
夏至から数えて11日目あたりで、太陽の黄経が 100°に達する日(…?) として、今年は7月1日らしい。
カラスビシャク(烏柄杓)が咲く頃で、その別名「半夏(はんげ)」の名に由来するらしい。
先日水生植物園に行ったとき、遊歩道の奥に画像の植物が群生していた。
この植物は何度か見たことがあって知っていた。
「ハンゲショウ」という花名の植物があることも知っていた。
アプリ 『ハナノナ』 でカメラを向けると「ハンゲショウ100%」と出て、見知った花と名前が合致した。
これがハンゲショウだったんだ。
が、このハンゲショウと七十二候「半夏生」の語源になったカラスビシャク(半夏)は全く別の植物である。
カラスビシャクはサトイモ科で、検索してみると「カラスの柄杓」と名づけられたのが納得できるユニークな形状をしていた。
他に「狐のロウソク」「蛇の枕」という呼び名もあるらしい。
サイトにたくさんの画像があったが無断借用するわけにもいかず、先月プレバトで梅沢さんが「半夏生」を季語に詠んだ時、参考画像で映っていたものを撮影した(ホントはこれもダメ?)。

農家にとっては大切な節目で、この日までに田植えを終えて休養を取るとか、タコを食べるという風習があるそうである。
ハンゲショウは「半夏生草」でドクダミ科である。
そう言えば同じような匂いがした。
半夏生の時期に咲くのでこの名前がついた説や、葉の一部が白くなる様子「半化粧」に由来する説もあるらしい。
葉の片面が白くなるので「片白草」の別名もある。
なぜ白くなるのか?
それは同科のドミダミの花の白い部分と同じ役割を果たし、花を目立たせ昆虫を呼び寄せるためだそうである。
そして、ドクダミは正確には中心の花穂だけが花で、白い花弁は葉が変化した苞葉(ホウヨウ)とのこと。
そしてハンゲショウの白い葉は、苞葉になりきれていない葉だそうである。
受粉を終えると白い葉の役目を終え、葉緑体が作られ葉は徐々に緑に戻るとのこと。
自然の摂理に改めて感動すら覚える。
神様の配慮のなんと細やかなこと! 且つなんと仕事の美しいこと!
歳時記は季節を春・夏・秋・冬・新年に分け、それぞれをさらに
時候…四季の気候
天文…太陽・星・月・天候
地理…山・海・川・湖・田畑
生活…衣食住・農耕・病気
行事…祝日・節句・著名人の忌日
動物…獣・鳥・魚・貝・昆虫
植物…花・果実・樹木・野菜
に分類して掲載している。
半夏生は夏の季語だが、上記の理由によって時候の季語にも植物の季語にもある。
カラスビシャクの実物が見たくなって植物園に問い合わせると、しばらく待たされての回答は、
「植えて管理しているのではなく、自然に生えている植物で、以前アジサイ園の下生えにあるのを見たという職員はいるが、今年あるかどうかはわからない」
ということだった。
行ってみようか…。
ハンゲショウは沼地に生育するので水生植物園だった。

ハンゲショウで俳句を考えたが満足できる句ができず、歳時記の例句にあったものをアップしよう。
諸草に伸び立つ花穂の半夏生 石川風女