邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「リアル海猿・後編」

2007年07月30日 | ★TV番組
やっぱすごいわ。

肺から出血して
みんなから遅れをとっていた柳田くんも訓練続行。
はらはらしたけど
見事卒業出来た。おめでとう。

からだを張って目的に向かって驀進する姿に素直に感動を覚える。
生きるか死ぬかの瀬戸際、いざと言うときに頼りになる存在って、すごい。

お世話になった教官を胴上げ?と思いきや
海に投げ落とす儀式がなんとも潜水士らしくて笑ったけど。

隅田川へは行かなかったが
浴衣を着て近所で飲み。
夏だなあ。

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「遠い国から来た男」

2007年07月24日 | ★TV番組
途中から見た。

ネタバレ含みます!!**********


杉浦直樹、仲代達矢、栗原小巻、三人の名優による贅沢な山田太一ドラマ。
歌声喫茶や安保闘争、
小室等が音楽監修するなど、団塊世代への直球勝負。

46年ぶりに会ったかつての恋人同士って、
どんな会話を交わすのだろうか??

私はその世代には遥か遠いので(!)
革命とか中国とか云々は肌感覚としてはぴんとこなかったけど
互いを思いやりながら想い出を語る
巧みな台詞に思わず引き込まれる。

身を乗り出して見始めたのは
栗原小巻の歌!がきっかけだったのですが。
あんなに美しい歌声をお持ちだとは今の今まで知らなかった!

最初はぎこちなかった二人(仲代&栗原)が
昔を語るうち、甘いノスタルジーにどっぷり浸って陶然となる。
思い出シーンが老いたそのままの二人というのも面白く、
ファンタスティックな効果をあげていた。

その頂点にひとりだけ「しらふ」の栗原の夫(杉浦春樹)が、
のこのこ間に入ってくるのが可笑しい。

栗原は突然「私、ブラジルに行くわ」と言い出す。
あわてる夫の説得も現実味があった。
わたしたちいつ死んでも可笑しくない年だし・・と言う妻。
死んだと思えと言うの?という夫。
杉浦可笑しい。

そこで先ほどまでうっとりしていた仲代達矢はどうしたかというと、
「はい、上手いお芝居ありがとう!」と幕を引いてしまうのだった。
そして
三人の大人は阿吽の呼吸でそれぞれの思いを呑み込んでしまうのである。

う~む。いいも悪いも山田太一的だ。
と言うより世代的なものなのだろうか?
結局何も起こらなかったじゃないのと
物足りなさを感じながらも起こらなくてよかったねと安心してしまう
わたしたちがいるからだろうか??

栗原小巻の中国語の歌は本当に天使のようだったし
絶妙に絡み合う
三人の芝居にうっとりしてしまったのは紛れもない事実なのだけど
夢だけ見させられて放り出されたみたいで
スカッとしないんですよね~
なかなか梅雨も明けないしさ!

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「海猿」

2007年07月23日 | ★人生色々な映画
先日見たドキュメンタリーに感動したのと
キャサリンパパさんのおすすめもあって
TSUTAYAのレンタル半額日にいそいそ借りてきた。
特番の後編を見る前に見たかったのもありましてね。

始まってすぐ、呉での訓練シーンが
あまりにもこのあいだの「リアル海猿」に酷似していて驚いた。
重りを持って背泳ぎし、溺れる者、脱落しそうになるもの、
バディとの連携・・

そっくりジャン!・・

といいますか
もちろん向こうが本物で映画はそれをなぞったものなのだけど
(原作は漫画)
海上保安庁が全面協力したというだけあって、
本当に海中シーンはリアルそのものだった。

キャラ個々の動機や背景などもしつこく描かず
ドラマがコンパクトにまとめられているのが良かったと思う。

配役もどんぴしゃりである。
時々ものすごくイイ男に見える
伊藤英明はやはり頭ひとつ抜きん出ている。
恵まれた体躯が最大限に生かされ爽やかながらたくましく、
でこぼこバディの伊藤淳史との対照も良い。
加藤あいとのラブシーンも絵のように綺麗であった。

それと
何と言っても藤竜也だ。

若いもんには負けない
いや、成熟した男性のみが持つ魅力が!
鍛え上げられた身体からは男の美学がぷんぷん!
「鬼教官とはかくあってほしい」のニーズに120%こたえる姿は
思わずむか~し昔見たっきりだった
「愛のコリーダ」(当時はただ”怯える”のみだった!)、
借りてこようか?と思ったほどの
「しびれる藤竜也」であった。

やっぱりロックミュージシャンと俳優はカッコよくなければダメだな。

音楽の入り方がちょっとクサイなど、不満も少しあるけど
楽しめる一作だった!緩急のバランスも絶妙で
見終わった後は爽快感が残る。

コレを見て益々「リアル海猿・後編」が待ち遠しくなったであります!

監督:羽住英一郎
脚本:福田靖
撮影:佐光朗
水中撮影:佐野哲郎
美術:相馬直樹
音楽:佐藤直紀

*関連記事:「リアル海猿

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リアル海猿

2007年07月15日 | ★TV番組
あいにくの天気の3連休ですね。

いつものごとく泳ぎに行ったら、台風接近ということで
ほとんど貸切状態。
混んでいるプールは嫌だけど、誰もいないのも淋しいものだ。

夜チャンネルを切り替えているうち
何気なく観た番組に目と心を奪われた。

海上保安官潜水士を目指す16人の若者たちに密着したドキュメントだ。

広島県呉市の海上保安大学校で、
全国から選抜された精鋭が、潜水士の資格を得るための研修を受ける。

水深5メートルのプールで
10キロの重りを持って背泳ぎし溺れる者、
2分30秒の潜水訓練で意識を失いかけるもの、
命がけの激しい訓練についていけず、脱落しそうになる。

少しのミスが重大な事故につながるため
訓練は過酷を極める。
仲間をサポートしなかったことを厳しく叱責され涙をこぼす人もいた。

見ているほうも思わずこぶしを握り締めてしまう
今まで見たことがない映像だった。

人を救うためにあのようなきつい訓練を受けている人たちがいる。
次回放送される後編はいよいよ海洋訓練だ。
ぜひ見たいと思う。

そういえば映画の「海猿」は観ていない!

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「氷壁」

2007年07月14日 | ★人生色々な映画
朝日新聞に連載された井上靖の原作を元に
新藤兼人が脚色し
増村保造が監督した。

魚津(菅原健二)は独身サラリーマン。
暇さえあれば山に登っている山男である。
美しい人妻(山本富士子)にフラれてようやく立ち直った親友、
小坂(川崎敬三)と共に穂高に登るが
ナイロンザイルが切れて小坂は滑落死してしまう。

果たしてザイルは切れたのか、失恋した小坂が故意に切ったものなのか・・・

菅原健二と川崎敬三は山男にしては無骨さが皆無・・
二人ともイケメンでスマートで
女のことで思い煩う・・という風には到底見えないのである。
というのは先入観だろうか?
菅原は小坂の妹(野添ひとみ)と人妻の間で
ちょっと揺れるのであるが、当然女より山でしょう魚津の場合・・
と思ってしまう。

山本富士子と
上原謙演じる年が離れた嫌味な夫との関係が面白い。
山本は普段は和服で楚々としていながら
寝室ではドッキリ透け透けネグリジェでという分かりやすさだ。
とことんやる増村監督万歳。いくらなんでも色気が出過ぎでしょう~

天下の美女がそんな衣裳で攻めても
初老の夫は「疲れた疲れた」と向こうを向いてしまうのであった。
ひとり闇に取り残される若妻。彼女にとっては
小坂でも魚津でもよかったのではないかと思ってしまう演出だった。

そして脚本もいい。
デュプラが書いた詩「もしか或る日」が引用され、
泣かせる。

「もしかある日、おれが山で死んだら、
山で結ばれたザイル仲間のお前にだ
この遺言を頼むのは。

お袋に会ってくれ、そして 言ってくれ、
おれはしあわせに死んだと、
おれの心は いつでも
お母さんのそばにいたから、
おれは 苦しくなんかなかったと。

おやじに 言ってくれ、おれは 男らしくやったと。
弟に言ってくれ、さあ 今こそ
お前に バトンを渡すぞと・・・」



山男の心情と生き方を示す
なんと思いやりがある遺書であろうか!

小坂を見送る火の前で
山の仲間が歌う
「雪よ、岩よ、われらが宿り・・俺たちゃ町には住めないからに・・・♪」
やっぱり彼らは街には住めないのであろうか?
歌の入り方が絶妙であった。

ドライなようで菅原をよく理解している上司
(山茶花究)の存在も心を明るくしてくれる。

なぜ山に登るのか?
「山男」は女にとっても不可解であるがゆえに魅力的ですね。

1958年 
監督: 増村保造
原作: 井上靖 脚本: 新藤兼人 撮影: 村井博
美術: 下河原友雄 編集: 中静達治 音楽:伊福部昭
出演: 山本富士子/ 菅原謙二/ 野添ひとみ
川崎敬三/ 山茶花究/

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