
photo by 写真部長
昨日のプレバト俳句は「冬麗戦」だった。
それにしても季節の巡る早さに改めて驚く。
これまでは、前回(金秋戦)の上位シード3~4名に予選勝ち抜き5~6名を加えて行われていた。
しかし今回は、昨年1年間に詠まれた全314句の中から、夏井先生が厳選した優秀句の作者10名がエントリーされての対戦となった。
出場者は以下の通りで、まずはその優秀句を記しておこう。
ただしこの10句に順位付けはなく、段位順に発表されただけだった。
(以後敬称略)
梅沢富美男(永世名人)
読み終へて 痣の醒めゆくごと 朝焼(兼題「本棚」)
東国原英夫(名人10段)
まるでシンバル 移り来し街 余寒(兼題「不動産屋さん」)
藤本敏史(名人10段)
秋雲に 名をつけ窓に 貼る付箋 (兼題「文房具」)
村上健志(名人10段)
二枚目は ベランダで読む 手紙かな (兼題「封筒」)
横尾渉(名人6段)
2020年(前書き)
体温だけ 記す九月の 予定帳 (兼題「文房具」)
中田喜子(名人5段)
若芝に大の字 身ひとつの移住 (兼題「不動産屋さん」)
立川志らく(名人3段)
炎天のミミズ 診察券のシミ (兼題「ポイントカード」)
千原ジュニア(名人2段)
痙攣の 吾子の吐物に 林檎の香 (兼題「7時過ぎの時計」)
千賀健永(名人2段)
夏の海を描く スプレーの秋思 (兼題「ポンプのノズル」)
森口瑤子(特待生3級)
謎解きの 頁に蜘蛛は 果ててゐる (兼題「本棚」)

以上の10名で冬麗戦が行われた。
兼題は「輪ゴム」という極めてシンプルな素材で、結果は以下のようになった。
1位 森口瑤子(特待生3級)
風花へ しゅぱんしゅぱんと ゴム鉄ぽう
2位 村上健志(名人10段)
一月や ゴム動力の プロペラ機
3位 東国原英夫(名人10段)
無影灯 下腹に冷たい何か
4位 梅沢富美男(永世名人)
鏡越し ロット巻く手や 春隣
5位 中田喜子(名人5段)
ゴムとび競う声 冬天に満ちる
6位 千賀健永(名人2段)
手にはぜる 弁当のひも 雪催(ゆきもよい)
7位 千原ジュニア(名人2段)
冬の月 輪ゴムの中に 入れてみる
8位 藤本敏史(名人10段)
血を止める ゴム巻く手際 冬あざみ
9位 横尾渉(名人6段)
七日の名もなき家事 パズルの樹氷
10位 立川志らく(名人3段)
雑煮食う 爺はバケモノ 指鉄砲
有段者の中に唯一特待生で参加した森口瑤子3級は、階級上位の7人を抜いてのランクインだけでも快挙だが、見事冬麗戦を制した。
彼女がこの番組に初出演したのは2019年夏で、その時から注目していた。
「猛暑日」の兼題で、春に亡くなられた母親のエピソードを交えながら
仏壇の 向日葵までも くたばりぬ
という句を詠んでいた。
身内としての愛もありながら、こういうことを淡々と吐けるのは俳人のセンスがあると夏井先生のコメントがあった。
以後の俳句も、性格であろうサバサバとした作風でファンになった。
そしてもうひとつの快挙が。
暮れに発売された歳時記に、出演者の3句が例句掲載されたとのこと。
季語「双六(新年)」 双六の 駒にポン酢の 蓋のあり 村上健志
季語「着膨れ(冬)」 職質を するもされるも 着膨れて 的場浩司
季語「無花果(秋)」 無花果や 苛めたきほど 手に懐き 光浦靖子
恐らくこの発表を見越し、観戦する形で出演していた的場・光浦両名は感激していた。
夏井先生によると、俳句をやっている人は誰も、一生に1句でいいから誰かの編む歳時記に掲載されたいと思っているとのことである。
前に藤本・村上両名が中学校の国語の教科書に載るという発表に続いてのグッドニュースである。
***********************************************************************
季語「冬麗」(とうれい・ふゆうらら)にふさわしい画像がないか、過去の画像を探したが見つからず、友人写真部長氏の画像を拝借した。
ふるさとの冬の棚田である。
うららかというには少し日差しが弱いが…。
それにしても季節の巡る早さに改めて驚く。
これまでは、前回(金秋戦)の上位シード3~4名に予選勝ち抜き5~6名を加えて行われていた。
しかし今回は、昨年1年間に詠まれた全314句の中から、夏井先生が厳選した優秀句の作者10名がエントリーされての対戦となった。
出場者は以下の通りで、まずはその優秀句を記しておこう。
ただしこの10句に順位付けはなく、段位順に発表されただけだった。
(以後敬称略)
梅沢富美男(永世名人)
読み終へて 痣の醒めゆくごと 朝焼(兼題「本棚」)
東国原英夫(名人10段)
まるでシンバル 移り来し街 余寒(兼題「不動産屋さん」)
藤本敏史(名人10段)
秋雲に 名をつけ窓に 貼る付箋 (兼題「文房具」)
村上健志(名人10段)
二枚目は ベランダで読む 手紙かな (兼題「封筒」)
横尾渉(名人6段)
2020年(前書き)
体温だけ 記す九月の 予定帳 (兼題「文房具」)
中田喜子(名人5段)
若芝に大の字 身ひとつの移住 (兼題「不動産屋さん」)
立川志らく(名人3段)
炎天のミミズ 診察券のシミ (兼題「ポイントカード」)
千原ジュニア(名人2段)
痙攣の 吾子の吐物に 林檎の香 (兼題「7時過ぎの時計」)
千賀健永(名人2段)
夏の海を描く スプレーの秋思 (兼題「ポンプのノズル」)
森口瑤子(特待生3級)
謎解きの 頁に蜘蛛は 果ててゐる (兼題「本棚」)

以上の10名で冬麗戦が行われた。
兼題は「輪ゴム」という極めてシンプルな素材で、結果は以下のようになった。
1位 森口瑤子(特待生3級)
風花へ しゅぱんしゅぱんと ゴム鉄ぽう
2位 村上健志(名人10段)
一月や ゴム動力の プロペラ機
3位 東国原英夫(名人10段)
無影灯 下腹に冷たい何か
4位 梅沢富美男(永世名人)
鏡越し ロット巻く手や 春隣
5位 中田喜子(名人5段)
ゴムとび競う声 冬天に満ちる
6位 千賀健永(名人2段)
手にはぜる 弁当のひも 雪催(ゆきもよい)
7位 千原ジュニア(名人2段)
冬の月 輪ゴムの中に 入れてみる
8位 藤本敏史(名人10段)
血を止める ゴム巻く手際 冬あざみ
9位 横尾渉(名人6段)
七日の名もなき家事 パズルの樹氷
10位 立川志らく(名人3段)
雑煮食う 爺はバケモノ 指鉄砲
有段者の中に唯一特待生で参加した森口瑤子3級は、階級上位の7人を抜いてのランクインだけでも快挙だが、見事冬麗戦を制した。
彼女がこの番組に初出演したのは2019年夏で、その時から注目していた。
「猛暑日」の兼題で、春に亡くなられた母親のエピソードを交えながら
仏壇の 向日葵までも くたばりぬ
という句を詠んでいた。
身内としての愛もありながら、こういうことを淡々と吐けるのは俳人のセンスがあると夏井先生のコメントがあった。
以後の俳句も、性格であろうサバサバとした作風でファンになった。
そしてもうひとつの快挙が。
暮れに発売された歳時記に、出演者の3句が例句掲載されたとのこと。
季語「双六(新年)」 双六の 駒にポン酢の 蓋のあり 村上健志
季語「着膨れ(冬)」 職質を するもされるも 着膨れて 的場浩司
季語「無花果(秋)」 無花果や 苛めたきほど 手に懐き 光浦靖子
恐らくこの発表を見越し、観戦する形で出演していた的場・光浦両名は感激していた。
夏井先生によると、俳句をやっている人は誰も、一生に1句でいいから誰かの編む歳時記に掲載されたいと思っているとのことである。
前に藤本・村上両名が中学校の国語の教科書に載るという発表に続いてのグッドニュースである。
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季語「冬麗」(とうれい・ふゆうらら)にふさわしい画像がないか、過去の画像を探したが見つからず、友人写真部長氏の画像を拝借した。
ふるさとの冬の棚田である。
うららかというには少し日差しが弱いが…。
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