邦画ブラボー

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「座頭市地獄旅」

2006年02月01日 | ★ぐっとくる時代劇
実はこの映画は
成田三樹夫めあてで見ました。

シリーズ12作目と、油が乗り切っている頃です。
しかも監督は、きっちり楽しませてくれる三隅研次とくれば、
見たくなるのが人情!

市は船旅の途中で十文字糺(成田三樹夫)という将棋好きの浪人に出会う。
将棋もめっぽう強い市を気に入った十文字は
旅についてくることに。

喧嘩の巻き添えで怪我をさせてしまった子供に見せる優しさ、
目が見えない悲しさでほろりとさせたかと思えば、
鮮やかな居合い抜きもたっぷりとみせる。

あだ討ち兄妹の兄役で山本学が出ているが、贅沢な使い方。
いかにも返り討ちに会いそうなか弱い侍を演じている。
他に岩崎加根子が出ているが特にひねった役ではありません。

勝と成田三樹夫との●と▽コンビネーションはばっちり。

気配で相手の殺気の有無を測る。二人の立ち合いの間は芸術的だ。

当然最後は市が勝つのだけど、ほろ苦さが残るのはいつものこと。
伊福部の音楽が地獄の旅路をゆく座頭市の凄みを増しに増している。

黙っていても良し、低音バリバリの台詞ももちろん良し。
成田三樹夫ファンは見逃せない一本でしょう。

1965年 三隅研次監督作品 脚色 伊藤大輔

撮影 : 牧浦地志 音楽 : 伊福部昭  美術 : 内藤昭

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