邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「影狩り」

2008年01月24日 | ★ぐっとくる時代劇
久々に
んなわきゃ~無いだろう?ストーリーの面白い時代劇を見た。
原作は「さいとうたかを」の劇画「影狩り」。

またもや「時代劇専門チャンネル」

徳川幕府の隠密「」と、諸大名が雇った「影狩り」の水面下での熾烈なバトル。

諏訪高島藩の幼い藩主が江戸に向かう途中で
公儀隠密集団・「影」に襲われる。
一見して曰くありげな浪人十兵衛(仲代達矢)らは
影狩りとして若様を守るべく助っ人に加わる。
あっと驚く展開は劇画ならではで、
はらはらにこにこしながら見てしまう。

どこか暗い影を持つ
十兵衛は同じような年頃の幼い君主を斬った過去があるのだ!
やむを得ずとはいえ、殿様を斬って、
それでも生きながらえているってどうよと思うこと無かれ。
おまけに恨みも無いのに愛する許婚の父親まで

「とうりゃ~~~!」

同時に斬っちゃったじゃ~~ん!
そして影狩りとなって流浪の旅に出るのである。

腹黒い家老にはめられたことを知って怒りを爆発させるが
今更そんなこと言ったってあんた、
・・・・と言いたくなるような強引な筋運びである。

だが仲代さんだから

許す

小池一夫といいさいとうたかをといい、
劇画ならではの破天荒な展開、いいですなあ。
ぐいぐい魅せていく。
こんなエンターテイメント時代劇が
もっと見たい。

石原裕次郎でも映画化されてるみたいだけど、
裕次郎のちゃんばらってどうかなあ~~

脚本=國弘威雄 監督=井上昭 

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「駅 STATION」

2008年01月10日 | ★人生色々な映画
「雪」「健さん」「紅白」
がイメージとして残る。
ずいぶん昔に見たが
大晦日に見たらさぞかし美味かろう?と思い再見した。

果たして・・・

「いしだあゆみ」コレだけ??

甚八、台詞無し?

コタツに入っていたのは室戸?

という、斬新な俳優の使い方に
あらためて感銘を受けた!

しかしストーリーは極めてベタである。

猛吹雪の中たたずむ健さんは
北島三郎の紅白紙吹雪映像とは趣を異にして
そのままひとつの絵である。

冬の荒れた海、雪の中でちぎれるほど手を振る老母、
嫁に行く妹、
大晦日の居酒屋に流れる八代亜紀「舟歌!」

ある意味たまらん。

倉本聰ってなんでこんなに暗いのだろう・・
湿っているわ・・・これは浪花節だわ・・と思いながらも
見てしまう私もいやおう無しに日本人か。

ぶりっ子演技の烏丸せつ子の役は秋吉久美子が演じたら
もっと深みが出たに違いない。
宇崎竜童はチンピラ役を等身大で演じておられる。

♪酒はぬるめの燗がいい・・肴はあぶったイカでいい・・♪

合わせる倍賞千恵子の歌声が微妙にはずれている。
ここでは男が無口なのである。

一回目に流れる時には「おお!」と
思う「舟歌」は
これでもかっ!と三回も流れるから
最後には息苦しくなるが、
黙っていてもいや、黙っていることが最高にサマになる男
大スター
高倉健のファンにはたまらない映像の抒情詩であろう。

監督   降旗康男
脚本   倉本聰
撮影 木村大作
音楽 宇崎竜童

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「無法松の一生」阪妻版

2008年01月08日 | ★人生色々な映画
新年最初の映画は
阪妻の「無法松の一生」でした!

なんと公開されたのは1943年。
戦時中である。
検閲でカットされたため、
吉岡の奥さんへの思慕を表すシーンなどが
綺麗さっぱり抜けていて
不自然なつながりになっているのがザンネン。

元気で酒を飲んでいた松五郎だったのに
雪景色の後
いきなり遺品が映し出されるなんてあんまりだ。

実は暮れに同じく稲垣浩監督の三船敏郎版も見たので
ストーリーの切り取られ具合が良く分かったのだ。

そんな無残な仕打ちを受けながらも
この作品が素晴らしいのは
なんといっても!
阪東妻三郎
という役者の魅力によるところが大きい。

八の字眉毛で笑う、それだけでたまらない愛嬌!
役者は顔が命、そんな言葉も版妻を見ると納得してしまう。
それほど立派な顔なのだ。
高廣さんはもちろんいい、正和も。亮もいいけど
やっぱり親父だ!何か普通でない、超越したものを感じる。
時々笑ってしまうくらいエグイがそれも版妻のスケールだ。

湿っぽくなりすぎない伊丹万作の脚本もいい。
松五郎が飛び入りで
祇園太鼓を叩く有名なシーンは
カメラがものすごい速さでぶんぶん回るのでびっくり!
当時では斬新な映像だったのではないだろうか。

「ぼんぼん」と一緒に遊んだ日々、祭り、喧嘩、そして祇園太鼓!
人力車の車が回る映像にオーバーラップして
めくるめくような映像が繰り広げられるラストは圧巻だ。

私も人生の最後に宮川一夫のカメラで撮った自分の一生を見たい!(爆)

主演・阪東妻三郎/脚本・伊丹万作/撮影 宮川一夫
監督・稲垣浩/1943年/

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