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簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

バスの乗客

2011-03-02 | Weblog
 バスの乗客たちの生活パターンはほぼ同じなのか、いつものバス停では、おなじみの顔ぶれが
乗車する。
当然のことながら、降りるところも同じようだ。

 ある工場前のバス停で、毎日降りる若者の姿が二三日見えないと「辞めてしまったのだろうか?」
と余計な心配もする。
 町中の病院にでも行くのであろうか、いつものバス停から乗り込むご老人の姿を見かけなく成る
と「何か有ったのか」とその身を案じてしまう。

 そんなある日、隣り合わせに座った男性から声を掛けられた。
「いつも、よく歩かれていますね」と。

 朝のラッシュの状態で多少の相違は有るが、だいたい下車するバス停への到着時刻は予測がつく。
だから、最近では、始業時までの余裕時間を見て、3つ4つ手前のバス停で降りて、仕事場まで
歩くようにしている。

 また、帰りは就業時刻とバスの通過予定時刻がほぼ同じ。
急いで着替え、猛然とバス停にダッシュすれば、多少バスは遅れて来るので乗れなくもないが、
これでは余りにも慌ただしいので、殆どの場合30分後の次のバスと決めている。
 この時も、ただバス停で待つのも能が無いので、路線に沿って先に向かい歩いている。

 旧国鉄を定年退職し、今は年金暮らしと言う。
最近は夫婦とも身体をこわし、月に何回かバスで病院に通っている。
そんなバスの中から、歩いている私の姿を良く目にしていたとその男性は話してくれた。
「多少、メタボですから、歩かないと・・・」と答えると、「歩けるうちが一番ですよ」と返す
男性の手には、しっかりと杖が握られていた。




【写真は本文と無関係】



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