邦画ブラボー

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飢餓海峡;三國版再見

2020年05月19日 | ●【か】行の映画

BSプレミアムで

内田吐夢監督作品「飢餓海峡」再見。

何度観ても色あせることない傑作ですね。

 

ぐいぐい引き込まれ

三時間の尺を感じさせません!

役者が全員もう上手いですしね。

 

嵐の津軽海峡のどさくさ

八重の東北弁のセリフの数々、爪

恐山のイタコに怯える犬飼

八重と父親のたたずまい、温泉での会話

高倉健演じる正義感が強い若い刑事と、

伴淳(いつも咳をしている)の老練刑事と署長の深み

芸者置屋の女将沢村貞子と亭主

成功した犬飼の家、 ちょっと冷たい感じの妻

八重との再会

船の上での犬飼の表情の変化

そして

お経!!

 

毎回見るたび言いようのない感動に包まれますが

今回は犬飼の心の闇に協調してしまい

八重が会いに来た時は恐怖の絶頂に!

唱えられるお経と相まってホラーのように恐ろしく感じてしまいました!!

 

今置かれている状況のせいなのか。

すごい作品ながら

コロナ禍の中で観るには少々キビシかった~~

 

今日のBSプレミアムの午後の映画は「キリングフィールド」だとか??

これも名作には違いないけど、重いわ~

 

 

 


谷原章介の華岡青洲など

2020年05月17日 | ●面白かったTVドラマ

谷原章介は私の中では

すっかり

休日のワイドショーの司会とか

NHK「きょうの料理」で栗原はるみさんの

アシスタント=助手をしている、奥様たちに寄り添う家庭的な男性という

イメージが強かったんですが、

実は俳優さんが本業なんですよね!!

 

って 誰でも知ってますね。

 

松本清張ドラマでは

「心に深い闇を持った男」を演じてましたが

ちょっと前にドラマ化された「華岡青洲の妻」では

華岡青洲を演じていましたね。

妻の和久井映見と張り合う美しい母親役はスーちゃんこと田中好子でした。

先日時代劇専門チャンネルで再放送されていて再見!

 

和久井映見とスーちゃんの命がけの突っ張り合いは見ごたえありましたが

谷原章介も

ストイックな研究者気質の青洲を、爽やかな風貌で演じていました

 

映画版は市川雷蔵の

瀕死の妹を見る冷徹な医者としての目、

すまないすまないと言いながら母(高峰秀子)と妻(若尾文子)を実験台にしたりと

並みの人間では到底出来ない医学バカぶりが興味深かったです。

 

谷原さんはそこまでの過激さはなかったものの

優し気な容貌と、えげつないよね のギャップが良かったと思いました。

 

これも感想書いていますので

よろしかったらどうぞ(ただし ネタばれあります)

華岡青洲の妻(1)(和久井映見 田中好子 谷原章介版)

(2)嫁と姑

(3)献身

(4)悲しみを超えて

(5)別離


「黒い画集 証言」

2020年05月12日 | ●面白かったTVドラマ

これ NHKで放送していいんですか?

と思ってしまうくらい過激な描写が多いドラマでした。

でも考えてみると

他の局より

突き抜けてナィーブな領域に踏み込むのが最近のNHK[ですからね。考えてみれば。

 

原作は松本清張。前に見たことあるような・・と思ったらやはり

見ていました。浮気している小林桂樹演じる平凡なサラリーマンが

逢引場所の近くで、知り合いにバッタリ会ってしまう・・

橋本忍脚本 堀川弘通監督 助監督に恩地日出夫ですからね。

昭和の世相も色濃く、画面から立ち上ってくるような庶民感。見ごたえありました。

 

でもこれは大胆リメイクというか

別物の感あり。時代設定も違うし

主人公は地方都市在住の医者で、妻と子供二人、

モダンな邸宅で

何不自由の無い生活を営んでいます。

 

これくらい違うものにしてしまうと

むしろ見やすいといいますか、気分を変えて

楽しめますね。

 

今回 浮気していたのが「男性」だったということで

問題は複雑化。そっち?

犯行の際も「自分自身」の苦しみが一気に爆発した感じ。

 

谷原章介、こんな役もやれるとはビックリです。

「顔」でもそうでしたが、時折見せるぞっとするような冷たい表情が秀逸です。

 

相手は浅香航大。存じあげなかったのですが

ジャニーズに在籍されていたそうで繊細で

難しい役を熱演されていました。

 

谷原にすべてを打ち明けられてからの妻、西田尚美の

表情やたたずまいが良かった。

谷原の最後の謎の微笑みも余韻がありました。

 

前回のドラマの記事

「黒い画集 あるサラリーマンの証言」

 


松本清張原作の「顔」

2020年05月04日 | ●面白かったTVドラマ

NHK BSプレミアムで 再見。

10年前の作品なんですね。

 

谷原章介が主演。

松本清張のドラマは昭和の香りがするところが

醍醐味なので

時代設定変えていないところが良いと思った。

 

戦争のトラウマを抱えた

売れない役者が犯罪を犯す。

最初から犯人が分かっている場合

犯人の焦燥感がこちらに伝わってきて

ドキドキしますよね。「太陽がいっぱい」とか。

 

谷原さんも熱演してますが

高橋和也が好演してるのが目立った~~もっと活躍して欲しい。

 

世間にばれたくないのに

顔が売れてなんぼの役者である皮肉

下積みだったのに なぜか売れてしまう皮肉

そもそも勘違いで過ちを犯したという皮肉

顔ではないことでばれちゃったという皮肉

 

皮肉のミルフィーユですね

 

人間って哀しくて愚かで滑稽・・・

清張さんの原作ドラマってほんといつも面白くて

ついつい 追っかけてしまいますわ。

 

谷原さん主演で

ゴールデンウィーク後半に 

「黒い画集 証言」が放送されるそうだから見ようっと♪

 

「顔」:2009年作品

演出:伊勢田雅也 脚本:中園健司