すごいタイトルをつけたものですね:
妻子もちの志村喬が
踊り子の京マチ子の魅力に負け、
堕落、破滅する物語。
あの「七人の侍」の、
「生きる」の、志村喬が
女に溺れるなんて!という
ファンの想いをよそに
なりふり構わぬエロ親父を演じていて、さすがの役者魂をみせてくれます。
同じ木村恵吾監督の
「痴人の愛」より
ストレートな愛欲モノ、そのものずばりの内容。
京マチ子が相手では
最初から勝敗ははっきりしているようなものですが
カチカチの堅物サラリーマンが
いつどうなって女の術中にはまるのかと
思ったら、
ものすごくあっさりとその手に落ちてしまってアングリ ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
病弱の妻(北林谷栄)と
バレリーナをめざしていた清純な娘(久我美子)も
一家のあるじを失って
あっというまに
不幸のどん底へ叩き込まれてしまいます・・
久我美子の堕ち方がハンパ無くてその落差の激しさがすごい。
・・・
など、大げさで漫画チックなデフォルメが楽しい。
京マチ子が出ると
必ずストッキングを脱ぐシーンとか
脚を投げ出すシーンがあるけど
ここでも志村喬が
そのおみ足にすがりつくお宝場面アリ。
ただれた生活をおくる京が、
教養ある若いピアノ弾き(根上淳)に
ひとり相撲の恋愛感情を抱いて幸せを夢みるところは
ちょっと森鴎外の「雁」を思い起こさせます。
が
どっこい志村は離れようとせず
その執着と怨念は
ホラー映画のように
加速していきます。
教訓:女の脚には気をつけろ
1951年
監督 木村恵吾
脚本 成澤昌茂