邦画ブラボー

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「危し!伊達六十二万石」

2006年02月16日 | ★ぐっとくる時代劇
嵐寛寿郎が悪役を演じる。

伊達六十二万石のお世継ぎをめぐっての争い。
世に言うところの「伊達騒動」がテーマ。

歴史ものは描く角度によって解釈が違ってくる。

ドラマ化もされた山本周五郎の「樅の木は残った」での
伊達藩江戸家老、原田甲斐(嵐寛寿郎)は
仙台藩の存続の危機を救った英雄として描かれている。

だがこの作品では
謀略を巡らせ幼い若君を毒殺しようとしたり、
だまし討ちを指示したり、
大嘘をついたり、
女中の折檻を悠々と見物する仰天映像もあったりと、
正義の味方、「鞍馬天狗」のイメージからは及びもつかぬ極悪ぶりで
実に新鮮。(メイクもダーティ)

「伽羅先代萩」(めいぼくせんだいはぎ)のエピソードも
差し込まれていて歌舞伎ファンも楽しめる。

大黒幕としての威厳を見せ
悪事が露見してもそう易々とは殺られはしない。

ラストはひっぱってひっぱって大見せ場を作る。

アラカンは顔もでっかいが、悪の華もあった。

中山昭二や沼田曜一(あっけなくやられる)も出演していて
新東宝娯楽時代劇気分を盛り上げます。

1957年 監督 : 山田達雄監督 脚本 : 三村伸太郎
撮影 : 河崎喜久三  音楽 : 米山正夫 美術 : 黒沢治安


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