goo blog サービス終了のお知らせ 

言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

散歩点描 11 危険な暑さ

2020年08月18日 | さんぽ

お盆は過ぎたが連日酷暑で、昨日は浜松市で一昨年熊谷市で記録した歴代最高気温タイの41.1°Cだった。
日課の散歩もままならない。
早朝でも熱中症対策の重装備で行かなくてはならない。

 
6月に水田だった田圃は、飽水になり順調に伸びている。

近所の「野草園」は園内に清流があり、「ほたる園」も兼ねている。
しかしここ数年、幼虫の生育不良という理由でホタル観賞会が実施されていない。
息子が子どもの頃、近所の友達母子4~5組で出掛けたことがあった。
なんとか復活して欲しい。
民家の駐車場に三匹の猫がいた。
そっくりの毛色で、親子か兄弟か。
しゃがんで手を差し出すと、一匹がゆっくり近づいてきてくれた。
折しも先日は息子の飼い猫チョコの誕生日(5歳)で、画像が送られてきた。
コラージュはいいけど、サングラスはいらない。
かわいい表情が見たい!

2020 特別な夏

2020年08月11日 | ノンジャンル

連日猛暑が続いている。
今日は群馬県伊勢崎市と桐生市で今季最高の40.5℃だった。
「熱中症警戒アラート」が発令され、「命に関わる危険な暑さ。なるべく外出を避け、室内をエアコンなどで涼しくして過ごすよう」と呼びかけられた。
またひとつ、外出を避ける理由が…。

先日、炎天下で元気に遊んでいた子どもたち。
会話を想像するに、

  少女 「ほら、あそこにセミが」
  捕虫網の少年 「ホントだ。でも高くて届かないなぁ。」
  スケボーの少年 「えっ、セミ? どこ?」

  少女 「じゃあ行くからね。頑張って。」
  捕虫網の少年 「わかった。あ、ちょっと下りてきた。」
  スケボーの少年 「採れるよ。」

いずれもマスクでくぐもった声。
子どもたち、コロナに負けるな! 暑さに負けるな!



2020炎帝戦観戦記 2

2020年08月10日 | 俳句


炎帝戦の順位を並べるだけでなく、夏井先生の解説と添削も記しておいたほうがいいだろう。

1位 ラジオ体操 おおおなもみの ある空地 
【作者自解】 小学生の頃のラジオ体操は近所の空き地でしていた。
体操後、通称「ひっつき虫」の「オオオナモミ」を友達とぶつけあって遊んだ思い出を詠んだ。
【解 説】 一見どうということのない句に思われるが、「オオオナモミ」を出したのがよかった。
「オナモミ」は史前帰化植物だが、現在絶滅危惧種となっている。
かたや「オオオナモミ」は侵略的外来種ワースト100 に入っている。
そういう経緯がこの植物にあり、図らずも時代性、空気感が描かれている。
【私 感】「オオオナモミ」「オナモミ」の植物名を初めて知った。
子どもの頃、野山を駆け回って遊んでいたが、衣服に付着するのはどれも総称して「ザシ」と呼んでいた。多分方言だろう。

2位 炎天のミミズ 診察券のシミ
【作者自解】 干からびたミミズと、シミの付いた診察券を持って生きている人とで、生と死の対比を狙った。
【解 説】 句またがりの対句表現の型。
「炎天」も「ミミズ」も夏の季語で季重なりになるが、ミミズはすでに干からびた状態なので許容できる。
また、生き物の季語は漢字で書くのが普通だが、下五の「シミ」の表記に寄せているのでいい。韻も計算している。
大袈裟になりがちな「生と死」をさりげないもので対比させているのがいい。
【私 感】 作者の「取り合わせ」にはいつも感心する。

3位 サングラス 外して探す カードかな
【作者自解】 平凡な日常の実体験を気負わずに詠んでみた。
【解 説】 平易な言葉で、日常のリアルな現場を描いている。
「サングラス」は本来眩しいからかけると描くところを、「外して」と季語の本質を逆から表現している。
詠嘆の「かな」も飄々とした効果がある。
【私 感】 他の人の句の「手袋を外して撫でる猫の喉」も褒められていたのを思い出した。覚えておきたい手法。

4位 行合(ゆきあい)の空 御朱印めぐりかな
【作者自解】「行合の空」とは夏と秋を行きつ戻りつするような空のことで、まだ季語ではないようだが敢えて使ってみた。
【解 説】 そのチャレンジは評価する。
言葉もきちんとしているので添削なし。
しかし、5位・6位の句は1位になる可能性を秘めているが、これは4位どまり。
【私 感】 夏井先生の歯に衣着せぬコメントに笑ってしまった。
テーマ性ということか。

5位 蛾の骸(むくろ) ポイントカードで 掬いけり
【作者自解】 部屋に蛾の死骸があり、ティッシュで取るのは伝わる感触がイヤで、あまり使っていないポイントカードで掬いとって処分した体験の句。身近にある死を描いたリアリズムの俳句である(と豪語)。
【解 説】 着眼点はさすが。
しかし「で」が説明的。「中八」と詠嘆の「けり」もいかがなものか。
  添削 蛾の骸掬う ポイントカードの端(は)
こうしていたら断トツの1位だった。
【私 感】 作者のナイーブな視点を見習いたい。

6位 ポイントで もらひし蛍 なほいきる
【作者自解】 ポイントカードはいわば擬似通貨。それを生き物と交換するのは抵抗があったが、光らなくなっても生きていて、小さな生き物の生命力に感動した。
【解 説】 相変わらず発想がとても良い。
作者自身も言っていた「で」が気になるが、これは外しにくい。
そこで説明臭さを薄める方法として、文語「もらひし」を口語「もらった」、さらに促音にしない歴史的かなづかい「もらつた」と表記するといい。
  添削 ポイントで もらつた蛍 なほいきる 
こうすれば1位の可能性があった。
【私 感】 以前夏井先生が「発想と技術は車の両輪。共に鍛えなければいけない」と言っていた。

7位 消しゴムに 彫刻刀の 彫る花火
【作者自解】 同じプレバトの「消しゴム版画」と併せ、今年中止された花火大会を詠んだ。
【解 説】「花火」が夏の季語であるが、実際のものではなく版画なので季語の力が弱まった。
【私 感】 季語を主役に立てる。そして今ある「もの」「こと」を詠むということは最初に学んだ俳句の基本。

8位 早桃(さもも)の香 支援の客の 食事券
【作者自解】 営業自粛のレストランが事前に食事券を販売し、自粛明けに来たお客様に早桃を出したという句。
【解 説】「客の」が不要だった。
季語の「早桃」がデザートなら、わかりやすく明記したほうがいい。
  添削 デザートは早桃 支援の食事券
【私 感】 作者は唯一の女性名人。いつもドラマ性のある発想で作句している。

9位 花は葉に 彼女は妻に そして母に
【作者自解】 季語は「花は葉に」で桜が葉桜に変わっていく様子。
同様に恋人が妻に、母になっていくのと取り合わせた。
【解 説】 難しい季語にチャレンジしたことを評価する。
しかし時間軸が長く詰め込み過ぎで、人生早送りのよう。
妻で1句、母で1句詠める。
  添削 花は葉に 彼女は匂はしき妻に 
     花は葉に 彼女は母として生きる

【私 感】解説で「時間軸が長い」という指摘をよく聞く。気をつけなければ。

10位 ラジオ体操 歯抜けの判や 夏深し
【作者自解】 子どもの頃の記憶。夏休み終盤にラジオ体操を休んだ日のスタンプが空欄で、乳歯の抜けた自分と重ねた。
【解 説】 季語「夏深し」の選択が間違い。
俳句は陰暦で、8月初旬に立秋となり、以降は秋である。
  添削 ラジオ体操 歯抜けの印や 夏休み(子どもに寄せて)
     ラジオ体操 歯抜けの印や 秋暑し(陰暦に合わせて)
     ラジオ体操 歯抜けの印や 朝暑し
【私 感】 季語「夏深し」の選択ミスは、単に時期の違いだけでなく不釣り合いのように思われる。
上五中七の元気な子どもの世界に対して、この季語は晩夏の情趣を感じさせる。


2020炎帝戦観戦記

2020年08月07日 | 俳句

昨日、プレバト 俳句のタイトル戦『炎帝戦』決勝が放送された。
前投稿で「どんな句が詠まれるか楽しみにしている。」と書いていたので、結果を記しておこう。
兼題は『ポイントカード』だった(敬称略)。

1位 藤本敏史(名人10段 前回2位でシード)
    ラジオ体操 おおおなもみの ある空地
⒉位 立川志らく(名人3段 予選Dブロック2位からの敗者復活) 
    炎天のミミズ 診察券のシミ
3位 三遊亭円楽(特待生1級 予選Dブロック1位) 
    サングラス 外して探す カードかな
4位 梅沢富美男(永世名人 前回最下位で予選から参加すべきところ
   永世名人昇格の栄誉で決勝戦に。「断固拒否して予選から出るの
   が男」と他出場者からブーイング。同感。)
    行合(ゆきあい)の空 御朱印めぐりかな
5位 村上健志(名人10段 予選Bブロック1位)
    蛾の骸(むくろ) ポイントカードで 掬いけり
6位 東国原英夫(名人10段 前回1位でシード)
    ポイントで もらひし蛍 なほいきる
7位 千原ジュニア(名人初段 予選Aブロック1位)
    消しゴムに 彫刻刀の 彫る花火
8位 中田喜子(名人4段 前回3位でシード)
    早桃(さもも)の香 支援の客の 食事券
9位 岩永徹也(特待生2級 前回4位でシード)
    花は葉に 彼女は妻に そして母に
10位 千賀健永(名人2段 予選Cブロック1位)
    ラジオ体操 歯抜けの判や 夏深し
    
朝の散歩に行ったら、野草園前の広場で高齢者の方々がラジオ体操をされていた。
優勝句にぴったりだと思い(子どもたちなら尚可)、敬意を表して画像を付けてみた。

今日は立秋。
猛暑で夏真っ盛りという感じなのに、もう夏の季語は使えない。

プレバト ウォッチャー

2020年08月05日 | 俳句

TV番組「プレバト 」の俳句コーナーは8年前にスタートし、今年の6月までに1,719句が詠まれたそうである。
6月25日の放送で、全句の中から夏井いつき先生が選ぶ
1句、1句、3句、秀逸句15句、優秀句30句
のベスト50句が発表された。
俳句の世界では秀句の順位を「天・地・人」とするらしい。
ほとんど欠かさず見ている番組なので、発表された作品はどれも憶えのある句ばかりだった。
上位5句は以下のとおりだった。

   花震ふ 富士山 火山性微動     東国原英夫
       2018.4.12 俳桜戦優勝句(兼題 桜と富士山)
   銀盤の 弧の凍りゆく 明の星    梅沢富美男
       2017.1.26 (兼題 横浜のスケートリンク)
   エルメスの 騎士像 翳りゆき驟雨    村上健志
       2019.7.4 (兼題 梅雨明けの銀座) 
    マンモスの 滅んだ理由 ソーダ水    藤本敏史 
       2017.8.31 (兼題 夏休みの宿題)
    右肩に 枯野の冷気 7号車     皆藤愛子
       2019.12.26冬麗戦予選1位(兼題 年末年始の駅弁売り場)

ちなみに、自分が最も好きな句は、
   鰯雲 仰臥の子規の 無重力  東国原英夫
である。
が、これは俳句甲子園に行っての対外試合で詠まれた句だったので、対象外だったかもしれない。
ベスト50句にも入っていなかったし…。
他に好きな句を思い出せるだけランダムに挙げると、
   テーブルに 君の丸みの マスクかな   村上健志(秀逸句
   行間に 次頁の影 夕立晴        村上健志(秀逸句
   八月の 海を置き去る バイクかな    村上健志
   新幹線 待つ惜春の チェロケース    藤本敏史

   凍蠅よ 生産性の 我にあるや      東国原英夫(秀逸句
   紅葉ふる コントラバスを 弾くはやさ  石田明(優秀句
   喧騒の褥暑 走り抜け潮騒        石田明(優秀句
   秋天はがれ落ちる 人にベンチに     石田明
   道化師の ギャロップのごと 牧開    鈴木光(秀逸句
   皸(あかぎれ)に 窓の結露を 吸わせけり  千原ジュニア 
   無花果や 苛めたきほど 手に懐き    光浦靖子

   もてなしの 豆腐ぶら下げ 風の盆    柴田理恵(秀逸句
   空の底 強き風恋ふ 水芭蕉       杉山愛
等々がある。

名人・特待生のみが参戦するタイトル戦が年4回あり、夏の『炎帝戦』決勝が明日放送される。
炎帝とは太陽のことで夏の季語である。

先週、先々週に予選があり、4ブロックの1位通過者と全ブロックの2位の中から一番良い句を詠んだ1名、計5名が決勝に上がった。
前回のタイトル戦『春光戦』でシード権を得た4名と、最下位だったにもかかわらず永世名人になった栄誉で梅沢さんを含めた5名が待ち構え、計10名で戦うことになる。
どんな句が詠まれるか楽しみにしている。