「津軽海峡線」とは、正式な名称ではない。
青森から蟹田を経て三厩に至る55.8Kmの路線を「津軽線」と言う。
また、蟹田の先の中小国でJR東日本と北海道の境界を越え、青函トンネル
を抜けた北海道の木古内までは「海峡線」だ。
そこから先、函館までの江差線や函館本線を含めて、青森から函館に至
る路線の愛称として付けられているのが「津軽海峡線」である。
青森から蟹田までの間は、本州と北海道を結ぶ幹線で、凡そ1時間に1本
の特急が行き来している。
しかし、「津軽線」を行く普通列車となるとその本数は一日に10本に満たず、
それも途中の蟹田までで、その先終点の三厩までとなるとさらに半分ほどに
減ってしまう。
最後尾に行って車掌に説明すると、困惑したように少し苦笑いをしながら、
「このまま終点まで行って、この電車で引き返すより仕方がない」と言う。
「津軽線」はこんな状況だから、乗り間違えたおばあちゃんを心配したが、
どうやらこの列車は終点の蟹田で数分の停車の後、そのまま青森まで折り
返すようだ。
どこかの駅で停車した折、車掌が勢いよく飛び込んできて、おばあちゃん
に何か一言二言伝えると、ようやく諦め納得が出来たのか、おばあちゃんは
大きく首を前後に二三回折り、頷いていた。
「お手数掛けました」とわざわざ言い残し、車掌が慌ただしく列車を降り、
最後尾の車掌室に向けホームをかけて行った。
しばらくすると発車の笛が聞こえドアが閉まった。(続)
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