いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

日本に惚れ込んだドナルド・キーン氏

2011年05月08日 08時14分11秒 | 兎に角書きたいの!
 日本文学研究者の第一人者米コロンビア大学名誉教授ドナルド・キーン氏(88)は、東日本大震災を契機に「好きな日本への感謝の気持ちを表現するために日本人になりたい」と日本帰化を決心された。教授は平成20年に文化勲章を受けている。教授が万葉集のうち好きな歌として挙げているのが次の一首である。

 み吉野の 象山(きさやま)のまの 木末(こぬれ)には ここだも騒ぐ 鳥の声かも 巻6・924山部赤人
 「み吉野の象山、その山あいの木々の梢でこんなに賑やかにさえずる鳥たちの声です」

 教授は、「日本の詩歌集や選集には、他の国の詩歌集にはない特徴がある。他国のそれは、まず一番早く生れた人の作品から、生年不明の場合は、もっとも古い時代の作品から、次第に近代の作品へという順で編集する。ところが日本では、例えば『古今集』や『新古今集』の場合、まず春の歌があり、次は夏の歌、秋、冬の順に並んでいる。私の知る限り、他の国の歌集に、そういう並べ方をした例はありません」と語っている。

 また伊勢神宮(三重県伊勢市)が20年ごとに社殿を造り替える式年遷宮を「西洋の文化の中では、不滅であることを求め、神殿などを大理石で造る。しかし、神宮では新しく造り替え、同じことを繰り返すことで命をつないでいく。そこに、精神的にも物理的にも清潔を尊ぶ日本人の心の表れを見ることが出来る。それは世界でも例を見ない素晴らしい考えだ。日常を離れ、森や山の中の静けさに身を委ねるようなかんかくになれるのも、伊勢神宮ならではのものだ」と。

 88歳の高齢で米国籍を捨て、日本国籍を取得しようとするほどに惚れこませる日本の魅力に我々日本人は美徳に自信を持ってこの日本を愛していきたい!今も山部赤人が詠む世界が自然が美しき人心がこの日本には厳然と存在するのだから!

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