邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

樹木希林さん in  スタジオパーク

2008年06月14日 | ★TV番組
NHK・スタジオパークに樹木希林
さんが出演とあって録画。
着物目当てバレバレ。

やっぱりお着物だった!

樹木さんのコーディネイトは
ひとひねりあるので、いつも楽しみ。

6月ということで
銀鼠の単衣に
大きな柄(銀)がところどころに入った黒の紗長羽織、
無彩色の着物に白地に大胆なオレンジの柄行の帯が
アクセントになっていた。

透けた紗の長羽織って、涼やか。
ちらちらと柄がきらめいて、
歩く姿が優雅でいいですね~~

今回のひとひねりは半襟

帯と同じ色味のオレンジの刺繍半襟(絽だと思う)で
個性的な装いとなっていた。

グレーにオレンジを合わせる。
この季節、涼しそうに・・と、
寒色をもってきがちだけど
こういう色が加わると華やかな女っぽさが漂う。

切りばめの、可愛らしい巾着はお手製か?

繰り回しなどもお上手な
樹木さんには
ぜひ今度一冊着物の本を出していただきたい。

肝心のインタビューはこれからゆっくり見ることに!

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「女殺し油地獄」

2008年06月02日 | ★人生色々な映画
ざんばら髪の与平衛が裸馬にまたがり刑場へと向かう、
ショッキングな冒頭!

なんでこういうことになったのか・・
と物語は展開していく。

いつの世にも手がつけられない不良息子に
手を焼きながら
それでも子を愛さずにはいられない親はいるものだが・・

主人が亡くなった商家に
真面目な番頭(中村鴈治郎)が入り
店を建て直したが、
先代が残した子供がとんでもなく、
グレてしまうというわけだ。

借金まみれだわ、家庭内暴力だわ、
この男のおかげで家族はひどい苦しみの真っ只中に。

実の子以上に情をかける父親、
夫に気を使い、世間体を気にしながらも
わが子への情を断ち切れない母親(三好栄子)。

お互いの気持ちを気遣う夫婦と
しょうもない兄を思いやる妹(香川京子)。

い~い家族なんですが。

このあたりのコテコテを
上手い役者が涙、また涙で語ってくれます。

近所には
情が深く、世話好きのお吉(新珠三千代)・・がいる。

こんなに深い愛情に囲まれていても
与平衛(当時中村扇雀) は改心するどころか、
姉のように世話を焼き、心配するお吉を刺し殺してしまうのである。

冬場に頭から氷水を思いっきりかけられるような話だ。

こんな神も仏もいないような話を書いたのは
江戸時代の大劇作家、近松門左衛門である。
歌舞伎小屋での評判はイマイチで
上演は尻すぼみだったようだ。

暗すぎるもんねえ。


コテコテの人情劇と、
終盤の油にまみれての凄惨な殺しの場はこの作品の見所であろうか。

慕っていたはずのお吉を手にかけてしまうくだり、
二人の会話のテンションがどんどん高まっていき
ついに短刀を取り出すまでの過程は緊迫感に満ちている。

新珠三千代はこの時30前だというが
お歯黒が実に妖艶。
江戸の人妻はやっぱりお歯黒でしょうが!
と、この映画を見ていて思う。
油まみれの修羅場はほんとに地獄!
新珠三千代が最高だ。

与兵衛の、
鬼畜を極める罰当たりぶりをとくとごらんあれ。

最後の最後まで見事に暗澹とした気持ちにさせてくれる。

堀川弘通 監督

原作 近松門左衛門
脚色 橋本忍

撮影 中井朝一
音楽  宅孝二

美術 河東安英

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