邦画ブラボー

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「十三人の刺客」見ちゃったもんね

2010年09月29日 | ★ぐっとくる時代劇
これからごらんになる方に

注意点:
本編が始まる前にトイレに行っておくこと
ラストは斬り合いが続き、息がつけません。
それとお子様には見せないほうがいいです。強烈な映像が含まれます。

*********************


オリジナル工藤栄一版を見ているので
今回は新しい映画を見るつもりで
楽しもうと心に決めていたが
やっぱり比べてしまった!

派手なセット、CG、
もういいってくらいたっぷりの
ひとりひとりの個性を生かした戦いぶり・・
刺激いっぱいのアメリカ映画を見慣れた人にも
十分応えられる娯楽性を持っている。

戦闘場面でハリウッド映画みたいに音楽が入っていたら
嫌だなと思っていたけど、
工藤版と同じく
一切音楽無しだったのはナイス!

また、工藤版で度肝を抜いたハンディカメラによる
リアリティあるカメラワークも継承。
さらに工夫が凝らされ、パワーアップされていました。
カメラいいな、と思いました。

ただ三池流の悪趣味・・いやエキセントリックな演出は
私は苦手~~

ざっくりいいますと
ベテラン、若手、中堅を上手く配してエンターテイメントとして
派手にまとめたと思うが、
面白いところあったんだけど~~
刺激あったんだけど~~
・・・・むむむ・・
まあ、時代劇に何を求めるか・・でそれは違ってくると思います。
とだけ言わせてください。

これ
リメイクではなくて

登場人物と筋は似ていても、
方向性が全く違う映画ですね。

パワフルで乗りに乗ってる三池監督、次は当然3Dでしょうね。

私はシネコンのレディスデイに行ったのですが
お客は7割方入っていて
場内に年配の男性がけっこういらっしゃったのが印象的。
(水戸のご老公のような和服姿のご隠居様も!)
皆様は
どんな感想を持たれただろうか?
とても興味があります。

ごらんになったらぜひ感想お聞かせください!

追記:この作品を見たら
工藤版見ていない方、ぜひごらんになってください。
と言うことも言わせてください・・

2010年
監督:三池崇史
原作:池宮彰一郎
脚本:天願大介
音楽:遠藤浩二 
撮影:北信康
美術:林田裕至

関連記事

●工藤栄一版「十三人の刺客」

●「十三人の刺客リメイクされたのね」(昭和版とのキャストの比較)

●「十三人の刺客」リメイク談義::邦子とブラ子の会話

公式サイト


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「座頭市牢破り」

2010年09月28日 | ★ぐっとくる時代劇
座頭市16作目、勝プロとしては第一回作品。

監督が山薩、撮影宮川一夫とくれば
見ない手は無い!と飛びつくが
勝プロ一回目なので
もしかして
山本 + 勝監督???作品?

冒頭、盛り場で無理やり的当てをやらされた市が
見事に極小の的を射抜き、野次馬の度肝を抜くシーンの始まりは
ワクワク。
かぶさる音楽も何処かゴジラの登場を思わせるように派手で
まがまがしく、つかみはオッケ~!!

が・・

とある村にわらじを脱いだ市は
百姓たちを啓蒙するインテリ侍(鈴木瑞穂)に出会う。
悪い親分と善い親分の対決に巻き込まれて悪い方を倒したつもりが
善いと思っていた方(三國連太郎)も実はワルだったため
不覚にも沢山の犠牲者を出してしまう。

がここで
待った~~!

最初に市が心酔していたはずの
ニセ善玉三國連太郎親分の心変わりがさっぱり説明されていない。
西村晃が演じる残虐で色好みの役人の扱いも中途半端で
イマイチ乗れない筋運び。
もしかして三國連太郎が咳をしていたことに関係あるのかしら?
全然わからな~い!

市に斬られてしまう子分に細川俊之と酒井修がいて哀れを誘ったり
座頭に扮した藤岡琢也と鳳啓助が笑いを取ったりするが
なんだかもったいな~い。

囚われた啓蒙侍を救い
うそつきの三國連太郎の首をすっぱり斬って
得意の三味線早弾きも披露したりと市さんは大活躍ですが・・
題名の「牢」は破っていないし
(襲うのは街道でしたし)

なんだかつじつまが・・・

ラスト、百姓たちに「シェーン!カムバック!」さながらに
「市さ~~ん!」「いちさ~~ん!」と惜しまれながら
田んぼの一本道を去っていく姿はまるでヒーロー!

不気味で恐ろしかったゴジラがどんどんアイドル化していったように
シリーズ最初の、ひとり裏街道を歩いていた座頭市は
このあたりからどんどん饒舌になり
ヒーローになっていったのであります。
それはそれでカッコイイですけど
孤独で淋しくて強い市が好きだったなあ。

勝新によると思われる演出のアイディアが
そこかしこに見られるので
そういうところを探すのも面白いかも。

どうでもいいことですが
落ち武者に代表される元結が切れたざんばら髪って
不気味だけど、三國連太郎がそうなると怖さ百倍で最恐!

1967年
山本薩夫
脚色 中島丈博 松本孝二  猿若清方
原作 子母沢寛
撮影 宮川一夫
美術 西岡善信
音楽 池野成

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「おふくろ先生の診療日記3~心は生きている!」

2010年09月21日 | ●面白かったTVドラマ
衝撃的な予告編を見て
あのいしだあゆみが認知症の役を!?
と飛びつきました(爆)

俳優さんにはツータイプがあると思う。
若い頃のイメージを年を重ねてもつらぬいていくタイプと
えいやっと変身するのをいとわないタイプ。

前者の代表は吉永小百合・高倉健・大原麗子とか・・
後者は 松坂慶子・沢田研二・・乙羽信子もそうかな
そしてこのたびいしだあゆみも歴史に名前が!(大げさ)

「ブルーライト横浜」の艶姿、
「金曜日の妻たち」の一粒真珠ピアスをおぼえていらっしゃる方も
多いのではないでしょうか?
美人でお洒落だったイメージから一転!!

ほんとに見ていいんでしょうか、あゆみさん?
ほんとにいいんですね!と念を押したいくらい
思い切った汚れっぷり!
となりの泉ピン子が可愛いらしい女の子に見えた!

これはホラ~~だ!

もしかしてものすごいものを見ているのかしら?

と、

歴史的瞬間に立ち会っているような軽い興奮状態に陥りました。

渾身の演技はもちろんだけど
「マシニスト」のクリスチャン・ベールも真っ青の
余分なものがそぎ落とされた容姿にはびっくり!
艶の無いバサバサのパーマヘアを無造作に束ね、
野暮ったいセーターを着込み、うどんを口からだらだらと出している様子は
大先輩森繁の「恍惚の人」に限りなく肉薄していた。
演出次第で放送コードギリギリまでいったのでは?の白熱。
昔から熱演派だとは思っていたけどここまでやるとは・・

農家でかいがいしく働いている嫁が
ある日「若年性アルツハイマー型認知症」と診断されてしまう。

あなたならどうする?(という歌がありました)

アルツハイマーテストの場面は
ある年齢に到達した誰もが身につまされるであろう、いやなシーンだった。

亭主関白で口べたな典型的昔人間夫(平泉成)は
そんな妻をささえて生きていこうと決心する。
泉ピン子は麗しい夫婦愛をサポートする、脇役。
主役はやっぱり あゆみ さん!

あゆみちゃん(いつのまにかチャン付け)の熱演に比べ
ストーリーはあっけなくさらっと流れてしまって綺麗に終わり、
物足りない感がありました。

しかしあゆみちゃんの姿がなんせ衝撃的でスリリング。

悪魔みたいに見えたり、星人?のようでもあり、
童女のように可愛いらしくなったり、
最後は神々しささえ漂うような
聖女で締めくくっていました。

ハヤシライス三杯食べたみたいに
おなかいっぱい!
ごっつあんです!

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「恐怖劇場アンバランス」

2010年09月07日 | ●面白かったTVドラマ
人の心の危ういバランスがふとした拍子に狂ってしまい、
恐怖のアンバランス状態に突入してしまう。
豪華キャスト、スタッフによる
大人のための恐怖劇場だ。音楽監修は富田勲ですしね。

円谷プロの特撮もふんだんに生かされている。
炎の中を歩き回る猫が映し出されるタイトルバックの映像処理が見事。

そしてCMに移る前、猫の叫びのような
「んぎゃ~~!」という不気味な効果音とともに
血まみれの女の手が
タイトル文字をひっかく映像が挿入され、
肝が冷える。

この二箇所だけでも
お子様が見たらトラウマになること必至。
ただしそういうことが無いよう、夜の11時に放送されていたそう。

都会の孤独を描いた
西村晃主演の「夜が明けたら」
(劇中に本物淺川マキが登場して歌うシーンもおまけに付いていた)は
ホラーというより上質のドラマだったし、
地味な役者だと思っていた山本耕一が
バラバラ殺人の犯人役を熱演した
「墓場から呪いの手」(鈴木英夫監督)の
ハードな表現にはビックリした。
山本耕一の
端正なマスクが青白く凍り付くさまが見もの。

秋田音頭をナンセンスに取り込んだ
「サラリーマンの勲章」も風刺が効いていて
面白かったし
唐十郎と緑魔子共演の「仮面の墓場」は
バタイユの「眼球譚」を思わせる
「いかにも唐節!」が見られて嬉しかった。

こんな大人の番組が夜な夜な放送されたら
夜が楽しみになるんだけどな。

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松井冬子 in トップランナー 

2010年09月05日 | ★TV番組
若い女性たちに支持者急増、
さらに
国際的にも評価を得ている
日本画家・松井冬子
この世のひとの手によるとは思えないような作品世界、
さらに度肝を抜く超絶な美貌
ざっくりきっぱりした男性的な気性との
アンバランスにクラクラした。

NHKトップランナーにて。

この番組、東京メトロのCMなど数々の有名作品を手がける
広告界のトップランナー箭内道彦が司会を勤めて
各界の気鋭のクリエーターたちから面白創作話を引き出す。
女優の田中 麗奈がアシスタント。

箭内さんは作り手としての目線から
率直にゲストに切り込んでいくんだけど、
派手な外見とは裏腹に
自然体で全く相手に圧迫感を与えない。
あれよあれよと言う間に
思わぬ本音を引き出す才能があるみたい。

前回は偶然チャンネルを合わせたら
今をときめく福山雅治に
山小屋?で料理をさせながらのインタビューで
そのリラックスした雰囲気に
思わず引き込まれてしまった。

今回は番組が進むうち
松井さんの男性社会に対する怒り!や深層心理がクローズアップ、
さらにアグレッシブな面が前面に出てきて
番組最後には
男性に生まれたら何をしてたか?と言う箭内の問いに
美しい唇から
格闘家ですかね」と言う言葉が!

作品のパワーと
松井さん自身のパワーにぐらぐらきた。

いやしかし美人。
美のチカラを思い知りました。
それなのに・・いや、そして作品も・・

刺激的な時間をありがとうございました。
これからも注目したい番組、
箭内、、松井冬子さんである!

●トップランナーHP

松井冬子 オフィシャルHP

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