邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「回路」

2005年01月26日 | ★恐怖!な映画
甘く見ていた私がばかでした。

怖かったです。
音が、声が闇が影が~~~!!

だけど、一番恐いのは
孤独な「死」を考えた時。

黒沢監督の映画は心の奥底にある不安をあぶりだす。
ハリウッド式の派手な演出はないし、
「CURE」もそうだったように、恨み、怨念という概念もない。
そこにあるのは漠然とした大きな不安。

我々を必ず待つ死。
死を考えるのは誰でも恐い。
誰も経験したことが無い世界。
人はみなバラバラなのか・・もし死んでも孤独だったら?
ひとりぼっちだったら?
あの世とこの世に果たして境界線はあるのか?

黒沢監督が脚本書いています。

あの世をつなぐ回路が開かれた時、
がらがらと世界は崩れていき、
街は死の匂いに満ちていく。

パソコンの画面に突然現れる「なにか」の画像、
フリッツ・ラングに強い影響を受けたという「影」の威力も存分に発揮されていた。
ガムテープで封印された「開かずの間」。
次々と死に取り付かれていく人々・・

お、おまえもか~~~!お、おれもだ~~!

恐怖映画や小説にも決まりごとみたいなものが存在していて、
いつのまにか頭の中に既成概念が出来てしまっていることに気づく。

霊は気体のようなもの・つかめない・喋らない・・
だが、この映画では~~~!

想像をはるかに超えたものを見てしまうと、
人の心はもろくも壊れてしまうのかもしれませんね。
そして、つながろうとすると・・

黒沢清(回路)と清水崇(呪怨)と中田秀夫(リング)・・
Jホラー三羽烏(!?・・と呼ばせていただきます)は海外での評価が高い。

清水監督と中田監督はハリウッドデビューを果たした。
熱いオファーはもう来ているのだろうが、
黒沢作品こそ、海外でどういう風に受け止められるのか興味が湧くところ。

CM「たまにはババンと!」の加藤晴彦が自然な演技。
生命力にあふれているはずの若者たちが、死にとりつかれるという設定もリアル。

他に麻生久美子、武田真治、小雪、
役所広司(ちょっとだけ)、哀川翔(ちょっとだけ)、風吹ジュンが(ちょっとだけ)出ている。

部屋を暗くしてみない方がいいです。
怖いですから~~

デヴィッド・リンチ,、またクローネンバーグがそうであるように、
黒沢監督の作品には一貫した黒沢的世界がある。
好き嫌い・賛否両論はあるけど、稀有な表現者・アーティストだと思う。
黒沢はクロサワを超えるかもね!

2000年 黒沢清監督作品 
脚本 黒沢清
撮影 林淳一郎 音楽 羽毛田丈史
音楽プロデューサー和田亨
歌 Cocco コッコ

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします