邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

知るを楽しむ:「おもろい作家」太宰治

2009年10月27日 | ★TV番組
小説家の西加奈子さんが太宰のユーモアに迫る。

今風のルックスの西さんが
最近の芸人を見るのと同じ目線で
太宰を
めっちゃおもろいやん
めっちゃおもろいおっさん」と
面白がるところがまず面白かった。

高校生の頃、はまったという「皮膚と心」
「富嶽百景」から
つっこみどころを拾い読みして笑いころげる。

「笑い」って普通、誰かに説明されたり
ここが面白いから可笑しいなどと分析されると
しらけてしまうものだけど
西さんがほんとに可笑しそうなので
思わずもらい笑いしてしまった。

乱脈な女性関係・心中・人間失格
・ダメ人間と言いながらもナルシスト・・のような
ステレオタイプのイメージとは違う太宰の顔が見える。

そういえば
「ほんとはとても明るい男だった」のような証言もあるようだし
相手によって、
またその時々で別人にみえるような
かなり多面性がある人だったのかもしれない。

このシリーズは、
身近な(と勝手に思っている)女性作家の方々の
新しい観点が新鮮で、見ていて楽しい。

今まで「小説極道の女たらしめ」と思っていた太宰のことも
見方を変えてみようと思ったし
西加奈子さんのはじけるような若さと個性にも魅了されたので、
彼女の小説も読んで
このガチガチに固まりかけた脳みそに
新しい、新鮮な血液を循環させることが出来たら
素晴らしいだろうなとワクワクしています。

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「知るを楽しむ」モテる作家太宰治

2009年10月21日 | ★TV番組
今をときめく辛酸なめ子さんによる
太宰治の「モテ」 研究。

紺のアンサンブルの着物に下駄。
アンニュイな表情のコスプレでなりきり
太宰がなぜ今に至るまでモテ続けているかを考察されていた。

各章にバラで囲んだ表題が入るなど
ちょい乙女な演出で楽しい。

なめ子さんの分析で
参考になった言葉を書き出してみますと・・

●写真のモデル立ち、色々なポージングから
ガクトみたいなビジュアル系であると。
不健康なイメージ・目線はずし・
自己演出の巧みさを指摘。

●筆跡を書き分ける=意外に器用である。他人の目を常に意識
一撃必殺の殺し文句や甘えた文章で母性本能を掴む
奥さんを愛していると言いながら
自分しか愛せない男性だという鋭い指摘

●モテて困ると言いながらも
今で言う美輪明宏や綾小路きみまろのような
女性に対しての厳しい視線も持っていた

恋愛とは性欲衝動に基づくものである・片恋こそ最高の恋愛
据え膳は食わない姿勢
彼の死はサービス精神の表れであった

私も付け加えますると::

センスが良かった

作家で、太宰の娘である太田治子さんのインタビューによると
太宰は着物も着るけど
洋服も見事に着こなしたようだ。
太宰の一ファンだった
治子さんのお母さんの太田静子さんが自宅を尋ねたときは
和服姿だったが 次に呼び出されて
カフェで会ったとき がらりと変わって
まるでフランス人のような洋装で現れ
 ビックリ仰天したと語っておられた。
短編「お洒落童子」でも書いているように、
太宰はとてもお洒落で着るものに気をつかっていたのである。

お洒落な男はモテる
(亡くなった加藤和彦さんもとびきりお洒落でしたね合掌)

巧みな言葉術で女心を翻弄
手紙といえば、
太田静子さんとの手紙が今回治子さんによって初めて公開され
そのあざといばかりの巧みな文にはあっけにとられました。
のらりくらりかわしてみたり、
殺し文句を書いてみたり、うんざりするくらいの熟練。
プロだから 反則ですよね。
あんな手紙をもらった女は翻弄されちゃって、
たまったものではないですね。
文章だけではなく、実際の会話でも
必殺フレーズを連発していたのでは?と想像します。

他もだいたいなめ子さんと同じ意見ですが
死についてはわかりません。

今夜も知る楽:太宰の「ユーモア」について 見ま~~す

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「美の壷」少女雑誌特集見ましたか?

2009年10月19日 | ★TV番組
秋のメランコリックな気分に押しつぶされそうになったときは
「少女の友」を読もう!

憂鬱なムードがあら不思議、
ロマンチックに変換されてしまう。

秋の夜、NHKの「美の壷」は少女雑誌の特集だった。
30分の時間制限の中、駆け足でその魅力に迫っていた。

「少女の友」の投稿欄は
全国から寄せられるコメントでいつも白熱していたそうだが
編集長自ら、そのひとつひとつに返事を書いたっていうのがまず凄い。

そして紙の宝石と言われた「付録」の数々は何度見てもうっとり。
実物を弥生美術館で拝見したけど
それはそれは丁寧で美しい仕事だった。
当時の少女は大事に大事にしていたのだろうな。

「友ちゃん会」でご一緒したご婦人が
番組に出演されていて、とても嬉しくなった。
なんと素敵な少女時代を過ごされたのだろう。

少女だけの世界は
ほんの一時だからこそ愛おしいもの。

”少女の友歌”
アンニー・ローリーの唄をYoutube でみつけた。懐かしく美しい調べをどうぞ

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「少女雑誌」特集!

2009年10月16日 | ★TV番組
本日 教育テレビ 10:00PMからの
美の壷」は 「少女雑誌」特集!
「少女の友」も紹介される模様。
先日の「101年目の友ちゃん会」でも
アナウンスされていましたっけ。

あれから数日経ったというのに
熱が覚めず、
蕗谷虹児や高畠華宵や中原淳一の本や弥生美術館でついつい
買ってしまった「女学生手帳」なる本を眺めては
すっかり少女気分に浸っている今日この頃です。

素敵なデザインのHP
●美の壷

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「女が愛した作家:太宰治」

2009年10月08日 | ★TV番組
今年は
太宰治 生誕100周年ということで
テレビでも特集番組が
組まれている。

NHKの「知るを楽しむ:こだわり人物伝」で
小説家の角田光代さんが
少女の頃好きだった(そしてまた読み直しているそうだ)太宰のことを
生き生きと語っておられた。
角田さんってご自身を中年とおっしゃっていたけど
少女みたいな方なんですね。

「途中の人」という表現が面白かった。
十代の頃「気持ちのある部分を
まるごともっていかれてしまった」そうである。

また、のめりこみ方が
青春の一時期にが~~っとロックにのめりこむ
のに似ているということで
ロックな作家であると言っていた。

私は「斜陽」への旅~太宰治と太田静子の真実
という番組を見て、甚大な衝撃を受けた直後だったので

「角田さんをも夢中にさせたのか。
なんちゅう罰当たりな女たらしめ」と思ってしまった。

そういう不埒な観点からすると
次回の
「辛酸なめ子」氏による「モテる作家」は非常に楽しみである。

●「こだわり人物伝:女(わたし)が愛した作家 太宰治」サイト

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