スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

細い葉っぱが途中で曲がる・・・・ツガ(栂)⑲

2008-02-08 21:30:09 | 奈良県の「巨樹・奇木」シリーズ

ツガ(栂)は、マツ科ツガ属の常緑高木。 
別名はトガ、ツガマツといいます。松ぼっくりが出来るのです。
秋篠宮文仁親王の印に用いられている木です。

漢字で「栂」と書くことから、樹液が多いため母なる木ということなのでしょう。私は切ってないので分かりませんが・・。



この木が平坦地にあるのはマレで、箸墓古墳の東側にある桜井市箸中「慶運寺」の境内に2本あるのです。


後期古墳の石棺に掘られた弥勒菩薩。

本堂の裏側には横穴式石室が・・・。

このお寺の本堂西側は、この周囲の後期古墳の石棺に掘られた弥勒菩薩があり、また本堂の裏側には円墳と思われる横穴式石室がある有名なところです。


本堂の裏に古木が・・・。

1本はこの古墳横の庭の斜面にあり、幹回り1.5m、高さ12mほどになっています。残念なことに枝の一部が枯れ、切り落とされています。近くに枝の一部でもあれば・・・と探しましたが・・見当たりませんでした。

残る1本は、本堂前にあり、これは4mほど。樹皮には苔が付き貫禄が出てきています。



このツガは、雪の多い裏日本には殆ど無く、表日本側に偏り、海抜400mから1600mに生育しているとか。
この木は、山の尾根や急斜面などで乾燥する場所を好むとか。
古木のツガは、かなりの大きさだが、いつ頃植えられたのだろう。



ツガの葉はモミに似ているが、モミの葉は長さ2~3cmで、先端が2つに分かれ針のように鋭くとがっている。一方、ツガの葉は長さ1~2cmぐらいで小さく、大きい葉と小さい葉が入り交じっていて、葉の先はへこんでおり2つに分かれて見えます。



特に、葉の裏の2本の白い線(気孔帯)があるのもツガの特徴です。
葉の付き方も、細い枝に2列には並ぶものの、バラバラの向きで、長さもバラバラに付いています。
また、葉は短く、枝に1~1.5mm平行に伸びたところからほぼ直角に曲がっているのです。

ツガには、松ぼっくりが出来るので、探しましたが・・この木にはありませんでした。
針葉樹の中では、最も堅い木に属し、建材、船舶材、楽器などに利用されているのです。



話題の『真弓鑵子塚古墳』⑲

2008-02-08 09:07:35 | 出来事

奈良県明日香村真弓にある「真弓鑵子塚古墳」が全国最大規模の横穴式石室であったことが発表され、今朝の新聞に掲載されている。

先日、訪れた「益田(ますだノ)岩船」のすぐ近くだ。
このあたりには乾城古墳や与楽鑵子塚古墳など穹窿式で巨石を用いた古墳が点在し、また有名なマルコ山古墳、牽牛子塚(けごしづか)古墳、岩尾山古墳など小高い丘はすべて古墳と言うところです。



昔撮った「真弓鑵子塚古墳」

この古墳は以前から両方からの入り口から石室に入れることが出来、内部の様子は分かっていたのです。


毎日新聞記事より。 

今回の発掘調査によって全貌が明らかになり、6世紀中頃の築造で全長は19m以上。
使われている石は700個。
玄室の広さは18畳(長さ6.5m、幅4.4m)高さ4.7mで、この大きさは石舞台古墳を凌ぐ全国最大規模の横穴式石室と確認されたのです。

ところで、この「鑵子」とは・・・・。気になって広辞苑で調べました。
『湯を沸かすのに用いる青銅製または真鍮(しんちゅう)の器。茶の湯に使う茶釜。』とありました。
新聞掲載の写真を見ると、ホントそんな形をしています。上手く名づけたものです。


毎日新聞掲載記事。 

出土遺物などから渡来系の技術者集団・東漢氏(やまとのあやうじ)の首長墓とみられるとか。

この地域にある与楽古墳群からはミニチュア炊飯具や簪子など渡来系要素をもつ遺物が出土していることからこの地域の古墳は渡来系氏族東漢氏の墓域ではないかと考えられていました。

東漢氏は檜隈寺を中心に活躍し、飛鳥文化の担い手として蘇我氏と共に活躍していた人なのです。


なお、現地見学会が、下記の通り行われます。
場所 : 奈良県高市郡明日香村大字真弓
(最寄駅 近鉄飛鳥駅)
平成20年2月9日(土)
午前10:00~午後3:00
※現地での説明会はありません。

明日は、孫の音楽発表会のため、残念ながら行かれないのです。