邦画ブラボー

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「雨あがる」

2005年12月08日 | ★人生色々な映画

時にはブラボーと言えないこともある。

優しすぎる。

「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」
そして「雨あがる」、と優しい侍の
つつましい生き方を描いた作品を続けて見た。

山本周五郎や藤沢周平に恨みは無いし
寺尾聡は嫌いではないし永瀬正敏も
よかった。真田広之は大好きだ。

「雨あがる」
前に見て印象が薄かったのでもう一度見てみた。

貧乏人たちの宴会がちょっとくさくないですか。

侍と妻のやりとりが不自然だし。
妻、言葉少ないながらも押し付けがましい。
色気はない。

三船から太い声と豪快な容貌を取って、
ぎゅっと押したような息子が出ている。

吉岡秀隆は侍らしくなさすぎるし。
大小差してるんだからもっと腰を据えろ!
腹で呼吸せい!と言いたくなった。

ベネチュアでスタンディング・オベーションが起こったとか。
大体海外のスタンディング・・ほど当てにならないものはない。

これを見終わって晴々とする人たちもいるのだろうか。
そういう映画を作るようにと黒澤監督が言ったとか。

ほんとは凄い腕を持っているが、それはひ・み・つ・で、
人を押しのけない、出世も望まない、
目の前にいる女を大事にして生きていく・・マイホーム侍たち。
・・なにかふっきれないものを感じるのは
私だけかも。悪口ばかりですみません。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2004-12-08 21:26:32
本当にひどい映画だった。三船史郎が言う「余の自尊心が傷つけられた」江戸時代の言葉でしょうか。

宮崎美子の妻が、藩の家老に言う「あなたたちのような無能な人に家の人は分からないでしょう」

家老と言えば、現在では言えば内閣官房長官である。浪人などは、現在で考えれば住所不定無職のヤクザものであり、それが官房長官に向かって「馬鹿」と言うだろうか。現在なら、言ってもおて
あれが江戸時代か (さすらい日乗)
2004-12-08 21:37:50
現在なら、言っても殺されはしないだろうが、江戸時代は身分社会である。そんな非礼なこと上級者に言ったらお手打ちである。

こんな台詞、設定があるわけはないと思い極めて不快だった。

山本周五郎の原作はどうなっているのか、気になっていながら調べていないが、恐らく原作から借りたのは、設定だけで問題の箇所は創作だと思う。



上は、途中でいきなり切り替わってしまったのです。

失礼しました。
お手討ち (spok23)
2004-12-08 23:22:17
すごい台詞と演出でしたねえ。



三船の息子を出したりして

オマージュとするなども安易で、

シャレになっていないと思いました。



センスが・・理解に苦しみます。
原作を調べました。 (さすらい日乗)
2004-12-12 22:19:55
山本周五郎の原作には、やはり二つの台詞はありませんでした。

詳しくは、「さすらい日乗」をみて下さい。
「雨あがる」について (mirage)
2024-02-04 17:16:12
こんにちは、ブラボーさん。

この映画が初めて劇場で公開された時、晩年の黒澤明監督の作品に違和感を持つ者として、黒澤明の残した脚本を、黒澤組の助監督が映像化する話には、最初、あまり興味と魅力を感じませんでした。

どうせ直球一辺倒で、正座して観なければならないような映画だろうと思ったからです。
しかし、観終わった時、それは予想に反し、心地よい方へと見事に裏切られましたね。

この映画は、「赤ひげ」など黒澤明監督が好んだ山本周五郎の原作。
江戸時代、剣の達人・三沢伊兵衛(寺尾聰)は、不器用なために浪人暮らしを余儀なくされていた。

妻たよ(宮崎美子)と旅をする途中、大雨で足止めされた土地で領主(三船史郎)と出会い、仕官の話が持ち上がるが----------。

この映画を観て、夫婦は互いに信頼し合おうとか、他人を押しのけて出世するのはよそうとか、そんな薄っぺらなヒューマニズムを読み取ることも可能だとは思います。

しかしながら、この映画を深読みして観ると、これは何と言っても、ウェルメイドのコメディーなんですね。

伊兵衛に試合を挑んだ威張り屋の領主が、転んで垣根の向こうに消えた直後、水しぶきの音が聞こえるという処理の仕方。
物静かなたよが、いつもの丁寧な口調で、客人に暴言を吐く間合い。

真面目な演技をすればするほど、おかしみが生じる。
特に、力みかえった三船史郎の演技には、素人の演技ながら、何度も吹き出させられた。(それにしても、三船史郎の声は、本当に実の父親の三船敏郎の声にそっくりですね)

無論、黒澤の名で足を運ぶ観客への目配せも怠りない。
冒頭の突き刺さるように降る豪雨。
安宿で繰り広げられる歌と踊りのセッション。
そして、侍の首から噴き出す血など、ほとんど「椿三十郎」のパロディーかと思うほどのサービスぶりなんですね。

しかし、飄々とした演出で笑わせる、小泉堯史監督のセンスは、明らかに黒澤明のものとは異なっていると思います。

大巨匠の縮小再生産の映画ではないかと思い込んでいた偏見を、大いに反省しましたね。
その上で、小泉堯史監督という新しい才能の登場を、心から喜びたい心境になりましたね。
mirageさんへ (ブラボー)
2024-02-05 19:55:06
こんばんは!
偶然ですが今日BSで放送されていましたね!
晩年の黒澤作品に違和感・・まったくそのとおり
私も感じていました。

コメディーだ!とおっしゃるご感想に
目からうろこといいますか
な~~るほど と思いました笑
そう思うとこの軽い爽やか?な演出も合点がいきます。

そういえば昨年暮れの紅白歌合戦に寺尾聡さんが
♬曇りガラスの向こうは~♬と カッコよく唄っておられ、お父様の宇野重吉さんの枯れた域には行っていないのだな~と感じたばかりでした笑

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