本ブログの内容にはミステリーが、とくにハードボイルドの関係が多い。哲学書評も多いが、内容は突き放したものが多い。つまり、宗教的、倫理的な、言ってみれば「どう生きるか」というものは皆無である。これは意識的にそうしてきたので、これまでのブログの内容を精査するまでもない。
哲学の興味は形而上学的な、あるいは論理的な内容に限っていた。そこで今回はガラっと趣向を変えてみたい。もちろんそういう分野で影響を受けた、あるいは面白いと思った作者もわずかではいる。
一人はしなの陶淵明である。もう一人は永井荷風である。陶淵明は例の有名な帰園田居である。永井荷風はその随筆、なかんずく日記である。永井の小説は墨東奇談くらいしか読むべきものはない。それも人生論というものではない。