邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

ベネチア映画祭で日本映画を特集上映

2005-08-31 | 日々の泡
世界三大映画祭のひとつベネチア映画祭で
「アジア映画秘史」として日本映画が35本上映される見込み。
ジャパンファウンデーション(国際交流基金)のサポートによる。

同映画祭ディレクターのマルコ・ミュラーは
「『忘れられた偉大な映画』に
理想的な賛辞をささげることができるだろう」とコメントしているそうです。

「忘れられた偉大な映画」という言葉に反応。
なかなか見られない作品もある。

上映される作品はこちらに。
やくざ・仁侠映画が多いのは何故か?

国際交流基金では
今月にもケルンにて
「宮本武蔵」や「大菩薩峠」「飢餓海峡」などの
内田吐夢映画祭を開催しているほか、
マニラで「四谷怪談」など恐怖映画祭を主催したり、
今年11月に開催されるタイにおける日本映画祭では
黒沢清や森田芳光などの若手監督作品17本の上映を決めている。

さらに本拠地、
赤坂・国際交流基金フォーラムでも面白そうな映画祭発見。

★ジャパニーズホラー傑作選
日本のホラー映画に英語字幕をつけ上映。

おお!小林正樹監督の「怪談」が!

9月17日には黒沢清監督のトークもあるそうです。

9月16日~18日まで
上映スケジュールはこちら

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加

「女の園」

2005-08-30 | ★人生色々な映画
京都にある正倫女子大学では
徹底した良妻賢母型教育の元で教育を行い
学生たちは厳しい規則に縛られていた。

たまりかねて
学校側に要求を出した学生の大半は
重い処分を受けてしまう・・・

面白かった。

二大高峰激突も注目だが
この映画はなにが凄いといって
上品な姿かたちの登場人物たちが
真正面から
ずばずばものを言い合い

びりびりとした緊張感が保たれたまま
最後まで
激しい戦いが繰り広げられることである。

高峰秀子を見ていると
神経が繊細でマイナス思考のひとの
心がむしばまれていく段階がよく理解できて
こちらまで頭をかきむしりたくなる。

高峰秀子、久我美子、岸恵子、山本和子の
美女ぞろいの学生、厳しい寮母五条(高峰三枝子)
の丁寧な言葉の中に含まれた猛毒!

高峰三枝子は犬神家の一族で汚れ役をやったが
はるか前にすでにこんな悪役をやっていたのだった!
絶世の美女だからこそ、より一層凄みが出る。

「あきこさま、
あなたはアカですか?」
な~んていう、言葉の袈裟斬り、真剣白刃取りの戦い。

久我美子が大財閥の令嬢役で切れ味がよく爽快。
山本和子との対決(写真)は
野田聖子と佐藤ゆかりの比ではない激しさ。

そんな中、悲劇が起こる。
学生たちの怒りは爆発。
理不尽な規則を掲げる学校に対して立ち上がるのだった。

高峰秀子の恋人役で田村高広。
この映画が初映画出演だったそうです。
すごい女性たちの中で
ほっとするやさしい役柄。

なにしろ全員気性が激しいんです!

「二十四の瞳」や「喜びも悲しみも幾年月」で
日本中を泣かせたことで有名な木下監督が
こんなに意地悪だったとは驚いた。

木下忠司作曲の壮麗な合唱が悲劇を際立たせる。

1954年 木下恵介監督作品 脚本 木下恵介 音楽 木下忠司

出演  高峰秀子 久我美子 高峰三枝子 岸恵子 東山千栄子
田村高広 田浦正巳 浪花千栄子 望月優子

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします


コメント (11)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

阪妻の「破れ太鼓」

2005-08-27 | ★人生色々な映画
親父が阪東妻三郎で息子が森雅之という贅沢。

これが進藤英太郎主演の
人気テレビドラマ「おやじ太鼓」につながる、
噂の映画だったのか。

暴君親父に従順に従う妻と子供たちが、
反旗を翻すというコメディタッチの映画。

木下監督の映画って洒落ている。
そのユーモアは上等のお菓子のように繊細な味わいだ。

白亜の豪邸に帰るや
オーダーのスーツを脱ぎ捨て、
駱駝のももしきに腹巻姿でライスカレーを食べ、説教!
会社でもまた説教!
いつでも破れ太鼓のように怒り散らす。

息子の田村高広さんが
「普段の親父にそっくりだ。なんで監督は知っているんだ?」と言ったとか。

脚本は木下恵介と小林正樹

六人の子供たちはみな個性があるが
特に、森雅之はぴかぴかのポマード頭で
父親に頭が上がらない長男役をコミカルに演じていて可笑しい。

用件をなかなか言い出せず
豪快にビールを一気飲みする阪妻を前にして
小学生の坊ちゃんのように恐れおののく。
さびしそうにオルゴールを開くシーンがなんともいじらしく可愛い。

阪妻VS森雅之これすごいです。

次男役にはなんと、
「水戸黄門」「喜びも哀しみも幾年月」などの作曲家、
木下忠司が扮し、
ピアノを弾き「破れ太鼓」のテーマを歌って
そこらの俳優さんとは毛色の異なる味を出している。

終盤、孤独な父をなぐさめる言葉を木下監督は彼に言わせている。

「家族といえども人間はみんなひとりひとりなんですよ。
でもやっぱり家族なんですよ。
なんとなくお互いを好きなんですよ・・
お父さんもボクのことなんとなく好きでしょう」

なんか泣かせます。

東山千栄子と滝沢修がパリ仕込の芸術家夫婦に扮していてヘン。
その息子には宇野重吉なのだが
星空の下でスキップする
やら、大声で叫ぶやらこちらもへン。

全体に誇張した表現で、舞台劇のような味わいもある。

おとなしい妻、村瀬幸子が爆発するところ(大爆笑)
今の世の奥さんたちが見ても溜飲が下がるに違いない。
お父さんたちは羨望か同情か。

こんな家族今どき古いというも良し。
だけど今こそ見たい映画。
何度も何度も見たくなってしまう品のある映画。

1949年 木下恵介監督作品 脚本 小林正樹 木下恵介 音楽 木下忠司

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします
コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

「飢餓海峡」

2005-08-26 | ★人生色々な映画

台風の夜に「飢餓海峡」再見。

社会の底辺からのし上がった男が
過去を隠し通すために
同じく善人を殺めてしまう。
野村芳太郎監督『砂の器』の主人公もそうだったように。

弓坂刑事が握り締めていたのは
消し去ったはずの犬飼の過去だったのか。

いつもはコミカルな伴淳がここではシリアスな顔を

見せている。

嵐の場面はやはりスリリングで迫力満点だ。



三國連太郎の存在感は

ハリウッド男優を凌駕する勢いなことは言うまでもないが

杉戸八重役の
左幸子の存在も大きい。

イタコの真似をする鬼気迫るシーン、
風呂での父娘の会話、
堅気になるはずが結局「慣れた」商売に身を置いてしまう哀れさ・・
ぬくもりのある津軽弁もいい。

圧巻!「爪」を持ってのひとり芝居は
左幸子以外考えられない素晴らしさだ。

そして犬飼との対面は前半のクライマックスシーンだ。

ビデオは一部二部と分かれていて
セットするのももどかしく
がちゃがちゃと焦りながら後半突入!

思い焦がれた男に会えて狂喜する八重(左)と、

犬飼(三國)の錯乱の対比が素晴らしい。

後半は、事件を追う
刑事たちの詰め、
犬飼との対決に固唾を呑む。

八重の描写に比べ
極貧だったという犬飼の暮らしぶりや悔恨、苦悩などは一切描かずに、
見るものに想像させるところがうまい。

お涙頂戴ぽい甘さは微塵も無いが
何気ないシーン・・弓坂警部補の家族や
売春宿の夫婦の会話に温かみがある。

あっと驚くラストで
犬飼の目に一瞬光が宿ったのを見た。

一見無表情に見える顔からは
様々な感情が読み取れる。

そんなことも出来る三國連太郎の濃い顔!
人間の罪とは罰とは良心とはなんだろうか。

堂々3時間、ものともしない
チャーシュートッピング醤油豚骨ラーメン大盛り完食の満足感!?


内田吐夢監督作品 原作 水上勉 脚本 鈴木尚也 音楽 富田勲

出演 三國連太郎 左幸子、伴淳三郎、高倉健 沢村貞子、加藤嘉など

 

名俳優 三國連太郎さんのご冥福をお祈りいたします *2013年 4月15日 

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

コメント (2)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

明治の女たち「にごりえ」

2005-08-25 | ★人生色々な映画

樋口一葉原作の
季節にそった三作のオムニバス。

明治という時代に生きる女を描く。

DNAに組み込まれた明治の血沸き立つ!
俳優豪華絢爛の傑作。

第一話「十三夜」:秋

中秋の名月の晩、老夫婦の家に
大店に嫁いだ娘(丹阿弥谷津子)が里帰りしてくる。

喜んで迎えた娘の口からは意外な言葉が・・
父親と娘の言葉の中から時代の道徳観や
家制度の重みが如実に現れてくる。

この話にはもうひとつのストーリーが含まれている・・

水木洋子と井手俊郎の脚色による台詞が美しすぎる。
この頃は身分、
職業によっても使われる言葉が違っていたようだ。

お月様が照らす中で繰り広げられる一夜のエピソード。
女性のこの後の人生を想像してしまう幕切れだ。

第二話「おおつごもり」:冬

大晦日、富裕な家の台所では
薄い木綿の着物に素足で、
心優しい下働きの娘(久我美子)が水汲みをしていた。
貧しい親戚(中村伸郎・荒木道子)からの
金の工面を引き受けてしまうのだが・・・・・

金持ちは金持ち。
貧乏人はいつまでたっても貧乏人・・なんでしょうか。
貧富の差がむごいほどに強調されている。

放蕩息子役の仲谷昇の台詞は遊び人風?
武士でも町人でもない言葉で面白い。
お嬢様役に岸田今日子。

正月前、

おおみそかの日の気ぜわしさ、掃き清められた家の清浄な
空気、色、(白黒だけど)が匂い立つようだ。

そして雪・・・

サスペンスタッチのカメラワークといい

目が離せない展開。最後の終わり方もあっさりしていていい。


第三話「にごりえ」:夏

水商売の女(淡島千景)に入れ込んで身を持ち崩す男に、
黒澤作品や、「張込み」でもお馴染み
名優宮口精二が扮している。

一汁一菜の貧乏所帯では、
恨みがましい目をした女房(杉村春子)が責めたてる。
古女房の愚痴はこのうえなくしつこくて、
これでは
宮口精二でなくとも浮気したくなるかもしれませんわ。

酌婦たちの狂態、化粧を取り去った顔をグロテスクに撮る
容赦の無い今井監督の視線にたじろぐ。

泥水をすするような境遇におかれた女の絶望、
あきらめが心を打ちます。

息がつまるような閉塞感が漂う中、
真夏の昼下がりに事件が!

淡島千景が凄絶な美しさ。

今井監督の虐げられた人々の描き方って
徹底してますね。

文学座総出演。
流麗な台詞をものにしきっているのはさすが。

明治の匂いがたちこめている傑作!!

独立プロ名画特選 文芸編
監督 今井正 原作: 樋口一葉 脚色:水木洋子 井手俊郎 
撮影: 中尾駿一郎 美術:平川透徹 音楽: 團伊玖磨

出演: 久我美子 淡島千景 杉村春子 荒木道子 
芥川比呂志 中村伸郎など

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

コメント (4)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

雷蔵の「婦系図」

2005-08-24 | ★愛!の映画
明治ものを二本続けてみた。

「婦系図」と「にごりえ」

どちらも傑作でした。

湯島ときたら「白梅」!
「別れろ切れろは芸者のときに言う言葉」

いつのまにか刷り込まれている「婦系図」の台詞。
原作は泉鏡花です。市川雷蔵、万里昌代主演。

将来を嘱望された学者の卵と芸者の恋。

義理やしがらみに縛られながらも
一本骨が通っている男女の生き様が
現代の日本人の在りようとあまりにかけ離れていて驚く。

はっきりとした身分制度の上になりたった社会構造にも。

お蔦(万里昌代)と小芳(木暮美千代)が、
芸者の我が身を恨んで泣くシーンには
思わずもらい泣きしてしまう。
どうも最近涙腺がどうにかなってしまっているようで。

夏も終わりだなあ。

「お蔦、別れてくれ!」の名場面、
薄もやがかかったような湯島天神のセットが美しい。
白梅はこぼれるように咲いていた。

意地を貫き通す生き方は
主税(市川雷蔵)とお蔦の美学だったのだ。

「短い間に日本も
日本人も変わったものだ」としみじみするには
まだ早いか。

明治女に扮した万里昌代が気丈で美しいが
可憐な三条魔子も泣かせてくれた。

べらんめえ・船越英二も粋な役どころ。

音楽は豪壮な作風で知られる伊福部昭だけど
物語を情感あふれるメロディーで包んでおり、意外だった。

衣笠貞之介監督、山本富士子主演版も見たい。

監督 三隅研次  脚本  依田義賢 音楽 伊福部昭 美術 内藤昭

「にごりえ」についてはまた後で書きます。

■様々な愛のかたち:他の「愛!」の記事はこちら

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします
コメント (6)   トラックバック (1)
この記事をはてなブックマークに追加

「ちゃんばらグラフィティ・斬る!」

2005-08-23 | ★ぐっとくる時代劇映画
これぞ日本のエンターテイメント。

「ちゃんばら」への絶大なる愛にあふれた映画を
ビデオ屋の片隅で見つけた。

宇崎竜童作曲(インスト)のテンポのいいロック調の音楽に乗って
東映の黄金期を彩った数々の作品の名場面が
次々と登場するという豪華絢爛のちゃんばらオムニバス。

古くは
1955年の内田吐夢監督、片岡知恵蔵主演の「血槍富士」から、
「旗本退屈男」、「新吾十番勝負」「一心太助」「水戸黄門」
「忠臣蔵」「丹下左膳」・・・・まだまだあります・・・

こちらに全部の収録映画が網羅されていました。

片岡千恵蔵、市川歌右衛門、萬屋錦之介、大川橋蔵
役作りについての苦労話などのインタビューも入り
ファンにはこたえられないものになっている。

華やかな娯楽作が大半になっているが
「宮本武蔵」や「反逆児」などの
シリアスなシーンも織り交ぜて一気に魅せる。

東千代之介がこんなに演技派だったとは知らなかった・・とか、
錦ちゃんってこんな美少年だったのとか、
あの平幹二朗にも下積み時代があったのかとか、
妖怪大戦争の前身は「笛吹童子」だったのかとか、
水戸黄門は自分で印籠を出していたのかなどなど
新しい発見が沢山あった。

大スターだけではなく脇役の方々もイイ!
当時のセットの立派さにも目をみはる。

キッチュな色彩とスピード感あふれる演出で繰り広げられるちゃんばら絵巻は
若い世代にも楽しめるだろう。

編集が特に面白かったのは
太助が、丹下左膳が、武蔵、黒頭巾、退屈男などが
ものすごい勢いで駆け抜けるシーンを集めた「走る」編。

「桜」がテーマのシーン集では
なんだかわからないんですけど涙が出てしまいました。
失涙!(造語)

夢があり、華があった東映時代劇。

「ザッツ・エンターテイメント」よりも
「ニュー・シネマ・パラダイス」のラストよりも
こっちのほうが断然至福!

1981年 浦谷年良監督作品 監修 マキノ雅裕

■他の「ぐっとくる時代劇」の記事はこちら

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いします
コメント (6)
この記事をはてなブックマークに追加

「成瀬百年祭り」に行って来た

2005-08-21 | 日々の泡
京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターでは
成瀬巳喜男生誕100年を記念して
8月20日(土)から10月30日(日)まで一挙61作品を上映する。
スケジュールは
こちら

誕生日にあたる20日(土)には
成田巳喜男シンポジウムとして
「成瀬巳喜男 記憶の現場」(94分・ビデオ[Digibeta]・カラー)と
「キャメラマン 玉井正夫」(20分・ビデオ[Digibeta]・カラー)*プレミア上映
が上映された。

「2時からの上映だけど、早めに行ったほうがいいかも」
という動物的カンは見事に当たって
12時過ぎに着いてみたらすでに長蛇の列。
1時にはもう定員に達するという大人気ぶり。
警備員のおじさん、整理にてんてこ舞い。

成瀬組に参加された方たちの
面白い現場のエピソード満載の「記憶の現場」は
客席がしばしばどっと沸いた。

特に映画監督の石田勝心さんのユーモラスな語り口には思わず爆笑。
面白すぎたのでこの監督さんの作品見たくなってきた。

石井輝男監督のインタビューはしみじみ・・・

怒号が飛び交う黒澤組とは正反対で
とにかく「静かだった」という成瀬組の現場に携わった、
美術、照明、音声、などの多くのスタッフと
俳優さん(小林桂樹・司葉子・草笛光子・淡島千景)による
インタビューからは、驚くべき緻密で完璧な作品作りと
成瀬監督自身の人となりも浮かびあがっていた。

無口・・で知られる監督だが
時折「意地悪爺さん」のような茶目っ気も見せたらしい。(司葉子談)
小林桂樹さんの「今成瀬監督が生きていたら・・」話も面白かった。

「浮雲」「晩菊」などの名作を例にあげながら
成瀬監督に絶大の信頼を寄せられていた
名カメラマン玉井正夫さんの偉大な功績を追う
ドキュメンタリーは今回が初上映ということで
会場に集まった皆さんの注目を集めていた。

7階では「浮雲」のゆき子が住んでいたバラックのセットが展示されていた。
七輪の上にはやかん、ちゃぶ台の下には雑誌がおかれていて
ゆき子が本当に実在したかのような錯覚を覚えた。

部屋に座ってみたかったが
「畳にはあがらないでください」の注意書きであきらめた。

4時半から始まった二部のトークセッションでは先日亡くなられた石井輝男監督も
出席される予定だったとか。

私は用事がありここで退場したので
どなたかごらんになった方は
感想をお聞かせください。

お昼ごはん抜きですこしひもじかったけど、
色々な角度からの成瀬映画の見方を教わった。
「浮雲」の富岡とゆき子にもまた逢えたし。大満足

この後、東京を皮切りに全国を回るそうです。

追記:9月からBS2で成瀬特集が!

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします
コメント (4)
この記事をはてなブックマークに追加

傑作!「仇討」

2005-08-20 | ★ぐっとくる時代劇映画
中村獅童って錦之介の甥なんですか?

またもや橋本忍の脚本にぐいぐいとひっぱられ
クライマックスにいたっては
画面に入ってしまうかのように見入ってしまった。

ちょうど逆貞子状態というんでしょうか。私のありさまは。

ほんのささいなことから
抜き差しなら無い立場に追い込まれ
仇討に巻き込まれていく若者の悲劇を描く。
封建的で非情な武家社会への批判が痛烈に感じられる。

幾重も重なった層によって緻密に構築された脚本が、
主人公の悲劇をより際立たせている。

無駄な台詞がひとつとして無い脚本もすごいが
主役の萬屋錦之介
偉大さも思い知らされた作品。

先日も内田吐夢監督「宮本武蔵 一乗寺の決斗」
の一シーンを見たばかりだが
錦之介の素晴らしさは圧倒的な爆発力にあると思う。

ためにためた苦悩を吐き出すとき、
刀を持って全速力で走り出すとき、
そのエネルギーは天空に向かって放射されるようだ!

躍動する肉体、殺陣はもちろんのこと、
主人公の内面を克明に表現する演技は
観るものを釘付けにさせる。

等身大の人間としての侍と、彼をとりまく社会。
権力と欺瞞。

べたべたとした感傷を抜いて、ひりつくような
悲しみと絶望をあぶりだしていく今井監督の手腕も見事。

物語はどんどん加速していく。

終盤の展開は圧巻の一言。息もつけない。

進藤英太郎、田村高廣、丹波哲郎、石立鉄夫、
三島雅夫、加藤嘉 小沢昭一などの脇も素晴らしい。

「武士道残酷物語」も今井監督と
萬屋錦之介の黄金コンビだった。

社会派と呼ばれる今井正監督だが、
言いたいことがはっきりしている映画はとんでもない力を持つ。

傑作!

1964年 今井正監督作品 脚本 橋本忍 音楽 黛敏郎 美術 鈴木孝俊

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

コメント (8)
この記事をはてなブックマークに追加

「子連れ狼」子を貸し腕貸しつかまつる

2005-08-19 | ★ぐっとくる時代劇映画
「刺客」という言葉が飛び交う
今日この頃ですが、
この映画を見た私にはそんな恐ろしい言葉
とてもじゃないけど安易に使えません。

「ちゃんの仕事は、刺客ぞな」の歌で有名な「子連れ狼」が
初映像化されたのは、
若山富三郎の映画版だった!

昭和45年から週刊漫画アクションに連載された
小池一夫原作、小島剛夕画による劇画は大人気を博した。

拝一刀がなぜ
箱車を押し冥府魔道の旅に出ることになったのか?
大五郎がなぜあんなに肝が据わっているのか
わかるのがこの作品だ。

小池一夫自身が脚本を手がけているため、
台詞がイイ!

冒頭に立派な屋敷が映し出され
家来たちがすすり泣く中を
家老風の侍(加藤嘉)
純白の着物を着た幼い若君の手を引いて登場する。

若君が座るや、背後から三つ葉葵の紋が染め抜かれた着物に
たすきをかけ刀を携えた
拝一刀(若山富三郎)が厳粛な面持ちで現れる。

そして・・

!!

江戸時代、
幕府を支える裏の組織として
黒鍬衆が密偵、危険人物の暗殺に裏柳生
さらに要人の「切腹介錯人」には拝一族があたっていた。

その公儀介錯人の地位を狙う
柳生の陰謀によって一族郎党と妻を殺され、
いわれのない汚名をきせられる拝一刀。

大五郎と共に「冥府魔道」への旅立ちの装束である
白装束をまとい、
切腹を迫る上意書を
「笑止!」と斬り捨てるシーンは鳥肌ものです。

以来柳生一派に付け狙われながら
一殺五百両の刺客を生業として諸国をさすらう。

旅の途中で、子を亡くし気が触れた女に
大五郎を無料でレンタルしてやる場面があって
子を貸し・・という題名はそこからきているものと思われる。

若山富三郎の殺陣は
弟勝新太郎が、「立ち回りは俺より兄ちゃんのほうがうまいよ」と
言っていただけあってすさまじい。
なんてったって元公儀介錯人ですから。
必殺剣法!

三隅研次のメリハリの効いた演出が冴え渡る。

一刀を付け狙う柳生烈堂(テレビでは金田龍之介)に
伊藤雄之助が扮し憎たらしさ不気味さこの上なし。
若山富三郎主演でシリーズ化。
大五郎との絆の深さは作品を追うごとに深まっていくようだ。

萬屋版もいいが、
ハードな若山版子連れ狼も、もっと評価されてもいいと思う。

1972年 三隅研次監督作品 小池一夫脚本 原作: 小池一雄 小島剛夕

■他の「ぐっとくる時代劇」の記事はこちら

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

コメント (2)
この記事をはてなブックマークに追加