邦画ブラボー

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“恐怖劇場アンバランス”第一話「木乃伊の恋」感想

2010年07月28日 | ●面白かったTVドラマ
炎の中の黒猫!
「恐怖劇場アンバランス」の
タイトルバックは美しく、そして怖い!

大人のための恐怖劇場の趣があるシリーズ第一作は
江戸時代の話と現代がリンクしている、
めくるめく清順的摩訶不思議ワールド。

上田秋成の浮世草子「春雨物語」に基づいた前半のお話はかなり過激。
ん百年前に没したはずの
即身仏が夜な夜な鐘を打ち鳴らす“までは怖かったが
掘り起こされてからの顛末は怖がっていいのか
大笑いしていいのか、混乱!

ひからびたミイラが段々水気を帯びて?
人間化していく過程がグロテスク。特殊メイクはさすがです。

なんてったって、生き仏であるはずの高僧(大和屋竺)が
前世の反動のため!?愛欲の虜となって女を追いかけまくるのだから
神仏を恐れぬめちゃめちゃアナーキーなお話!

しまいには「入定の定助」と仇名をつけられて
村中の笑いものになってしまう。

春雨物語の怪が現代に蘇る後半は、
浜村純のねちっこい視線に戸惑う渡辺美佐子が
色っぽい。現世とあの世が交錯する不思議な物語。
エロスとは人間の生に不可欠なものなのですね~~

清順監督って面白くてへそ曲がりで
食えないオジサマというかなんといいますか・・・
でも好きです。


余談ですが
即身仏になる高僧は
入定する前に木の実や木の皮などしか口にせず
数年かけてだんだん食を細くしていくのだとか。
生きている段階から徐々に自らをミイラ寄りにしていくのですね。
それほど厳しい修行に耐えたはずの人が!

人間の煩悩とは土に埋められても蘇る?

監督 鈴木清順
監修 円谷英二
脚本 田中陽造
原作 円地文子
音楽 冨田勲

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「遊び」

2010年07月10日 | ★愛!の映画
噂には聞いていたけど
こんなに面白いとは思っていなかった!
増村保造監督、大映最後の作品。

電気部品工場で働く関根恵子とチンピラの大門正明

不幸に育った似たもの同士は、ふとしたことから出会い、
急速に惹かれあっていく。

原作は野坂昭如の「心中弁天島」
脚本は脚色:今子正義、伊藤昌洋。

少々大げさな大門正明の台詞回しと
関根恵子のストレートで端切れのいい口調が
ピタリと合い、まるで音楽を聴くかのようなテンポの良さ。
歌舞伎か浄瑠璃を聴いているようなリズムのいい台詞が特徴的だ。
出会ってから結ばれる、たった一日のことを描いているのにスリリング。
そして恋する二人から目が離せない。

回想形式ではさまれる劣悪な家庭環境や
これまでのエピソードは閉塞感いっぱいで
息が詰まりそうだ。

飲んだくれで男出入りが激しい大門の母親に根岸明美
巣鴨で売っているみたいなでっかい赤パンツが目に焼きつきました。
関根恵子の家庭もメタメタでどうしようもない。
二人はこれまでの情けなく惨めな環境から抜け出そうと決心するが、
状況は甘くなかった。

大門がアニキと呼ぶやくざに蟹江敬三
さすが!のガラの悪さで久々に真骨頂を見た思い。
「龍馬伝」でも異彩を放っているが、
こういう粗暴で胡散臭い役をやると最高!

今は聴かれなくなった言葉も満載だ。
「ズベ公」「フーテン」「スケ」
「スケをこます」「ゴーゴー」「温泉マーク」
ゴーゴークラブにたむろするズベ公役に「松坂慶子」が扮していて
大女優となった今では貴重な映像。

貴重といえば
関根恵子のヌー●は抜群に美しい。自然だし。
整形無しのナチュラルな目、
ナチュラルな鼻筋、ノーシリコンの程よい大きさの胸(爆)
伸びやかな肢体が素晴らしい!

不器用な恋が
切なくて愛しくてたまらない。
目頭が熱くなるラストも秀逸。

日本の恋愛映画の5本指に入る傑作だ!

1971年 増村保造監督

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「おさな妻」

2010年07月05日 | ★愛!の映画
関根(現高橋)恵子主演。
17歳の妻をめとった果報者に新克利。

つっこみどころ満載の話題作。
原作は富島健夫。

女子高生の玲子は母を亡くして叔母にひきとられる。
色々あって家を飛び出した玲子は
アルバイト先の保育園で父子家庭の男性と知り合い、
迷いながらも結婚することに。

この頃、テレビでは
「奥様は18歳」が爆発的にヒットして
岡崎友紀が一躍お茶の間アイドルになりましたね。
こちらはままごとみたいな夫婦生活をコミカルに描き
性的な部分は除かれておりました。

それに比べて極めてざっくばらんな表現の
「おさな妻」のハイライトは
なんといっても初夜シーン。
人ごとといえどもかなりどきどきもの(爆)

関根恵子の身体は文句無く綺麗ですし、
脱ぎっぷりも実にさばさばしている・・

目を閉じた
関根恵子のアップ!

そうこうしているうちに
木々がそよぎ、ススキがなびき、
なぜかリスが木の実を食べる映像がかぶさる!!

再び関根恵子の顔のアップ!

という具合で期待したほど(?)すごいものでは
ないのになぜか心拍数上がりました・・・・

夫の元恋人に現蜷川幸雄夫人 真山知子が出ている。
60年代に流行していたサイケ調のワンピがよく似合っていて
色っぽい。この頃のファッションまた流行ってますね。
ステキな女優さんだったのにすっかり引退されて残念だなと思っていたけど
少し前に文化村で蜷川演劇を見たとき会場の外のベンチに腰掛けているお姿発見。
以前と変わらぬ美貌でした。

さて
「おさな妻」に戻りますが・・・

ハネムーンが終わり学校に戻った玲子を囲む女生徒たち。

「ねえねえ、どうだった?」

「なんだか玲子綺麗になったみたい」

好奇心いっぱいのクラスメートに
愛の真実について語る玲子ちゃん。

玲子「夫婦にはというものがあるの」

クラスメート「絆?」

玲子「からだよ!」

ブラボー「が~~~んん!!」

だが玲子は17歳。
妻と母の大役をこなすにはあまりにも若く
悩みも多い・・

セーラー服の女子高生を妻にした中年男は、
真面目に語れば語るほど
欲望に燃える
エッチなおじさんにしかみえない!(爆)
新克利さんごめんね。

関根恵子のピカピカなお肌、伸びやかな肢体と屈託の無い笑顔
あっけらかんとした、しかし確かな演技が
際どい話を明るく見せておりま~す。

1970年

監督 - 臼坂礼次郎
脚本 - 白坂依志夫・安本莞二

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