邦画ブラボー

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「柳生一族の陰謀」

2006年02月02日 | ★ぐっとくる時代劇
派手です。

豪華なキャストが暴れまわる中を
ひとり腹式呼吸で我が芝居を貫く萬屋錦之介

錦ちゃんがいなかったらこの映画は
もしかしたら騒々しいエンターテイメントで終わっていたかもしれない。

徳川家お世継ぎ問題をめぐっての争いを
深作時代劇らしく華やかに派手に描く。

二代将軍が不審な死を遂げ、天下分け目の世継ぎ争いが勃発しようとしていた。

家光(松方弘樹)を擁立する柳生但馬守(萬屋錦之介)、
春日局(中原早苗)一派と
次男忠長(西郷輝彦)を推す母お江与の方(山田五十鈴)、
尾張大納言(三船敏郎)、土井大炊頭利勝(芦田伸介)らの
争いは都の公家たちも巻き込んで激化していく。

なんとしても家光を次期将軍にとごり押したい但馬は
柳生の里人たちをも冷徹に利用する。

吃音で顔に大きなあざを持った家光、
討たれる側の忠長はさわやかな容貌、明朗な性格にするなど
ひねった人物設定が巧みだ

のらりくらりと武家をあしらう公家方(金子信雄・梅津栄 )も面白い。
優雅で弱弱しく見える鳥丸少将文麿(成田三樹夫)が、
刀をもつや別人のごとく変身するさまはカッコ良すぎ。
成田ファンはこれも必見でしょう。
この映画ではファルセットの高音台詞が生きてます。

千葉真一の当たり役、柳生十兵衛は言うに及ばず、
丹波哲郎、原田芳雄、芦田伸介、夏八木勲、
金子信雄、志穂美悦子、真田広之、成田三樹夫、中村富十郎、
中村時之介、中原早苗、高橋悦史、大原麗子、
松方弘樹、西郷輝彦、山田五十鈴、三船敏郎・・

これだけのキャストを使い、
それぞれきちんと見せ場を作って
しかも散漫にならずまとめあげるのはさすがである。
角川春樹さんも出演していたようだが、
しっくり溶け込んでいたのかどれかわからなかった!

2時間10分があっという間に過ぎる一級のエンターテイメント。

錦之介の大見得も当時は色々言われたが、
今見ると全体のバランスからいって締めくくりには
ばっちりに見えると思うがいかがでしょう。

1978年 深作欣二  脚本 : 野上龍雄 松田寛夫 深作欣二 
撮影 : 中島徹 音楽 : 津島利章 美術 : 井川徳道 

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