邦画ブラボー

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「峠シリーズ」第4話:松橋登「鬼首峠に棄てた鈴」が最高だった

2022年10月26日 | ★ぐっとくる時代劇

待ってました!

松橋登さま(”さま”を付けたくなるお方)

「鬼首峠に棄てた鈴」は「峠シリーズ」のラストを飾るに

ふさわしい素晴らしい作品でした!

 

たった一度の恩を受けた親分の仇を討つために

ススキが生い茂る寂しい宿場町にたどり着いた銀次。

腰にはミスマッチな可愛らしい鈴を下げている。

生き別れた姉の形見~なのだ。

 

色っぽい女(蜷川幸雄夫人の真山知子)に好意を寄せられても、

「あっしのようなものが堅気のお方を好きになってみても

どうなるものでもござんせん」

と、しっかり身をわきまえている根っからの渡世人なのだ。

 

強敵に挑む銀次に

「おめえさん死ぬつもりかい?」と尋ねる相手への返事がしびれた。

 

「そんな覚悟をしているわけではござんせん」

「生きていて当たりめえ 死んでまたあたりめえ あっしみてえな一人旅の流れ渡世人は、

そんなものだと思っているだけでござんす」

 

かっこよすぎる・・・・・

 

台詞ひとつひとつがぐっとくる。松橋登だから染み込む。

 

身体のさばきも美しくすべて絵になるんですよねえ。

いい役者さんって 台詞が無い場面でも

物語を語れることがわかった。

ずっとずっと見ていたくなる役者さんです。

 

「俺が死ねば姉さんに一生会えなくなるぞ!」という相手を

「渡世人は親兄弟に縁はもたねえ!」と

バッサリ やってしまうハードさと裏腹に

幼い女の子との哀切極まりない絡みも泣かせる~~~

形見の鈴を渡した女の子は後に「高橋お伝」として有名になったとか・・・

渡世人のその後は誰も知らない・・・

 

堪能~~

男気って言葉を思い出しました。

珠玉のドラマをありがとうございました。

時代劇専門チャンネル


峠シリーズ第三話 天地茂「暮坂峠への疾走」

2022年10月25日 | ★ぐっとくる時代劇

天地茂が渡世人って

あまりイメージ湧きませんよね。

筆者もそうでしたが

意外にもばっちり似合っていましたよ。

 

「あっしには・・・・」

紋次郎を彷彿とさせる佇まい。

ニヒルに構えていながらも、断り切れず事件に巻き込まれてしまう。

信じた相手に裏切られ続ける哀しい渡世人が暮坂峠を走り抜ける。

 

若くてピカピカの梶芽衣子が

目の前にいるのに

渡世人の矜持を愚直に守って手出しをしない天地茂。

泣かせる。

けど ラブシーンもクールな天地茂には似合わないね。

このシリーズ無常観漂っていて癖になる。

4話観終わるころ 渡世人言葉が恋しくなるだろうなあ

(10年前にも同じようなこと

書いてますね(;'∀') 笹沢佐保が読みたいとか・・進歩ないなあ~~(-_-;))

 

時代劇専門チャンネル

 


「四度目の女房」

2022年10月16日 | ★ぐっとくる時代劇

歌舞伎役者、片岡愛之助の初主役時代劇ドラマ、

「鬼平外伝:四度目の女房」はスカパー時代劇専門チャンネル

2016年に放送された。

筆者はこれを観て愛之助さんのファンになりました。

 

人あたりも良く大工の腕もたち

恋女房とむつまじく暮らしている伊之松には

裏の顔があった。

世間を欺くために所帯を持ち

女を盗人稼業の道具として扱う冷酷な男だったのだ。

 

だが そんな男が本気で女に惚れてしまい・・

 

せつない

 

愛之助の軟と硬の魅力が味わえる珠玉の短編になっております。

歌舞伎役者ならではの所作の美しさ 台詞の切れの良さにほれぼれしてしまいました。

来春公開「藤枝梅安」の彦次郎も超楽しみ♪

 

監督は

「眠狂四郎多情剣」「陸軍中野学校 密命」などの大ベテラン井上昭、

脚本;向田邦子シリーズや「前略おふくろ様」など数々のヒットドラマを手掛けた

金子成人。

見ごたえある大人のドラマです。

もう一度見たい作品。ぜひ地上波でも放送お願いしたいです。

 

時代劇専門チャンネルにて


トヨエツの「わるいやつら」が面白過ぎた

2022年10月14日 | ●面白かったTVドラマ

豊川悦司主演の

松本清張ドラマ「わるいやつら」(2001年)が面白過ぎた。

若かりし頃の色っぽいトヨエツ、

ワルなトヨエツが見放題な贅沢ドラマ。

以前も観てその魅力に唖然として、もう一度見たかったドラマである。

「わるいやつら」は片岡仁左衛門(孝夫)版もあるけど

こっちのほうがエグいし 今風に言いますと

 

エモイ

 

一番イケイケな頃の萬田久子(恋人)を始め、

十朱幸代(クラブのママ)、

藤真利子(看護師長) 杉本彩(本妻)などなどを

三股四股?にかけ、

欲望の階段を駆け上がる冷酷非情な外科医。

周りもすべて悪人という・・・

ちょっと後味も苦い大人のドラマ。

 

トヨエツの魅力って何だろう?

長身痩躯から漂う哀愁?

鋭い眼差しから発せられる必殺色気ビームだろうか??

 

BSトゥエルビ


「峠」シリーズ第2話「狂女が唄う信州路」

2022年10月11日 | ★ぐっとくる時代劇

笹沢佐保の

「峠」シリーズは以前もぐっときて

何度も見返したお気に入り股旅ものである。

今また時代劇専門チャンネルで放送されている。

第2話「狂女が唄う信州路」

さて誰が狂女なのでしょうか。

 

「信州無宿 抜かずの丈八」と異名を取るニヒルな渡世人川津祐介が

老いた渡世人花沢徳衛(懐かしい)の

恨みを晴らすべく、長ドスを抜く!

渡世人が旅を続ける街道。北風が吹き、ぺんぺん草が生い茂っている。

今こんな場所残っているのだろうか?とふと思うような

昔ながらの風情である。

スタイリッシュなカット割りが

川津祐介の暗い眼差しをとらえる。

 

どんないきさつで刀を抜くことをやめたのか

そして 老人の仇を討った後はどうなったのか?

何も示されない。虚無感満載。

芥川隆行のナレーションがこれまた枯れているのである~~

 

堪能~~~時代劇は宝ですね♬