、どう違うのだろうか。
国家試験を受けるということは、試験を通じて求められる知識を持った者が然るべき業務にあたることが必要とされているわけで、その知識を活かして業務にあたることが求められていると解釈される。
その知識を使わないくてもよい業務なのであれば、誰が行ってもよいことになる。であれば、無資格調剤や薬剤師不要論まで取りざたされている現状は、どう捉えるとよいのだろうか。2通りの考え方が浮かぶ。
・現状はその知識を活かしきれておらず、その知識を活かすべく、作業水準を上げる。
・現状はその知識を活かすほどのものは必要でなく、そのような業務は他に任せてしまえばよい。
果たして「計数調剤」、「ピッキング」などと言われる業務はどうなのか。薬学部6年制に移行したり、国家資格に加えて認定薬剤師制度などがさらに重要視されてくる趨勢は、前者的だ。一方、テクニシャンなどにより薬局内の業務に“分業制”を導入しようとしたり、定数緩和(削減)を意識したりするのは、後者だろう。
どちらも今後おおいにありうる話なので、資格の活かし方、国家資格のあるべき方向について、本質を見据える必要があろう。自己都合に合わせた勝手な解釈であってはならない。OTCの販売は規制緩和が進行しつつあるが、いくら販売品目に段階を設け、それに応じた適切な取り扱いをするといっても、その段階が明確に違わなければ、なし崩しの言い訳を与えるだけになってしまいかねない。
とすれば薬局や薬剤師の進むべき方向は、資格に求められる知識や技術を最大限に国民に向けて発揮することなのだろう。今は就職とともにそれが形骸化してしまっている。大学で学んだことが、そのまま活かせる・活かさねばできない薬局や薬剤師であることが、これからのあるべき姿なのではないだろうか。
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JR東日本が発注する線路付近の工事現場で、人材派遣会社員5人が、経歴を偽って資格を取り安全責任者として働いていたことが分かった。JR東日本は、人材派遣会社が社員の経歴を偽造し出向させたとして、工事を請け負う「鉄建」(東京都千代田区)に指示して契約を打ち切った。
JR東日本によると、偽って取得されたのは同社が内規で定める「工事管理者」の資格。現場で作業の安全を監督する。JR各社が委託する社団法人「日本鉄道施設協会」の講習と試験を受ければ取得できるが、受講には大卒で3年以上など実務経験が必要になる。
今年3月にJR立川駅付近の工事現場で、管理者の男性が特急通過前に工事用踏切を渡るトラブルがあり、その後の調査で、男性に実務経験がないことが発覚した。
男性は警備会社「三和警備保障」(東京都中野区)の契約社員で、同社が実質的に経営する人材派遣会社が、男性を社員として経歴書を偽造し資格を取らせた上、鉄建に出向させていたという。
JR東日本は、工事の元請け会社に出向できている工事管理者約300人の経歴を調査。同じ人材派遣会社の別の4人にも経歴偽造が見つかり、7月末で契約の打ち切りを指示した。ほかにも36人について経歴が確認できず、管理者の仕事から外させたという。
JR東日本は、元請け各社に面談の強化や卒業証明書の点検などを指示、再発防止をはかりたいとしている。
(朝日新聞 2006.10.9)
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本件が発覚した経緯が、工事現場でのトラブルを経てというから、作業員が電車にはねられるなどの大事故が起きてからでなくて良かったとはいえ、任務にあたらせる前に、その確認ができていなかったのは、手順として検討の余地があるだろう。
工事を元請けした「鉄建」(東京都千代田区)などによると、この5人は警備会社「三和警備保障」(中野区)が設立した派遣会社「コンストラクション・サービス」(同)の社員だという。(時事通信 2006.10.8)
アウトソース先がさらに孫請けに作業をやらせて、そこの杜撰さが問題や事件になるのは、ふじみ野市の市営プールで女児が吸い込まれて水死したプール管理(ふじみ野市>太陽管財>京明プランニング)や、川での作業船のクレーンが送電線に触れて首都圏での停電を起こした事件(大林組>三国屋建設)など、類似する構造だ。
公共団体・地方自治体で落札したような公共性の高い工事等に、落札先の運営状況が問題となることも多い印象だ(シンドラー・エレベータも同様)。
さてJR東日本の資格偽証は、現場の作業安全を監督する「工事管理者」であり、安全管理という側面を軽視していたことによる。
翻って、薬局・薬剤師に囁かれている“無資格調剤”と、どう違うのだろうか。
国家試験を受けるということは、試験を通じて求められる知識を持った者が然るべき業務にあたることが必要とされているわけで、その知識を活かして業務にあたることが求められていると解釈される。
その知識を使わないくてもよい業務なのであれば、誰が行ってもよいことになる。であれば、無資格調剤や薬剤師不要論まで取りざたされている現状は、どう捉えるとよいのだろうか。2通りの考え方が浮かぶ。
・現状はその知識を活かしきれておらず、その知識を活かすべく、作業水準を上げる。
・現状はその知識を活かすほどのものは必要でなく、そのような業務は他に任せてしまえばよい。
果たして「計数調剤」、「ピッキング」などと言われる業務はどうなのか。薬学部6年制に移行したり、国家資格に加えて認定薬剤師制度などがさらに重要視されてくる趨勢は、前者的だ。一方、テクニシャンなどにより薬局内の業務に“分業制”を導入しようとしたり、定数緩和(削減)を意識したりするのは、後者だろう。
どちらも今後おおいにありうる話なので、資格の活かし方、国家資格のあるべき方向について、本質を見据える必要があろう。自己都合に合わせた勝手な解釈であってはならない。OTCの販売は規制緩和が進行しつつあるが、いくら販売品目に段階を設け、それに応じた適切な取り扱いをするといっても、その段階が明確に違わなければ、なし崩しの言い訳を与えるだけになってしまいかねない。
とすれば薬局や薬剤師の進むべき方向は、資格に求められる知識や技術を最大限に国民に向けて発揮することなのだろう。今は就職とともにそれが形骸化してしまっている。大学で学んだことが、そのまま活かせる・活かさねばできない薬局や薬剤師であることが、これからのあるべき姿なのではないだろうか。
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